研究科概要 教育・研究の目的と方針

教育研究上の目的

医科学専攻(修士課程)

修士課程は、医学以外の教育を受けた学生を受け入れ、医学・生命科学・医療学の知識を系統的に修得できるカリキュラムのもと、創造的で幅広い視野を持ち、生涯にわたって医科学と向き合う姿勢、能力を涵養する教育、研究の場であり、本学の学是「仁」の精神―常に相手の立場にたって物事を考え、他を思いやり、慈しむ心を兼ね備えた“志高き医学・医療の研究者・高度専門職業人”を育成することを教育研究上の目的とする。

医学専攻(博士課程)

博士課程は、医学を人間に関する総合科学と位置づけ、不断前進する医学的知識・技術を理解、実践し、更にはこれを自ら更新する能力を修学する教育・研究の場であり、常に相手の立場にたって物事を考え、人間として、あるいは医学者として他を思いやり、慈しむ心、これ即ち学是、「仁」の心を兼ね備えた医学・医療の指導者・実践者を国際的レベルで育成する教育研究の拠点である。
このような基本理念に立脚して、生涯にわたって医学と向き合う姿勢をもった基礎医学者と臨床医学者、あるいはその両方を兼ね備えた Physician-Scientist、究極的には心身共に病める人々を救済する“志高き医師・医学者”を育成することを教育研究上の目的とする。

ディプロマ・ポリシー(卒業認定・学位授与の方針)

医科学専攻(修士課程)

標準修業年限(2年)在籍し、課程設置の趣旨と人材養成目的に沿って設定した授業科目を履修して、基準となる単位数以上を修得し、次の資質・能力を身に付けるとともに、研究科が行う修士論文の審査及び試験に合格した者に対し、履修コース・学位プログラムに応じて、修士(医科学)または修士(公衆衛生学)の学位を授与します。

  1. 医科学分野における十分な基礎知識の修得
  2. 医科学分野の研究を遂行する能力や高度の専門性を求められる職業等に必要な能力及び強い責任感と高い倫理観
  3. 知識の専門性を高め、基礎及び応用医科学研究の幅を広げながら研究成果を発信できる能力

医学専攻(博士課程)

標準修業年限(4年)在籍して、体系的教育コースであるコアプログラム(基礎教育、実践教育、レクチャーシリーズ)及び専門領域における研究指導コースである専門プログラム(専門コース、専門研究)合計で30単位以上を修得し、次の資質・能力を身に付けるとともに、査読のある国際的学術誌に筆頭著者として公表する原著論文についての学位審査及び最終試験に合格した者に対し、博士(医学)の学位を授与します。ただし、評価の高い国際雑誌に論文を発表し、高度の研究能力とその基礎となる豊かな学識を確認できた場合には、3年次に学位試験を受験することができます。

  1. 基礎医学研究及び臨床医学研究に必要な幅広い研究領域の知識・技能及び研究を企画・遂行できる能力
  2. 大学院生が希望する研究領域の研究において、専門的知識・技能を駆使し自ら研究プロジェクトを遂行できる能力、同時に研究の本質を見極める判断力、独創的な発想、強い責任感と高い倫理観及び新たな分野を切り拓く能力
  3. 国際的視野を持ち、研究成果を国際的に発信し当該分野の研究の発展に貢献できる能力や高度の専門性を求められる職業等に活かし指導的役割を果たす能力

カリキュラム・ポリシー(教育課程編成・実施の方針)

医科学専攻(修士課程)

本専攻においては、医学分野以外の教育を受けた学生・社会人・外国人などに対し、医科学の基礎的知識を身に付け、更に専門的研究力を身に付けるための教育課程を編成します。

  1. 基礎教育科目
    医科学分野の基礎的知識を修得し、のちに専門的研究力を身に付けるために必要となる基礎的な能力を修得するカリキュラムを編成します。
  2. 専門教育科目
    医療関連企業従事者、病院勤務者、大学・研究所勤務者などが、それぞれのキャリア・興味・関心に応じて、自らに不足している高度な専門的知識・技能及び研究を遂行できる能力を修得する授業を展開するとともに、研究者や高度専門職業人に求められる判断力、強い責任感及び高い倫理観を育むカリキュラムを編成します。
  3. 研究指導科目
    研究計画書に基づいて研究を遂行し、厳格な評価の下、研究成果の中間発表、修士論文の審査及び試験を適切に実施します。それらの評価結果の活用を通じて教育方法の改善を図ります。

医学専攻(博士課程)

本専攻においては、研究者に必要な基礎的能力を養うコアプログラムと、それを応用する方法を学ぶ専門プログラムからなる教育課程を編成します。

1.コアプログラム
  1. 基礎教育[Unit1]
    博士課程における導入教育として、Basic Course(研究手法の原理・科学的思考法などの医学者に必要とされる基礎知識)、Research Support Course(実験方法や解析方法の基礎的知識)、Advanced Course(研究プロジェクト遂行と学位論文作成のための基礎教育)の3科目で構成されるカリキュラムを編成します。
  2. 実践教育[Unit2]
    基礎医学・臨床医学融合型のコースワーク(講義・演習・実習を組み合わせた授業)を編成します。大学院生個々のキャリアパスに応じて複数のテーマからコースを選択することができ、実践的な研究遂行能力を育成します。
  3. レクチャーシリーズ[Unit3]
    大学院生が所属する教育研究分野に関連する領域の研究を幅広く学修し、豊かな教養の涵養と国際的通用性を身につけるカリキュラムです。大学院特別講義(英語による講義を含む)、Current Topics(学内で開催される最先端の医学・医療セミナー)及びE-learning等のコースワークを編成します。 
2.専門プログラム
  1. 専門コース(講義・演習・実験実習)[Unit4]
  2. 専門研究(論文・研究指導)[Unit5]

専門プログラムは、専門コース(講義・演習・実験実習)と専門研究(論文・研究指導)で編成され、研究者養成(基礎系・臨床系)、高度臨床専門家養成(臨床研究)を目的としたプログラムです。大学院生が所属する教育研究分野の研究室における個人指導によって、自ら研究プロジェクトを遂行し、研究の本質を見極める判断力、独創的な発想、強い責任感と高い倫理観及び新たな分野を切り開く能力を修得するプログラムを編成します。

3.研究遂行・成果発表

研究計画書に基づいて研究を遂行し、3年次後半に学位論文の研究に関する研究成果の中間発表を行います。中間発表は抄録作成・口頭発表ともに英語で行い、英文による論文作成を指導します。審査員による評価と助言を受けると同時に研究の進捗状況が研究科委員会に報告されます。それらの評価結果の活用を通じて教育方法の改善を図ります。

以上のような大学院教育によって、生涯にわたって医学と向き合う姿勢を持った基礎医学者や臨床医学者、及びその両方を兼ね備えたPhysician-Scientist、究極的には心身共に病める人々を救済する“志高き医師・医学者”を育成します。

アドミッション・ポリシー(入学者受入の方針)

医科学専攻(修士課程)

入学者受入れ方針

本専攻は、医学分野以外の教育を受けた学生・社会人・外国人などに対して、基礎的な医学・生命科学・医療学・病院管理学・医学教育学・スポートロジーなどを体系的に修得できるようにします。医学・医療の基本的な知識と研究能力を礎として、創造的で幅広い視野を持ち、生涯にわたって医科学と向き合う姿勢を持ち続け、「仁」の心を兼ね備えた“志高き医学・医療の研究者・高度専門職業人”を育成するため、次のような志ある人物を求めます。

求める学生像
  1. 医学・医療の各分野において真摯に研究に取り組み、自らの持つ感性と倫理観を絶えず磨いていく意欲の高い人
  2. 知的好奇心に富み、論理的な分析力、粘り強い行動力や協調性を有し、医学・医療の各分野で活躍できる人
  3. 医科学分野において研究成果の応用を通じて地域・社会に貢献しようとする志のある人
  4. 入学後の研究ビジョンがあり、継続的に自己研鑽に励み、外国語を含むコミュニケーション能力を身に付け、新たなことに挑戦しようとする強い意志と意欲を持つ人

医学専攻(博士課程)

入学者受入れ方針

本専攻は、医学を人間に関する総合科学と位置づけ、不断前進する医学的知識・技術を理解、修得、実践し、更にはこれを自ら更新する能力を修学する教育・研究の場です。そして、常に相手の立場にたって物事を考え、人間として、あるいは医学者として他を思いやり、慈しむ心、これ即ち学是、「仁」の心を兼ね備えた医学・医療の指導者・実践者を国際的レベルで育成する教育研究の拠点でもあります。このような基本理念に立脚して、生涯にわたって医学と向き合う姿勢をもった基礎医学者と臨床医学者、あるいはその両者を兼ね備えた Physician-Scientist、究極的には心身共に病める人々を救済する“志高き医師・医学者”を育成するため、次のような人物を求めます。

入学者受入れ方針
  1. 不断前進する医学を、生涯にわたってキャッチ・アップし、アクティブに学習し、正すべきは正し、新しい知識・技術を理解、修得、実践する能力の涵養を志す人
  2. 自立した研究者として先進的な医学を追及し、高度な知性と技能、外国語を含むコミュニケーション能力を磨き続け、学術の進展に貢献するとともに世界に飛躍しようとする熱意のある人
  3. 人間に関する総合科学である医学と常に向き合う姿勢と研究的な視点を備え、社会に貢献しようとする志のある人
  4. 入学後も継続的に自己研鑽に励み、若い情熱とエネルギーも持って新たなことに挑戦しようとする強い意志と意欲がある人

【 学位プログラム版 】教育目標および各ポリシー

展開医科学 学位プログラム
教育研究上の目的

順天堂大学及び医学研究科の教育目標に基づき、学位プログラム「展開医科学」では以下の通りに教育目標を定めています。
本プログラムでは、医学・医療領域における基礎的・応用的研究の推進に貢献できる人材及び高度な医療関係業務に関わる人材を養成します。そのため、医学分野以外の教育を受けた学生・社会人・外国人などに対して、基礎的な医学・生命科学・医療学・病院管理学・医学教育学・スポートロジーなどを体系的に修得できるようにします。医学・医療の基本的な知識と研究能力を礎として、創造的で幅広い視野を持ち、生涯にわたって医科学と向き合う姿勢を持ち続け、「仁」の心を兼ね備えた“志高き医学・医療の研究者・高度専門職業人”を育成することを教育目標としています。

ディプロマ・ポリシー(卒業認定・学位授与の方針)

学位プログラム「展開医科学」では、標準修業年限(2年)在籍し、教育目標に定める人材を育成するために設定した所要科目を履修して30単位以上を修得し、以下に示す資質・能力を身に付けるとともに、指導教員から必要な論文指導を受け、研究科が行う修士論文の審査及び最終試験に合格した者に対し、修士(医科学)(Master of Science in Medicine)の学位を授与します。

修了時に修得しているべき資質・教養・社会性等

  • 医科学分野における十分な基礎知識の修得
  • 医科学分野の研究を遂行する能力や高度の専門性を求められる職業等に必要な能力及び強い責任感と高い倫理観
  • 知識の専門性を高め、基礎および応用医科学研究の幅を広げながら研究成果を発信できる能力
カリキュラム・ポリシー(教育課程編成・実施の方針)

学位プログラム「展開医科学」では、学位授与の方針に掲げる知識・技術の修得を目指し、体系的な教育課程を編成し実施しております。また、授業科目の成績評価は、専門的知識・技術を発展的に活用できる能力を評価します。
本プログラムでは、学位授与方針に掲げる高度な知識・技能を修得させるため、医科学の基礎的知識を身に付けた上で、更に専門的な知識・技能・研究力を身に付けるために体系的に教育課程を編成し、実施します。

  • 基礎教育科目:医科学の基礎的知識を修得し、のちに専門的研究力を身に付けるために必要となる基礎的な能力を修得するカリキュラムを編成します。配置科目は「医科学概論Ⅰ(生化学・生理学)」「医科学概論Ⅱ(人体機能構造学)」「医科学研究方法論Ⅰ」「医科学研究方法論Ⅱ」「医療倫理学」「基礎生物統計学」「健康行動科学概論」「臨床遺伝学概論」「ヘルスプロモーション」「ヘルスコミュニケーション」です。
  • 専門教育科目:医療関連企業従事者、病院勤務者、大学・研究所勤務者などが、それぞれのキャリア・興味・ 関心に応じて、自らに不足している高度な専門的知識・技能及び研究を遂行できる能力を修得する授業を展開するとともに、研究者や高度専門職業人に求められる判断力、強い責任感及び高い倫理観を育むカリキュラムを編成します。配置科目は「基礎疫学」「医科学概論Ⅲ(内科系分野)」「医科学概論Ⅳ(外科系分野)」「低侵襲な診断と治療技術概論」「感染症の基礎と臨床」「生体防御機構の仕組みと破綻」「検査医学と病理」「脳科学の基礎と臨床」「リハビリテーション医学」「がんと遺伝子」「免疫の仕組みと疾患」「老人性疾患の病態と治療」「メタボリックシンドロームの基礎と臨床」「人体の構造と機能の基本と演習」「人体の組織細胞学演習」「大学院セミナー」です。
  • 研究指導科目:「展開医科学研究」を配置し、研究計画書に基づいて研究を遂行し、厳格な評価の下、研究成果の中間発表、修士論文の審査及び試験を基準に基づき適切に実施します。それらの評価結果の活用を通じて教育方法の改善を図ります。
アドミッション・ポリシー(入学者受入の方針)

学位プログラム「展開医科学」では、教育目標に定める人材育成を目的とし、次のような志ある人材を受け入れます。

入学時に修得しているべき資質・教養・社会性等(求める学生像)

  • 医学・医療の各分野において真摯に研究に取り組み、自らの持つ感性と 倫理観を絶えず磨いていく高い意欲がある。
  • 知的好奇心に富み、論理的な分析力、粘り強い行動力や協調性を有し、医学・医療の各分野で活躍できる。
  • 医科学研究の成果の応用を通じて地域・社会に貢献しようとする志がある。
  • 入学後の研究ビジョンがあり、継続的に自己研鑽に励み、外国語を含むコミュニケーション能力を身に付け、新たなことに挑戦しようとする強い意志と意欲を持っている。

入学者選抜の方針

  • 入学前に医科学コースが求める水準を満たしているかどうかを確認するために、語学試験及び面接試験を実施します。
  • 英語試験に関しては、TOEFL、TOEIC等のスコアを基準に、英語論文が理解できる能力を有するかどうかを判断します。
  • 語学試験で、修得しているべき知識・能力を有していると判断された者に対しては、面接試験のみ実施します。
  • 面接試験では、医科学コースに必要な目的意識と倫理性および積極的態度を有しているかについて、コミュニケーションを通じて判断します。さらには、自分の考えを適切に表現することができるかどうかについて、対話によるコミュニケーション能力を通じて評価します。
International Medical Sciences 学位プログラム
教育研究上の目的

順天堂大学及び医学研究科の教育目標に基づき、学位プログラム「International Medical Sciences」では以下の通りに教育目標を定めています。

本プログラムでは、医学・医療における基礎知識と技能を修得し、医科学分野における国際的な課題に対応すべく、問題解決の能力を主体的に高め、優れた言語運用能力を活かして、自らの研究成果を世界に向けて発信し、国際社会に貢献できる人材を養成します。
そのため、医学以外の学部教育を受けた学生・社会人・外国人などに対して、生命科学・基礎医学を中心とした最新の知識と、それらの知識を応用して、医科学分野での複合的な問題を解決できる能力を体系的に修得できるようにします。
多様性と国際性に富んだ教育環境の下で、学術上の共通語としての英語を使用言語としたカリキュラムを通じて、生命現象を包括的・統合的に理解し、人々の健康な生活の実現に必要な医学・医療知識を修得し、他を思いやり、慈しむ心「仁」の精神を持った国際社会が求めるグローバルな研究者・高度専門職業人を育成することを教育目標としています。

ディプロマ・ポリシー(卒業認定・学位授与の方針)

学位プログラム「International Medical Sciences」では、標準修業年限(2年)以上在学し、教育目標に定める人材を育成するために設定した所要科目を履修して30単位以上を修得し、以下に示す資質・能力を身に付けるとともに、指導教員から必要な論文指導を受け、研究科が行う修士論文の審査及び最終試験に合格した者に対し、修士(医科学)(Master of Science in Medicine)の学位を授与します。
修了時に修得しているべき資質・教養・社会性等

  • 医科学分野における十分な基礎知識の修得
  • 医科学分野の研究を遂行する能力や高度の専門性を求められる職業等に必要な能力及び強い責任感と高い倫理観
  • 学術上の共通語としての英語を使用して基礎・応用医科学の研究成果を発信できる能力
  • 医科学に関係する研究・教育・行政等の分野において、指導的な立場で国際的に貢献できる能力
カリキュラム・ポリシー(教育課程編成・実施の方針)

学位プログラム「International Medical Sciences」では、学位授与の方針に掲げる知識・技術の修得を目指し、体系的な教育課程を編成し実施しています。また、授業科目の成績評価は、専門的知識・技術を発展的に活用できる能力を評価します。
本プログラムでは、学位授与方針に掲げる高度な知識・技能を修得させるため、医科学の基礎的知識を身に付けた上で、更に専門的な知識・技能・研究力を身に付けるために体系的に教育課程を編成し、実施します。

  • 基礎教育科目:医科学の基礎的知識を修得し、のちに専門的研究力を身に付けるために必要となる基礎的な能力を修得するカリキュラムを編成します。配置科目は「Overview of Medical Science I (Molecular Medicine)」「Overview of Medical Science II (Human Morphology)」「Medical Science Research Methodology」「Basic Biostatistics」「Basic Biostatistics」「Overview of Microbiology and Immunology」「Overview of Social and Preventive Medicine」「Overview of Clinical Medicine」「Introduction to Research」です。
  • 専門教育科目:医学以外の学部教育を受けた学生・社会人・外国人などが、それぞれのキャリア・興味・ 関心に応じて、自らに不足している高度な専門的知識・技能及び研究を遂行できる能力を修得する授業を展開するとともに、研究者や高度専門職業人に求められる判断力、強い責任感及び高い倫理観を育むカリキュラムを編成します。配置科目は「Overview of Minimally Invasive Diagnosis and Therapeutic Techniques」「Laboratory Medicine and Pathology」「Rehabilitation Medicine」「Frontiers in Medical Sciences」「Basic and Clinical Metabolic Syndrome」「Basic and Clinical Brain Science」「Diseases of Old Age and their Treatment」「Structure of the Human Body - Basics and Practicum」「Intensive English I」「Intensive English II」「Graduate School Seminars」です。
  • 研究指導科目:「Medical Science Research」を配置し、研究計画書に基づいて研究を遂行し、厳格な評価の下、研究成果の中間発表、修士論文の審査及び試験を基準に基づき適切に実施します。それらの評価結果の活用を通じて教育方法の改善を図ります。
アドミッション・ポリシー(入学者受入の方針)

学位プログラム「International Medical Sciences」では、教育目標に定める人材育成を目的とし、次のような志ある人材を受け入れます。

入学時に修得しているべき資質・教養・社会性等(求める学生像)

  • 医学・医療の各分野において真摯に研究に取り組み、自らの持つ感性と倫理観を絶えず磨いていく高い意欲がある。
  • 知的好奇心に富み、論理的な分析力、粘り強い行動力や協調性を有し、医学・医療の各分野で活躍できる。
  • 医科学研究の成果の応用を通じて地域・国際社会に貢献しようとする志がある。
  • 入学後の研究ビジョンがあり、継続的に自己研鑽に励み、新たなことに挑戦しようとする強い意志と意欲を持っている。
  • 英語で文献を読み、英語で文章を書き、英語でコミュニケーションを行う能力を持っている。

入学者選抜の方針
入学前に修得しているべき能力・知識を有しているかを確認するために書類審査及び面接試験を実施します。

  • 書類審査では、基礎学力、英語の運用能力、適性などについて、学位プログラム「International Medical Sciences」が求める水準を満たしているかを評価します。
  • 英語の運用能力の評価については、TOEFL、IELTS等の外部資格・検定試験を活用します。
  • 書類審査で、修得しているべき知識・能力を有していると判断された者に対しては、面接試験を実施します。
  • 面接試験では、学位プログラム「International Medical Sciences」に必要な目的意識と倫理性及び積極的態度を有しているか、さらに言語運用能力について、対話によるコミュニケーションを通じて判断します。
臨床遺伝学(遺伝カウンセリング)学位プログラム
教育研究上の目的

順天堂大学及び医学研究科の教育目標に基づき、学位プログラム「臨床遺伝学(遺伝カウンセリング)」では以下の通りに教育目標を定めています。

ゲノム医療の担い手となる認定遺伝カウンセラーの育成は、わが国における急務の課題です。遺伝医療を必要とする患者や家族が求める情報を提供し、当事者の自律的な意思決定を支援することは、学是「仁」の実践に他ならないと考えられます。
学位プログラム「臨床遺伝学(遺伝カウンセリング)」は、認定遺伝カウンセラー養成課程として、新しい医療専門職の人材育成に貢献すること、そして認定遺伝カウンセラー制度が形づくってきた体系的な教育に取り組むことで集う全ての者が技術力と実践力を高め、未来のゲノム医療の礎を築くことを目的としています。
本プログラムでは、認定遺伝カウンセラー養成コースの一般目標(GIO)である「遺伝医療の現場において臨床遺伝専門医や他の医療スタッフと協力して、相談に訪れたクライエント(来訪者)に科学的で適切な情報を提供できるようにする。そしてクライアントが遺伝子診断、遺伝子治療を含む医療や生殖行動など自らの意思により自分や家族の適切な健康管理を実践するために必要な臨床遺伝学、遺伝カウンセリングに関する基本的な知識、技術、態度を学ぶ」ことを教育目標としています。

ディプロマ・ポリシー(卒業認定・学位授与の方針)

学位プログラム「臨床遺伝学(遺伝カウンセリング)」では、標準修業年限(2年)在籍し、教育目標に定める人材を育成するために設定した所要科目を履修して30単位以上を修得し、以下に示す資質・能力を身に付けるとともに、指導教員から必要な論文指導を受け、研究科が行う修士論文の審査及び最終試験に合格した者に対し、修士(医科学)(Master of Science in Medicine)の学位を授与します。また、本プログラムは、日本人類遺伝学会ならびに日本遺伝カウンセリング学会の認定を受けた認定遺伝カウンセラー養成課程であり、プログラムを修了することにより、認定遺伝カウンセラー試験の受験資格を得ることができます。

修了時に修得しているべき資質・教養・社会性等

  • 遺伝カウンセリング学分野に関する十分な基礎知識の修得
  • 高度の専門性を求められる認定遺伝カウンセラーに必要な能力及び医療従事者の一員としての強い責任感と高い倫理観
  • 遺伝カウンセリング領域の研究を遂行する能力と研究成果を発信できる能力

認定遺伝カウンセラー専門養成課程として、以下の詳細な到達目標(SBO)が定められています。

  • 知識レベル:
    人類遺伝学の基本知識、代表的な遺伝性疾患の臨床像、自然歴、診断法、治療法に関する基本的知識を持ち、発生予防、医学的管理、社会的資源の活用法などを知っている。遺伝子診断の基礎を理解し、発見された遺伝子異常についてクライエントへの情報提供や遺伝カウンセリングをおこなうための基本的知識を修得している。認定遺伝カウンセラー®として活動するためにわが国の医療・福祉システムや制度、倫理および法的背景について必要な知識を修得している。
  • 技術レベル:
    遺伝医療のニーズにあった家系情報を収集し、家系図にまとめることができる。クライエントが持つ問題の遺伝学的リスクを正しく推定できる。クライエントと好ましい人間関係をつくるためのコミュニケーション技術を持っている。クライエントに共感的理解と受容的態度を示しながら非指示的カウンセリングを行うことができる。クライエントの心理的課題に認定遺伝カウンセラー®の立場から介入でき、家族等周囲との人間関係を調整し、患者や家族のQOLを向上させるための指導技術を持っている。遺伝医学の最新情報、専門医療情報、社会資源情報、患者の支援団体情報を収集し、その情報をクライエント自身が活用できる形で提供したり、臨床遺伝専門医との連絡、専門医療機関や地域行政機関と連絡調整をおこない、クライエントが最良の遺伝医療を受けることができるよう調整したりする技術を持っている。専門職として常に最新の遺伝医学情報にアクセスし、臨床遺伝専門医とのミーティング、研修会への出席、学会活動など自己学習の手段を修得している。
  • 態度レベル:
    認定遺伝カウンセラーは遺伝医療を支える医療スタッフの一員であると同時に、医療技術を提供する主治医の立場からではなく、クライエントの側に立って最良の選択を行えるよう援助することが求められていることを自覚し、臨床遺伝専門医、主治医、他の医療・福祉スタッフとの間で好ましい人間関係を作り出すための調整技術と態度を身につけている。また、医療スタッフの一員として、ジュネーブ宣言とヘルシンキ宣言の主旨を遵守したうえ、クライエントの利益に深い配慮をはらいながら活動する態度を身につけている。クライエントに対してはカウンセリング・マインドを基本とし、社会通念や倫理規範にも十分に配慮しながら科学的なカウンセリングを行う態度を修得している。
カリキュラム・ポリシー(教育課程編成・実施の方針)

学位プログラム「臨床遺伝学(遺伝カウンセリング)」では、学位授与の方針に掲げる知識・技術の修得を目指し、体系的な教育課程を編成し実施しております。また、授業科目の成績評価は、専門的知識・技術を発展的に活用できる能力を評価します。

本プログラムでは、学位授与方針に掲げる高度な知識・技能を修得させるため、医科学の基礎的知識を身に付けた上で、更に専門的な知識・技能・研究力を身に付けるために体系的に教育課程を編成し、実施します。

  • 認定遺伝カウンセラーとしての専門研修を受ける前に下記の教科目(a. b.)については大学教育レベルの教育を受け、単位習得しておくことを条件としています。これらの基礎的な能力を修得するためのカリキュラムとして基礎教育科目を開講しています。人間科学系科目、自然科学・医療系科目を取得していない者は補修として受講可能な機会を提供しており、それ以外の者がより広範な知識を習得のための受講も可能です。
    a. 人間科学系科目:人間発達学、心理学(または臨床心理学、コミュニケーション学、カウンセリング論)、倫理学(または生命倫理学、看護倫理学)
    b. 自然科学・医療系科目:生物学、化学(または一般化学、化学概論)、遺伝学(または人類遺伝学、分子遺伝学、生命科学)、統計学、医学概論(または医療概論、医療科学、看護概論)、公衆衛生学(または保健医療福祉論、基礎保健学)
  • 基礎教育科目:認定遺伝カウンセラーとしての専門研修を受ける前に、該当する科目について大学レベルの教育を受け単位取得していない場合は履修必修とします。配置科目は「医科学概論Ⅰ(生化学・生理学)」「医科学概論Ⅱ(人体機能構造学)」「医科学研究方法論Ⅰ」「基礎生物統計学」「健康行動科学概論」「臨床遺伝学概論」「ヘルスプロモーション」「ヘルスコミュニケーション」です。
  • 専門教育科目(必修科目22単位):学生各々のキャリア・興味・関心に応じて、自らに不足している高度な専門的知識・技能及び研究を遂行できる能力を修得し、研究者や高度専門職業人に求められる判断力、強い責任感、そして高い倫理観を育むためのカリキュラムです。また、医療専門職の一員となるのに十分な経験ができるよう、数多くの疾患に触れる実習をカリキュラムに組み込んでいます。年間手術件数が全国最多の医療機関である順天堂医院での外来見学や、院内に設置されている東京都難病相談・支援センターにおける遺伝性疾患を含む難治性疾患の就労、自立支援、社会支援に触れる機会、また臨床遺伝専門医研修施設として開催している症例カンファレンスへの参加など、遺伝医療に取り組む医師とのコミュニケーションの場を提供し、将来のキャリアパス・医療人としての心得を育むことを重視しています。配置科目は「基礎人類遺伝学(1)」「基礎人類遺伝学(2)」「臨床遺伝学(講義)臨床遺伝学(演習)」「遺伝サービス情報学」「遺伝医療と社会」「遺伝医療と倫理(講義)」「遺伝医療と倫理(演習)」「医療カウンセリング概論」「遺伝カウンセリング(講義)」「遺伝カウンセリング(演習)」です。
  • 研究指導科目:「臨床遺伝学(遺伝カウンセリング)研究」を配置し、他の教育研究分野(講座・研究室等)と交流しつつ、自由闊達にリサーチクエスチョンを立てることへ挑戦しながら、修士論文をまとめる技術を習得していくことを目指しています。研究計画書に基づいて研究を遂行し、厳格な評価の下、研究成果の中間発表、修士論文の審査及び試験を基準に基づき適切に実施します。それらの評価結果の活用を通じて教育方法の改善を図ります。
  • 大学院修了後、医療関連分野に多くの者が従事すると想定されることから、医療従事者からの基礎的、専門的知識に対する要請に十分に応えられる授業科目を基礎教育科目、専門教育科目を履修した上で、それらの十分な知識を背景に研究指導科目を通してプレゼンテーション能力が向上するよう各授業科目を構成し、学生スキルを向上させるように工夫されている。また、研究指導科目では研究指導担当教員を中心に関連する多種多様な教育研究分野の教職員・研究者と交流を図ることにより、大学院修了後に研究者として立ち位置を見定められるよう対応しています。医学研究科博士課程臨床遺伝学への進学を目指す学生が、医科学研究者として、医学・医療の基礎知識を修得し、研究者としてスタートを切るための基礎的能力を身に付けられる指導体制を整備しています。
アドミッション・ポリシー(入学者受入の方針)

学位プログラム「臨床遺伝学(遺伝カウンセリング)」では、教育目標に定める人材育成を目的とし、プログラムを通じて、遺伝カウンセリングの実践に必要な専門的知識、カウンセリング理論と技法を体得し、遺伝医療を必要としている患者や家族に適切な遺伝情報や社会の支援体制などの情報を提供し、心理的、社会的サポ-トを通して当事者の自律的な意思決定を支援する、ゲノム医療に重要な役割を果たすことができる人材を受け入れます。

入学時に修得しているべき資質・教養・社会性等(求める学生像)

  • 修士科目の履修に必要な人間科学系科目や自然科学・医療系科目に関する基礎知識を有している。
  • 認定遺伝カウンセラーに必要な臨床遺伝学、遺伝カウンセリングに関する基本的な知識を吸収する積極的な意欲がある。
  • 必要な技術、態度レベルの習得に取り組む姿勢がある。
  • 英語論文を理解できるレベルの語学力を有している。

入学者選抜の方針

  • 入学前に医科学コースが求める水準を満たしているかどうかを確認するために、語学試験及び面接試験を実施します。
  • 英語試験に関しては、TOEFL、TOEIC等のスコアを基準に、英語論文が理解できる能力を有するかどうかを判断します。
  • 語学試験で、修得しているべき知識・能力を有していると判断された者に対しては、面接試験のみ実施します。
  • 面接試験では、医科学コースに必要な目的意識と倫理性および積極的態度を有しているかについて、コミュニケーションを通じて判断します。さらには、自分の考えを適切に表現することができるかどうかについて、対話によるコミュニケーション能力を通じて評価します。
  • 医科学コースの選抜方針に加えて、遺伝カウンセリングプログラムとして面接試験を実施します。
データサイエンス 学位プログラム
教育研究上の目的

順天堂大学及び医学研究科の教育目標に基づき、学位プログラム「データサイエンス」では以下の通りに教育目標を定めています。
情報通信(ICT)技術の飛躍的な発展により、社会のあらゆる分野で膨大な多種多様なデータが発生し、蓄積されている。このビッグデータを利活用し、社会に貢献するためには、データを利用可能な形で蓄積し、それを解析する。その結果を利用して人工知能を開発し、さらに人工知能を高速化してより高度な解析や問題解決を行っていかねばならない。データサイエンスはそのために生まれた学問で、データに関する総合的な学問及び学問分野といえる。データをコアとして数理統計等の手法の下に機械学習や深層学習等のAI技術を活用して、データの処理・分析を行い、有益な知見や新たな価値の創造をもたらす学問とされる。カルテ情報のみならず、医療画像やゲノムはすでにデジタル化されたビッグデータであり、さらにスマートウオッチ等により得られるPHR(パーソナル・ヘルス・レコード)情報は飛躍的に増えており、それらの解析から得られる有益な情報は直接患者さんに戻すことが可能である。医療系のデータサイエンスの発展が強く望まれる。
データサイエンスの主な領域としては、①大規模データを使いやすい形に整え蓄積して、分析に適した環境やシステムを構築するためのデータエンジニアリング、②データの分析や解析を行う、データからパターンを法則化し、集計・グラフ化等によりデータを可視化する、統計学的な手法によるモデル構築等を行うデータアナリシス、③データ分析の結果により課題解決策を提言したり、データソースから得られた情報を磨き上げ、新たな価値創造を行う分野などがある。特に医療系では扱うそれぞれの分野における医療の基礎的知識が必要となる。
本プログラムでは、医療系のデータサイエンティストとして、次のような人材を養成することを教育目標としています。

  • データエンジニアリング、データアナリシスなどのデータの扱いに長じ、客観的かつ的確にビッグデータを解析し、活用できるデータサイエンティスト。
  • そのために必要なコンピュータサイエンスの素養を身に着け、必要に応じてプログラムを開発できる人材。
  • 医療データが要配慮個人情報を含み慎重かつ安全な取り扱いが必要な点を十分認識し、適正な取り扱いの上、安全な解析を行える知識とスキルを持った人材。
  • 独自のプロフェッショナリズムを持つ多様な医療の専門家と円滑なコミュニケーションがとれる人材。
ディプロマ・ポリシー(卒業認定・学位授与の方針)

学位プログラム「データサイエンス」では、標準修業年限(2年)在籍し、教育目標に定める人材を育成するために設定した所要科目を履修して30単位以上を修得し、以下に示す資質・能力を身に付けるとともに、指導教員から必要な論文指導を受け、研究科が行う修士論文の審査及び最終試験に合格した者に対し、修士(医科学)(Master of Science in Medicine)の学位を授与します。

修了時に修得しているべき資質・教養・社会性等

  • データサイエンス人材に求められる行動規範を理解し、その実践を通じ高い倫理観と人間尊重の意識・態度を有している。
  • 医療・医学に関する基本的な知識と求められる倫理観を身につけている。
  • データサイエンスの基礎となる数理統計、コンピュータサイエンス等の知識を身につけ、必要に応じてソフトウエアの開発に関与することが可能な能力を有する。
  • 医療の専門家と円滑なコミュニケーションを図ることができ、専門家と協力して現場の課題をデータサイエンスのスキルをもって解決していく態度を身につけている。
  • 進歩の早いデータサイエンス、医療の両方の分野に知的興味を保ち続け、自律的な学修を継続して自己成長する方法と態度を身につけている。
カリキュラム・ポリシー(教育課程編成・実施の方針)

学位プログラム「データサイエンス」では、学位授与の方針に掲げる知識・技術の修得を目指し、体系的な教育課程を編成し実施しております。また、授業科目の成績評価は、専門的知識・技術を発展的に活用できる能力を評価します。
本プログラムでは、学位授与方針に掲げる高度な知識・技能を修得させるため、医科学の基礎的知識を身に付けた上で、更に専門的な知識・技能・研究力を身に付けるために体系的に教育課程を編成し、実施します。

  • 基礎教育科目(医科学共通):入学前に大学教育レベルの教育を受け、単位取得していない場合に履修を必須とする科目として、「医科学概論Ⅰ(生化学・生理学)」「医科学概論Ⅱ(人体機能構造学)」を配置している。
  • 基礎教育科目(医科学基礎):入学前に大学教育レベルの教育を受け、単位取得していない場合に履修を必須とする科目として、「医科学研究方法論Ⅰ」「医療倫理学」を配置している。
  • 基礎教育科目(データサイエンス基礎):データサイエンスの基礎的知識を習得し、のちに専門的研究力を身に着けるために必要なカリキュラムを編成しています。コンピュータサイエンス、汎用性の高いソフトウエア(Python)などを用いたプログラム演習、非線形化学などを必修とし、数学や統計の素養を合わせるため1年前期に選択科目として基礎数学や統計があります。データサイエンスとして必要な法制や倫理も必須としています。
  • 専門教育科目:専門教育科目はほとんど選択科目あるいは選択必修科目で、幅広い医療分野や産学連携講座で学べるカリキュラムが編成されていれます。データサイエンス演習や研究演習を多く用意して、データハンドリング、セキュリテーの演習や、MRIなどの脳画像の画像統計解析と人工知能開発研究の演習が選択可能です。
  • 産学連携講座が本プログラムの特徴で、IBM、 富士フィルム、NECなどの企業の専門家が現状を踏まえた講義や演習を行ないます。
  • 研究指導科目:「データサイエンス研究」では論文指導を受け修士論文を作成します。研究計画書に基づいて研究を遂行し、厳格な評価の下、研究成果の中間発表、修士論文の審査及び試験を基準に基づき適切に実施します。それらの評価結果の活用を通じて教育方法の改善を図ります。
  • 修士学位論文は、「リサーチ・クエスチョンの質」「プレゼンテーションスキル」「質疑応答能力」に基づき、審査します。
アドミッション・ポリシー(入学者受入の方針)

学位プログラム「データサイエンス」では、教育目標に定める人材育成を目的とし、次世代のデータサイエンスを担う次のような志ある人材を受け入れます。

入学時に修得しているべき資質・教養・社会性等(求める学生像)

  • 数学や統計学、プログラミングの大学学部教育は必ずしも必要ないが、データサイエンスに必要な数学や統計学、プログラミングを身に着けるための基礎的知識と高い目的意識をもち、真摯に学習に取り組む意欲を有する。
  • 知的好奇心に富み、論理的な分析力、粘り強い行動力や協調性を有し、データサイエンス分野で活躍が期待できる。
  • データサイエンスと医学のスキルを身に着け、それにより社会貢献を行うという高い志を持ったもの。

入学者選抜の方針

  • 入学前に本プログラムが求める水準を満たしているかどうかを確認するために、語学試験及び面接試験を実施します。
  • 英語試験に関しては、TOEFL、TOEIC等のスコアを基準に、英語論文が理解できる能力を有するかどうかを判断します。
  • 語学試験で、修得しているべき知識・能力を有していると判断された者に対しては、面接試験のみ実施します。
  • 面接試験では、本プログラムに必要な目的意識と倫理性および積極的態度を有しているかについて、コミュニケーションを通じて判断します。さらには、自分の考えを適切に表現することができるかどうかについて、対話によるコミュニケーション能力を通じて評価します。
公衆衛生学・グローバルヘルス 学位プログラム
教育研究上の目的

順天堂大学及び医学研究科の教育目標に基づき、学位プログラム「公衆衛生学・グローバルヘルス」では以下の通りに教育目標を定めています。

公衆衛生学とは、人々の健康増進ならびに疾病による負担や健康水準の格差等の健康への脅威に対処することを目的として、コミュニティーレベルからの実践に繋げる学問です。
社会情勢の目まぐるしい変化の中で人々を取り巻く環境は想像を超える速さで変化し続け、21世紀の健康・医療問題はますます複雑・多様・グローバル化してきています。その解決には、従来からある医療、あるいは、生命科学に関する知識・技能のみで対応することは困難であり、医学、社会学、環境科学、経済・経営学、法律学、倫理学、政策学等の領域毎の縦割り的な枠組みの思考ではなく、公衆衛生学が得意とする横断的で多面的な視点による考察、アプローチが求められます。本学の本プログラムでは、このように複雑・多様・グローバル化する健康・医療の諸問題を解決するために、基礎となる疫学、生物統計学、保健政策、グローバルヘルス、行動科学、及び産業・環境保健学の科目に加えて、一般医学、医療倫理、医療管理、産業(環境)保健関連法規、医療経済・経営、各種演習・実習、及び国内外からの講師を招いた特別講義等が設置されています。これらの公衆衛生学に関連する様々な選択科目を修得することで、公衆衛生上の諸問題に対する解決能力を身につけ、実務、研究、教育、及び施策において専門的かつ指導的役割を国内外で果たす人材を育成します。

本プログラムでは、単に公衆衛生学・グローバルヘルス領域の教育研究機関、行政機関、企業・シンクタンク、国際機関等で働く人材の輩出を目指すだけでなく、行政機関の医師、歯科医師、薬剤師、保健師、栄養士等の専門職においては、さらなる能力向上に資する教育を提供することにより、以下のような人材を育成することを教育目標としています。

  • 公衆衛生学・グローバルヘルスの研究や実践を自立して活動するために必要な能力、及びその基礎となる知識、倫理観、そして、深い教養に基づく創造性に裏付けられた優れた人材。
  • グローバルな視野を持ち、国内外の健康に関する諸問題に、公衆衛生学・グローバルヘルスの知識の方法論を活用して対処できる人材。
  • グローバルな視点から健康格差や脆弱者の健康の現実を見極め、健康課題の解決を通して人類が直面する課題に貢献したいという高邁な理想を持ちあわせている人材。
  • 公衆衛生学の研究や実践を自立して活動するために必要な能力、及びその基礎となる知識、倫理観、そして、深い教養に基づく創造性に裏付けられた優れた人材。
  • グローバルな視野を持ち、国内外の健康に関する諸問題に、公衆衛生学の知識の方法論を活用して対処できる人材。
ディプロマ・ポリシー(卒業認定・学位授与の方針)

学位プログラム「公衆衛生学・グローバルヘルス」では、標準修業年限(2年)在籍し、教育目標に定める人材を育成するために設定した所要科目を履修して32単位以上を修得し、以下に示す医学研究に必要な倫理性と、専門性の高い知識と優れたコミュニケーション能力、国際性を身に付けるとともに、指導教員から必要な論文指導を受け、研究科が行う修士論文の審査及び最終試験に合格した者に対し、修士(公衆衛生学)(Master of Public Health: MPH)の学位を授与します。

修了時に修得しているべき資質・教養・社会性等

  • 幅広い公衆衛生学・グローバルヘルスの基礎、及び専門的な知識を有している。
  • 公衆衛生・グローバルヘルスの研究に必要な目的意識と倫理観を備え、真摯に取り組む姿勢を身に着けている。
  • 国内外の保健、医療、及び福祉に関する諸問題の解決に向けた対応策を提案し、問題解決を図ることができる。
  • 国内外の健康課題解決に向けた多職種との連携体制を構築し、成果を発信するために必要なコミュニケーション能力や、柔軟にかつレジリエントに物事を進めるリーダーシップ能力を身につけている。
  • 多様な価値観や文化的習慣を有する人々と円滑なコミュニケーションができる外国語運用能力と異文化理解能力を身につけている。
カリキュラム・ポリシー(教育課程編成・実施の方針)

学位プログラム「公衆衛生学・グローバルヘルス」では、学位授与の方針に掲げる知識・技術の修得を目指し、体系的な教育課程を編成し実施しております。また、授業科目の成績評価は、専門的知識・技術を発展的に活用できる能力を評価します。
本プログラムでは、学位授与方針に掲げる高度な知識・技能を修得させるため、公衆衛生学の基礎的知識を身に付けた上で、更に専門的な知識・技能・研究力を身に付けるために体系的に教育課程を編成し、実施します。

  • 医学部等の医療系学部以外の出身者が、幅広く一般医学の基本的知識を身に付けることを目的として、医科学コースの必修科目の中から「医科学概論Ⅱ(人体機能構造学)」「医科学概論Ⅲ(内科系分野)」の履修を必須としています。
  • 基礎教育科目:
    公衆衛生学・グローバルヘルスの基礎的知識を修得し、のちに専門的研究力を身に付けるために必要となる基礎的な能力を修得するカリキュラムを編成します。「公衆衛生」の基礎となる5分野である「疫学」「生物統計学」「健康行動科学」「保健政策・医療管理学」「産業・環境保健学」を必修科目としています。
  • 専門教育科目:
    「公衆衛生学」を主な専門領域とする場合は、疫学分野から「疫学研究デザイン演習」、生物統計学分野から「データ解析演習」、保健政策・医療管理学分野から「公共政策学」「医療倫理学」、グローバルヘルス分野から「グローバルヘルス概論」、健康行動科学分野から「健康行動科学演習」の履修を必須としています。
  • 専門教育科目:
    「グローバルヘルス」を主な専門領域とする場合は、保健政策・医療管理学分野から「医療倫理学」、グローバルヘルス分野から「グローバルヘルス概論」「グローバルヘルス演習」「国際保健学」の履修を必須としています。
  • 「公衆衛生学」「グローバルヘルス」の専門領域に関わらず、医学研究に必要な高度な倫理観と、安全に研究を行うための知識を身につけることを目的として「医療倫理学」を必修科目に位置付けています。
  • 本プログラムでは、公衆衛生的課題の抽出、研究計画の立案、疫学的手法による研究遂行、そして論文作成を可能とする実践力を身につけるように指導します。指導は国内外での研究経験豊かな教員が担当します。
  • 研究指導科目:
    「公衆衛生学・グローバルヘルス研究」を配置し、研究計画書に基づいて研究を遂行し、厳格な評価の下、研究成果の中間発表、修士論文の審査及び試験を基準に基づき適切に実施します。それらの評価結果の活用を通じて教育方法の改善を図ります。
  • 修士学位論文は、「リサーチ・クエスチョンの質」「プレゼンテーションスキル」「質疑応答能力」に基づき、審査します。
アドミッション・ポリシー(入学者受入の方針)

学位プログラム「公衆衛生学・グローバルヘルス」では、教育目標に定める人材育成を目的とし、以下に示す資質・教養・社会性等の水準を満たし、次世代の公衆衛生を担う人材を受け入れます。

入学時に修得しているべき資質・教養・社会性等(求める学生像)

  • 公衆衛生学・グローバルヘルス学位プログラムの研究と実践の能力を修得するために必要な基礎及び専門的な知識や技能を有している。
  • 物事を多角的、かつ広い視野で見ることができ、柔軟な思考能力を身につけている。
  • 国内外の社会的健康課題に関心を持ち、不断前進の姿勢で、その解決を目指す意志を有している。
  • 協調性や柔軟性をもって異文化を理解しようとする姿勢を持ち、外国語を使って世界の人々とコミュニケーションがとれる。

入学者選抜の方針

  • 入学前に公衆衛生学コースが求める水準を満たしているかどうかを確認するために、語学試験及び面接試験を実施します。
  • 英語試験に関しては、TOEFL、TOEIC等のスコアを基準に、英語論文が理解できる能力を有するかどうかを判断します。
  • 語学試験で、修得しているべき知識・能力を有していると判断された者に対しては、面接試験のみ実施します。
  • 面接試験では、公衆衛生学コースに必要な目的意識と倫理性および積極的態度を有しているかについて、コミュニケーションを通じて判断します。さらには、自分の考えを適切に表現することができるかどうかについて、対話によるコミュニケーション能力を通じて評価します。
クリニカル・トランスレーショナルサイエンス 学位プログラム
教育研究上の目的

順天堂大学及び医学研究科の教育目標に基づき、学位プログラム「クリニカル・トランスレーショナルサイエンス」では以下の通りに教育目標を定めています。
近年、本邦の臨床研究力の低下が指摘されています。臨床医学コア・クリニカルジャーナル採択数は低迷し、欧米諸国に引き離されている現状があります。研究力低下を挽回すべく、本邦の臨床研究を取り巻く環境は、著しく変化してきています。平成27年4月には日本医療研究開発機構(AMED:Japan Agency for Medical Research and Development)が設立され、臨床研究の基盤整備が進み、医療研究の予算管理が一元化されました。また、国際水準の臨床研究や医師主導治験の中心的役割を担う病院として「臨床研究中核病院」が、医療法上に位置付けられました。
そのような潮流において、アカデミアの現場では、質の高い「臨床研究者」および「臨床研究支援者」の養成が急務です。本邦の臨床研究力低迷の原因としては「臨床医(臨床研究者)」の統計学の知識不足、メディカルライティングの経験不足、研究デザインの体系的な学習機会が与えられていない等の要素が挙げられます。また、生物統計家、CRC(Clinical Research Coordinator)、モニター、プロジェクトマネージャー、データマネージャー等の「臨床研究支援者」の数も不十分です。
本学の臨床研究支援体制は、平成30年1月1日に臨床研究支援センターから臨床研究・治験センターに組織が再編されるとともに、規模が拡充されました。また、令和2年3月には、国内13施設目、私立大学2施設目の「臨床研究中核病院」に認定されました。また、本学は、6附属病院を合わせると、約3,500病床(令和3年4月1日時点)、平均外来患者数約10,000人※、平均入院患者数約3,000人※と日本トップクラスの臨床実績を有しています。さらには、順天堂大学医学部附属順天堂医院は、平成27年12月に、医学教育とヒトに関する研究のプログラムを兼ね備えた大学病院の本院として、わが国で初めて「JCI(Joint Commission International)」による認証を取得しています。
※令和2年度データ

本プログラムでは、令和3年6月時点で、「JCI」と「臨床研究中核病院」の両方を有する順天堂医院の豊富な臨床データおよび、充実した臨床研究支援組織(臨床研究・治験センター)を最大限に活用し、実践力を重視した、次のような「臨床研究支援者」を育成することを教育目標としています。

  • クリニカルクエスチョンの構造化、プロトコール作成、データマネジメント、モニタリング、統計解析等、臨床研究を支援する上で必要な、基本的知識、方法論、実践スキルに習熟した人材。
  • 臨床研究コーディネーター、生物統計、データマネジメント、モニタリング等の臨床研究支援業務を幅広く理解し、多職種連携を高めるチームマネジメント能力に優れた人材。
  • 臨床研究者の持つ視点を理解し、臨床研究者とのコミュニケーションを通じ、臨床研究者―支援者間の円滑な連携体制を構築できる人材。
ディプロマ・ポリシー(卒業認定・学位授与の方針)

学位プログラム「クリニカル・トランスレーショナルサイエンス」では、標準修業年限(2年)在籍し、教育目標に定める人材を育成するために設定した所要科目を履修して32単位以上を修得し、以下に示す医学研究に必要な倫理性と、専門性の高い知識と優れたコミュニケーション能力、国際性を身に付けるとともに、指導教員から必要な論文指導を受け、研究科が行う修士論文の審査及び最終試験に合格した者に対し、修士(公衆衛生学)(Master of Public Health: MPH)の学位を授与します。

修了時に修得しているべき資質・教養・社会性等

  • 臨床研究および臨床研究支援に関する幅広い知識と、根拠に基づく医療[EBM(Evidence-Based Medicine)]の深い知識を身に付けている。
  • 「臨床研究法」を理解し臨床研究に関する倫理的な問題を認識して適切に行動することができる。
  • 最新の臨床研究及び臨床研究支援に関する知識を獲得し、自らが直面する臨床研究支援上の問題に対し科学的根拠に自らの経験を加味し、問題解決を図ることができる。
  • 臨床研究を成功させるために、臨床研究者―支援者間の円滑な連携体制が必要不可欠であることを理解し、率先して臨床研究者-支援者間の橋渡しを実践する能力を有する。
  • 本邦のみならず、諸外国の臨床研究を取り巻く環境を理解し、世界の臨床研究に関する諸問題を理解することができる。
カリキュラム・ポリシー(教育課程編成・実施の方針)

学位プログラム「クリニカル・トランスレーショナルサイエンス」では、学位授与の方針に掲げる知識・技術の修得を目指し、体系的な教育課程を編成し実施しております。また、授業科目の成績評価は、専門的知識・技術を発展的に活用できる能力を評価します。
本プログラムでは、学位授与方針に掲げる高度な知識・技能を修得させるため、公衆衛生学の基礎的知識を身に付けた上で、更に専門的な知識・技能・研究力を身に付けるために体系的に教育課程を編成し、実施します。

  • 医学部等の医療系学部以外の出身者が、幅広く一般医学の基本的知識を身に付けることを目的として、医科学コースの必修科目の中から「医科学概論Ⅱ(人体機能構造学)」「医科学概論Ⅲ(内科系分野)」の履修を必須としています。
  • 基礎教育科目:
    クリニカル・トランスレーショナルサイエンスの基礎的知識を修得し、のちに専門的研究力を身に付けるために必要となる基礎的な能力を修得するカリキュラムを編成します。「公衆衛生」の基礎となる5分野である「疫学」「生物統計学」「健康行動科学」「保健政策・医療管理学」「産業・環境保健学」を必修科目としています。
  • 専門教育科目:
    疫学分野から「臨床疫学」「疫学研究デザイン演習」、生物統計学分野から「疫学研究データ管理学」「データ解析演習」、保健政策・医療管理学分野から「医療倫理学」の履修を必須としています。
  • 医学研究に必要な高度な倫理観と、安全に研究を行うための知識を身につけることを目的として「医療倫理学」を必修科目に位置付けています。
  • 本プログラムでは、令和3年6月時点で、私立医科大学としては数少ない「臨床研究中核病院」の承認を得ており、豊富な臨床データと、充実した臨床研究支援基盤を基に、各診療科に所属する臨床経験豊かな臨床医と連携した教育を実践します。
  • 研究指導科目:
    「クリニカル・トランスレーショナルサイエンス研究」を配置し、研究計画書に基づいて研究を遂行し、厳格な評価の下、研究成果の中間発表、修士論文の審査及び試験を基準に基づき適切に実施します。それらの評価結果の活用を通じて教育方法の改善を図ります。
  • 修士学位論文は「リサーチ・クエスチョンの質」「プレゼンテーションスキル」「質疑応答能力」に基づき、公正かつ厳正に審査します。
アドミッション・ポリシー(入学者受入の方針)

学位プログラム「公衆衛生学・グローバルヘルス」では、教育目標に定める人材育成を目的とし、以下に示す資質・教養・社会性等の水準を満たし、次世代の公衆衛生を担う人材を受け入れます。

入学時に修得しているべき資質・教養・社会性等(求める学生像)

  • 公衆衛生学・グローバルヘルス学位プログラムの研究と実践の能力を修得するために必要な基礎及び専門的な知識や技能を有している。
  • 物事を多角的、かつ広い視野で見ることができ、柔軟な思考能力を身につけている。
  • 国内外の社会的健康課題に関心を持ち、不断前進の姿勢で、その解決を目指す意志を有している。
  • 協調性や柔軟性をもって異文化を理解しようとする姿勢を持ち、外国語を使って世界の人々とコミュニケーションがとれる。

入学者選抜の方針

  • 入学前に公衆衛生学コースが求める水準を満たしているかどうかを確認するために、語学試験及び面接試験を実施します。
  • 英語試験に関しては、TOEFL、TOEIC等のスコアを基準に、英語論文が理解できる能力を有するかどうかを判断します。
  • 語学試験で、修得しているべき知識・能力を有していると判断された者に対しては、面接試験のみ実施します。
  • 面接試験では、公衆衛生学コースに必要な目的意識と倫理性および積極的態度を有しているかについて、コミュニケーションを通じて判断します。さらには、自分の考えを適切に表現することができるかどうかについて、対話によるコミュニケーション能力を通じて評価します。
ヘルスコミュニケーション 学位プログラム
教育研究上の目的

順天堂大学及び医学研究科の教育目標に基づき、学位プログラム「ヘルスコミュニケーション(医療通訳)」では以下の通りに教育目標を定めています。

近年、訪日外国人旅行者や在留外国人の増加により、医療機関を受診する外国人患者が著しく増加しており、これまで外国人患者の受診がなかった地域でも外国人患者の受診が珍しくない状況です。このような現状を背景として、現在、医療機関では、外国人患者の受入れ体制の整備が急務となっています。しかし、外国人患者の受け入れをしている病院の多くが、外国人患者への言語による対応や、文化・生活習慣の違いを踏まえた対応に困難を感じているのが現状です。外国人診療における言葉の問題はグローバル社会の課題であり、日本における医療通訳者の育成は重要な課題とされています。
ヘルスコミュニケーション学は、コミュニケーション学という独自の理論、 方法論を、医療・公衆衛生へ応用した学問です。ヘルスコミュニケーション学の具体的な研究分野としては、1)医療従事者・医療消費者間のコミュニケーション、 2)医療従事者間のコミュニケーション、 3)医療消費者間のコミュニケーションがありますが、医療従事者・患者間のコミュニケーションのうち医療従事者と外国人患者間のコミュニケーションに焦点を当てた学位プログラムは、我が国において未だ少ない状況にあります。そこで、本プログラムでは、「厚生労働省の医療通訳養成カリキュラム」に基づく認定医療通訳者養成講座を修め、医療通訳に必要な専門的知識、技法を体得する。その上で、医療通訳を必要としている外国人患者や家族に適切な支援を提供し、医療者と外国人患者間の仲介者として、コミュニケーションを支援・研究する、医療・公衆衛生分野において重要な役割を果たす人材を育成します。

順天堂大学医学部附属順天堂医院は、高度医療、先進医療を提供する病院として、厚生労働省に認定された「特定機能病院」でありますが、海外からの受診希望者への相談対応および受け入れや、日本滞在中の外国人の方が医療を必要とした際の支援体制を充実させるため、2018年7月1日に国際診療部を設立しました。このように充実した国際診療支援組織を最大限に活用し、実践力を重視した、次のような人材を育成することを教育目標としています。

  • ヘルスコミュニケーションの研究や実践を自立して活動するために必要な能力、及びその基礎となる知識、倫理観、そして、深い教養に裏付けられた創造性豊かな優れた人材。
  • 国際的な視野を持ち、海外の医療文化・習慣について十分に理解し、医療従事者と外国人患者間の仲介者として、円滑な医療提供体制を構築できる人材。
  • ヘルスコミュニケーション学領域において専門性を深めるとともに、学際的な視点をも養い、国内外の医療の場をはじめ、広く高度な専門的職業人として活躍・貢献できる人材。
ディプロマ・ポリシー(卒業認定・学位授与の方針)

学位プログラム「ヘルスコミュニケーション(医療通訳)」では、標準修業年限(2年)在籍し、教育目標に定める人材を育成するために設定した所要科目を履修して32単位以上を修得し、以下に示す専門性の高い知識と優れたコミュニケーション能力、国際性を身に付けるとともに、指導教員から必要な論文指導を受け、研究科が行う修士論文の審査及び最終試験に合格した者に対し、修士(公衆衛生学)(Master of Public Health: MPH)の学位を授与します。
また、本プログラムを修了することにより、一般財団法人日本医療教育財団における医療通訳技能認定試験の基礎・専門試験の受験資格を得ることができます。

修了時に修得しているべき資質・教養・社会性等

  • ヘルスコミュニケーション学に関する十分な基礎、及び専門的な知識を有している。
  • ヘルスコミュニケーション領域の研究を遂行する能力と研究成果を発信できる能力を有する。
  • 多様な価値観や文化的習慣を有する患者と円滑なコミュニケーションができる外国語運用能力と異文化理解能力を身につけている。
  • 高度な専門性を求められる医療通訳者に必要な能力及びチーム医療の一員としての強い責任感と高い倫理観を身に着けている。
  • 円滑でかつ安全な医療を提供するために、率先して医療従事者-患者間の仲介を実践する能力を有する。
カリキュラム・ポリシー(教育課程編成・実施の方針)

学位プログラム「ヘルスコミュニケーション(医療通訳)」では、学位授与の方針に掲げる知識・技術の修得を目指し、体系的な教育課程を編成し実施しております。また、授業科目の成績評価は、専門的知識・技術を発展的に活用できる能力を評価します。

本プログラムでは、学位授与方針に掲げる高度な知識・技能を修得させるため、公衆衛生学の基礎的知識を身に付けた上で、更に専門的な知識・技能・研究力を身に付けるために体系的に教育課程を編成し、実施します。

  • 医学部等の医療系学部以外の出身が、一般医学の基本的知識を身に付けることを目的として、展開医科学プログラムの必修科目の中から「医科学概論Ⅰ(生化学・生理学)」「医科学概論Ⅱ(人体機能構造学)」「医科学概論Ⅲ(内科系分野)」「医科学概論Ⅳ(外科系分野)」の履修を必須としています。
  • 基礎教育科目:公衆衛生学の基礎的知識を修得し、のちに専門的研究力を身に付けるために必要となる基礎的な能力を修得するカリキュラムを編成します。「公衆衛生」の基礎となる5分野である「疫学」「生物統計学」「健康行動科学」「保健政策・医療管理学」「産業・環境保健学」を必修科目としています。
  • 専門教育科目:健康行動科学分野から「ヘルスコミュニケーション」、保健政策・医療管理学分野から「医療倫理学」、グローバルヘルス分野「国際感染症学」、医療通訳専門教育として「医療通訳概論」「医療通訳演習」「医療通訳病院実習」「健康と文化・社会」を必修科目としています。
  • 医学研究に必要な高度な倫理観と、安全に研究を行うための知識を身につけることを目的として「医療倫理学」を必修科目に位置付けています。
  • 本プログラムでは、ヘルスコミュニケーション領域における課題の抽出、研究計画の立案、疫学的手法による研究遂行、そして論文作成を可能とする実践力を身につけるように指導します。指導は国内外での研究経験豊かな教員が担当します。
  • 研究指導科目:「ヘルスコミュニケーション研究」を配置し、研究計画書に基づいて研究を遂行し、厳格な評価の下、研究成果の中間発表、修士論文の審査及び試験を基準に基づき適切に実施します。それらの評価結果の活用を通じて教育方法の改善を図ります。
  • 修士学位論文は、「リサーチ・クエスチョンの質」「プレゼンテーションスキル」「質疑応答能力」に基づき、審査します。
アドミッション・ポリシー(入学者受入の方針)

学位プログラム「ヘルスコミュニケーション(医療通訳)」では、教育目標に定める人材育成を目的とし、以下に示す資質・教養・社会性等の水準を満たし、次世代の公衆衛生を担う人材を受け入れます。

入学時に修得しているべき資質・教養・社会性等(求める学生像)

  • ヘルスコミュニケーション領域において真摯に研究に取り組み、自らの持つ感性と倫理観を絶えず磨いていく意欲を有する。
  • 知的好奇心に富み、論理的な分析力、粘り強い行動力や協調性を有し、ヘルスコミュニケーション分野で活躍が期待できる。
  • ヘルスコミュニケーション領域研究成果の応用を通じて地域・社会に貢献しようとする志を有する。
  • 入学後の研究ビジョンがあり、継続的に自己研鑽に励み、外国語を含むコミュニケーション能力を身に付け、新たなことに挑戦しようとする強い意志と意欲を有する。

入学者選抜の方針

  • 入学前に本プログラムが求める水準を満たしているかどうかを確認するために、語学試験及び面接試験を実施します。
  • また出願前に、本プログラムが求める水準を満たしているかどうかを確認するため、本プログラム担当教員による事前面談が必須となります。事前面談では、厚生労働省医療通訳養成カリキュラムに従いCEFR B2相当の語学力が身についているか、また、目的意識と倫理性および積極的態度を有しているか、自分の考えを適切に表現することができるかどうかについて、対話によるコミュニケーションを通じて確認します。
  • 英語試験に関しては、TOEFL、TOEIC等のスコアを基準に、英語論文が理解できる能力を有するかどうかを判断します。
  • 語学試験で、修得しているべき知識・能力を有していると判断された者に対しては、面接試験のみ実施します。
  • 面接試験では、本プログラムに必要な目的意識と倫理性および積極的態度を有しているかについて、コミュニケーションを通じて判断します。さらには、自分の考えを適切に表現することができるかどうかについて、対話によるコミュニケーション能力を通じて評価します。
Global Health 学位プログラム
教育研究上の目的

グローバルヘルスには、様々な定義が付与されています。例えば、Koplanら (Lancet, 2009)はグローバルヘルスを以下のように定義しています:

グローバルヘルスとは、世界中のすべての人々の健康を改善し、健康の公平性を達成することを最優先とする研究、調査、実践の領域である。グローバルヘルスは、国境を越えた健康問題、決定要因、解決策を重視し、健康科学内外の多くの学問分野を巻き込み、学際的な連携を促進する。

20世紀末以降、世界の社会経済状況や環境は急速に変化し続け、世界的に人々の健康へ複雑で多様な影響を及ぼしています。このようにグローバルヘルスの課題は、従来の医学や健康科学の知識や実践だけでは解決が困難です。各領域を縦割りの枠組みで捉えるのではなく、公衆衛生学やグローバルヘルスの専門性を踏まえた多角的な視点による横断的なアプローチで捉える必要があります。

順天堂大学大学院医学研究科の教育目標に沿って、Global Health Degree Programでは、以下の教育目的を達成することを目指します。

Global Health Degree Programは、グローバルな健康問題を解決するために、研究方法、疫学、生物統計、ヘルスプロモーション、社会行動科学、老年学、地域保健、保健システム強化および学際的研究と協力を含む公衆衛生およびグローバルヘルスに関連する講義を提供します。また、公衆衛生学、グローバルヘルスに加え、予防医学、感染症、非感染症、医療倫理、医療経済・医療管理、労働衛生・環境衛生、保健関連規制、気候変動、プラネタリーヘルス、保健政策などに関する知識を、国内外の優れた教授陣から学ぶことができます。そのため、グローバルヘルスの課題を解決する能力と、実社会における実践や研究において専門的かつ指導的な役割を果たす能力が求められます。

Global Health Degree Programは、教育・研究機関、政府機関、民間企業、国際機関において、公衆衛生およびグローバルヘルスの世界で活躍する人材を育成することを目的としています。学生諸君には次のようなことが期待されます:

  • グローバルな視野を持ち、公衆衛生およびグローバルヘルスに関する専門的知識をもって国内および世界の様々な健康問題に対処できる。
  • グローバルかつ科学的な視点から、社会的弱者の健康格差に対処し、取り組む能力を有する。
  • 適切なスキルと倫理的実践を活用し、公衆衛生・グローバルヘルス研究を主体的に実施し、 公平性を推進する能力を有する。
ディプロマ・ポリシー(卒業認定・学位授与の方針)

Global Health Degree Programでは、標準修業年限(2年)で入学し、専門科目を履修して33単位以上を修得することが必要です。また、保健医療研究の倫理、高度な専門知識、優れたコミュニケーション能力、国際性を身につけ、指導教員のもとで必修の学位論文を完成させ、大学院で実施する修士論文の最終審査に合格することが必要です。試験に合格した者には、公衆衛生学修士(MPH)の学位が授与されます。

修了時に修得しているべき資質・教養・社会性等

  • 幅広い公衆衛生およびグローバルヘルスの基礎知識と技能を有する。

  • 公衆衛生およびグローバルヘルスに関する研究に必要な思考と倫理の視点を有する。

  • 公衆衛生およびグローバルヘルス上の問題を発見し、問題解決のための対策を提案する能力を有する。

  • 柔軟性と弾力性をもって様々なステークホルダーと協働できるリーダーシップの資質を有する。

  • 多様な価値観や文化的洞察力を持ち、熟達したコミュニケーション能力と異文化理解力を有する。

カリキュラム・ポリシー(教育課程編成・実施の方針)

Global Health Degree Programでは、公衆衛生およびグローバルヘルスに関する知識と技術を習得することを目的として、体系的なカリキュラムを編成し提供します。

Global Health Degree Programは、次のような体系的に編成した教育科目を提供します;

  • 「医学概論Ⅱ(人体の機能と構造)」は、医学部以外の学部を卒業した者を対象に、医学全般に関する幅広い基礎知識の習得を目的として、医学コースの必修科目の中から履修する。「医学概論Ⅲ(内科学)」は必修とする。

  • 基礎教育科目: 公衆衛生・グローバルヘルスに関する基礎知識を習得した上で、基礎的能力と専門的研究能力を身につけるためのカリキュラムを編成する。グローバルヘルスの基本5分野は、"疫学"、"生物統計"、"保健行動科学"、"保健政策・医療管理"、"産業・環境保健 "である。

  • 専門教育科目: Global Health Degree Programの学生は、保健政策・医療管理分野から "医療倫理"、"グローバルヘルス入門"、"グローバルヘルス演習"、"国際保健学"を履修する。

  • 研究指導科目: Global Health Degree Programでは、グローバルヘルスに関する課題の抽出、研究計画の立案、疫学的手法を用いた研究の実施、論文を作成できる実践力を身につける。国内外で豊富な研究経験を持つ教員が指導にあたる。

  • Global Health Degree Programでは、医学研究に必要な高度な倫理観と研究を安全に行うための知識を身につける「医療倫理」を必修科目として履修する。

  • 修士論文は、"研究課題の質"、"プレゼンテーション能力"、"質疑応答能力 "を基準に審査される。

アドミッション・ポリシー(入学者受入の方針)

Global Health Degree Programでは、入学時に次のような資質・学力の基準を満たす人材を育成することを目的としています。

入学時に修得しているべき資質・教養・社会性等(求める学生像)

  • Global Health Degree Programで学び、実践する能力を身につけるために必要な基礎的・専門的な知識・技能を有している。

  • 状況を多面的・多角的に捉える洞察力と柔軟な思考力を有している。

  • 世界の社会問題や健康問題に関心を持ち、その解決に意欲的に取り組むことができる。

  • 協調性と柔軟性をもって異文化を理解する姿勢を持ち、外国語を用いて世界の人々とコミュニケーションができる。

入学者選抜の方針

  • 入学前に語学試験及び面接を実施し、グローバルヘルス及び医学系研究科の学位プログラムが求める水準に達していることを確認する。

  • 英語試験については、英語で学習し、英語で課題を遂行できる英語力を有するかどうかを判定する。TOEFL、IELSE、TOEIC等のスコアにより判定する。

  • 十分な英語力を有すると判断された者のうち、語学試験で習得すべき知識・能力を有する者については、面接試験のみを実施する。

  • 面接試験では、受験者がGlobal Health Degree Programに必要な意思、倫理観、積極性を持っているかどうかを、コミュニケーションを通じて判断する。また、対話によるコミュニケーション能力により、自分の考えを適切に表現できるかを評価する。