学校法人順天堂 順天堂大学理事長・学長室

 
理事長・学長トピックス
2004年 5月22日 医療看護学部開学記念式典式辞

 おはようございます。本日は、順天堂大学医療看護学部開学記念式典ということで式辞を述べさせて戴きます。
 大変ご多忙な中、皆様、多数ご参集戴きまして誠に有難うございます。順天堂大学は1昨日、浦安の附属病院、浦安病院開設20周年の記念式典を執り行いました。堂本県知事を始めとして政官財界より多くの方々が参集されまして、大変華麗な和やかな式典を行うことが出来ました。
 本日は医療看護学部という学事、学問の新たなる学部の、立ち上げを記念して式辞を申し述べます。稲冨初代医療看護学部長のお考えもありまして簡にして素、しかし、格調高く記念すべき式典を行いたいと思っております。大変お忙しい中を本日、ご祝辞を賜ります慶應大学看護医療学部の吉野学部長先生、東邦大学医学部看護学科の村井学科長先生、それから、日頃大変お世話になっております千葉県の看護協会の新井会長にもいらして戴きました。本当に有難うございます。またご列席の浦安市長始めとするご来賓の皆様、順天堂医療短大がめでたく医療看護学部に発展的に移行して行くに当たりまして、今日まで大変お世話になりました。誠に有難うございました。

 5月15日は順天堂大学の開学記念日でございまして、順天堂大学は本年を持ちまして167歳になりました。また本年は開祖の佐藤泰然先生のご生誕200周年という記念すべき節目の年でございます。「これに向けて何とか医療看護学部を開設したい。」それから、「20周年に向けて幾つか新しきものを立ち上げ、これを祝福したい。」ということを慎重に検討して、法人としては着々と計画を練って参ったところでございます。
 かかる節目の年でもございますので、理事長としてほんの少しだけお時間を戴きまして、順天堂の辿った道を簡単に述べさせて戴きます。

 佐藤泰然先生は長崎での蘭学、蘭医学の遊学4年を終えられ、江戸の薬研堀に医学塾を開塾なさいました。時は幕末で、蘭学、洋学の奨励、時に排斥、或いは攘夷などの激動の時代でございました。そのような中で順天堂の一門は、学問的な自由な気風、安住の地を求めて江戸の薬研堀から千葉の佐倉の地に移り住みました。順天堂の医学塾に学んだ人間、殆どすべてが共に佐倉に移って参ったわけですが、これを契機に全国諸藩から西洋医学者の方々が千葉の地へ、佐倉藩、時の堀田の殿様の庇護を求めて集まって参りました。以来、どこの藩と言わず、どこの地方と言わず、日本全国から西洋医学を志す若き学徒が、この佐倉の地に参集したわけでございます。“日新の医学佐倉の林中より生ず”の言葉が今に語り伝えられております。
 明治の時代を迎え、二代目の佐藤尚中先生はこの佐倉から、時の明治政府が大学東校、東京大学医学校を創立するということでその初代校長に任命されました。それを拝命し、大学東校開校時の27名の教授陣のうち22名を順天堂佐倉の林中より引き連れて東京、本郷の東京大学(大学東校)に奉職致しました。それを契機に幾つかの施設を千葉に残しつつも順天堂は本拠を本郷・湯島の地へ移し、大きな病院(順天堂では医院の名を今も冠しております。)を設置致し今日に至りました。
 佐藤尚中先生の次の三代目の佐藤進先生はアジア人として初めて西洋医学校、ベルリン大学の医学部を正規にご卒業なさいました。もちろん、日本には医学校、東大もなかった時代ですので、佐藤進先生はベルリン大学をご卒業された後に学位も取得され、帰国後に東大附属病院の院長も務められました。
 この佐藤進先生は、看護を大変重視された方でございます。順天堂医学塾開設以来、看護師の養成というものは内々で行われていたに違いありませんが、歴史で鮮明に記されているのは佐藤進先生の頃、今から108年前に順天堂医院の中に看護婦養成所があるということが明記されているわけでございます。

 順天堂における看護婦教育108年、その学校の名前は何度か変わっております。養成所、養成学校、准看、高看、医療短大、そして本日ここに医療看護学部への改組転換に至った訳ですが、伝統は脈々と継承されております。順天堂における医療看護、看護師のあるべき姿が検討され、また世評の評価に答えて参りました。ここに4年制の学部となりましたが、どの時代の、どのような名称の学校の卒業であろうとも、順天堂における看護師としての卒業した場所というのは一筋の道の如く、同じであります。同窓会、先輩諸氏と連携を保ちつつ、順天堂看護師108年の伝統、“一筋の道”を貫いて戴きたいと思っております。
 順天堂大学の看護の伝統と申しますか、順天堂の歴代の首脳陣、そして看護を束ねる方々がモットーとしてきたことは、「とにかく患者さんの身になって考えなさい。」「日本一優しい、嫋やかに、人の気持ちがわかる、病む人の立場に立てる靭やかな看護師になってほしい。」ということであります。このような思いを込めて教育に携わってこられましたし、又、世評もそのような評価を戴けているものと自負致しております。教職員そして同窓生各位は、どうかこの伝統を大切に、又、更に磨きをかけて日本の看護学界の中で存在感のある、更なる発展を遂げてください。加うるに、本日ご列席の来賓の方々のご指導も受けながら、日本の医療看護学界をさらに国際的にリーディングする、そのコアともなれるような学部へと発展するよう全学挙げて努力して参りたいと思います。

 この医療看護学部を4年制の学部にするには順天堂大学、率直に申し上げまして、15年遅かったなという思いもあります。これからの医療看護学部の教授会を担う方々は、ここにおいて先般の医療看護学部の教育の改善・再点検をしっかりと、お願い致します。この開設に当たりましては、従来からの教員がコアとなり、また全国多数の施設より集まられた大変優秀な方々とも相協力して日本有数の医療看護学部へと発展させてください。各々の個を尊重しつつ、お互いのファカルティのコミュニケーションを密にして、率直に何でも話し合い、学問を究め合い、相協調し、そして、心身ともに健全なる優秀な看護師、保健師、助産師等の育成に努めて戴きたいと心から望んでおります。また、学校法人順天堂としても、医学部、スポーツ健康科学部の2つの学部が渾身の力を持って、この医療看護学部を支えて行く決心でございます。

 最後に、これで順天堂大学にやっと健康総合大学としての3本の矢が揃いましたので、この3本の矢が相協力して順天堂のため、そして、日本のため、国民のため、国際的な医療・看護学の推進のために邁進する所存でございます。本日ご列席の皆様、この開設に当たりまして本当にお世話になりました。今後とも、何とぞよろしくご指導、ご鞭撻の程を、心よりお願い致しまして私の式辞と致します。

一覧へ戻る上に戻る↑
 

理事長室トップページ 学校法人順天堂