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スポーツ健康科学部スポーツ科学科
 
- Nakamaru Shingo -
 
中丸 信吾 先生
 
Vol.11 2016.3

中丸信吾先生

今回はスポーツ健康科学部の中丸信吾先生にインタビューさせていただきました。

陸上の名門、順天堂で高校の体育の先生を目指して

私は高校の体育の教員になりたくて、また名門大学で陸上競技を続けたくて順天堂を第1希望にしていました。入学して1年目は啓心寮、2年からは陸上競技部の寮と学生時代はずっと寮生活でした。寮生活はとても充実したもので、他を思いやる気持ちを学んだ4年間でした。
将来は体育の教員を目指していましたが、大学卒業後、博士前期課程(修士課程)に進んで、競技を続けながらスポーツコーチングの勉強をしていると、学部の学生と関わることが増えてきて。大学生の教育に携わって、大学生が社会に出ていくためのサポートができたら素晴らしいなと思うようになりました。元々、教員や指導者になりたくてコーチングを勉強していたのでこの点はぶれることなく、大学教員の道を選び、今に至っています。

中丸信吾先生

でも、人間として、社会人として、もっと勉強したいと思って、昨年博士後期課程(博士課程)に入学したので、今は教員でありながら学生です。

「野外教育」に開眼

今、担当している授業のひとつに「野外教育論」という授業があります。「野外教育」は、元々はアメリカで始まったOutdoor Educationのことで、教室では学べないことを自然や天候といった不確実な状況の中で実際に体験し、試行錯誤を重ねながら、自然や他者、自己との関わり方を学んでいくものです。つまり、野外活動を教材とした教育です。

私自身、学生時代は陸上競技に打ち込んでいたのですが、キャンプやスキーを経験したことで、新しいスポーツに挑戦したり、自然というフィールドの中で工夫しながら取り組んで学べることが楽しくて、一気に「野外教育」にのめり込んでしまいました。特に、フィールドでの活動を通して、いろいろな人と関わるようになり、幅広く多様な価値観に触れられたことが大きかったように思います。
「野外教育」で得られるのは知識だけではなく、生きるための知恵とでも言うような能力です。学生が将来、指導者や、教員、企業人でも、一流の競技者を目指す人でも、野外活動のような経験は基本的な部分で幅広い人間、人間力というような事に繋がるのではないかという思いもあって、陸上競技の指導から一転、現在は 「野外教育」を伝えています。

キャンプ実習

南蔵王でのスポーツ健康科学部キャンプ実習
でも、学生達に伝えるうえでは、自分がまず多様な価値観を学び多くのものを吸収していないと、いろいろなことを伝えられないので、私自身も結局まだまだ勉強中です。多分この先もずっと勉強し続けるのだと思っています。

「レクリエーション」を用いたコミュニケーション

授業風景

現在、野外教育分野の科目で「キャンプ実習」や「野外教育論」という授業をしています。また、仲間同士でコミュニケーションをとるのにレクリエーションが有効なので、野外教育の指導の中でレクリエーションの手法を使うことがあります。先ほどの授業も「レクリエーションスポーツ」の授業で、創作ゲームの発表でした。最後に発表したグループは風船を使ったミニゲームのルールや競い方を考えて発表してくれました。
この授業は教職課程用でありませんが、将来学生が役立つようにと考えて「自分たちのアイディアを形にして人前でプレゼンするトレーニング」として行なっています。グループ内でコミュニケーションをとりながら意見を出し合い、アイディアをまとめて発表するので、コミュニケーションについても同時に学んでいきます。レクリエーションの語源でもある「re-create:再-創造」を大切に授業を展開しています。

この授業は3学科共通で、しかも3、4年生開講なので、企業に就職する人、教員になる人、競技でもっと上を目指す人、いろんな学生がいます。自分の考えを自分の言葉でまとめてプレゼンする能力やコミュニケーション能力はどんな場面でも必要になると思います。

医学部・医療看護学部のスポーツ授業も指導

他学部では医学部の「スポーツと健康」、医療看護学部の「スポーツ理論・実技」の授業もさくらキャンパスで担当しています。実技の方が割合としては多いですが、スポーツ理論に関する講義も担当しています。オムニバス形式で何人かの教員で分担してそれぞれの得意分野を教えています。また、野外実習ではスクーバダイビングやスキーも授業に取り入れています。現在、医学部のマリン実習(スクーバダイビング)と医療看護学部の野外スポーツ実習(スクーバダイビング・スキー)を担当しています。
スポーツ健康科学部だけでなく医学部や医療看護学部の授業も担当しているので、多くの学生と関わる機会があり、学生たちから多くの刺激をもらっています。

ベストチューターに選ばれて

平成26年度のベストチューターに選ばれましたが、私が授業や実習、普段の生活の中で多くの学生と関わる機会があるからかもしれません。学内でもできるだけ多くの学生と話すようにしています。良い授業をしているかどうかは判りませんが、私が授業を通して伝えたいことが学生たちに伝わった結果だとしたらとても嬉しいですね。これに奢ることなく、もっともっと良い授業、学生目線に立った授業を展開するべく今後も取り組んでいきたいと思います。

授業風景

順天堂は「育ての親」

私にとって順天堂は「育ての親」です。大学に入学していろいろな学びがありました。大学と大学院、その後、非常勤助手、非常勤講師、順天堂で学んだことや過ごした時間が今の自分に大きな影響を与えていると思っています。

今、指導されている先生方の多くが私が学生だった時に授業を教えてくださった先生なので、自分が教員の立場にいるのが不思議に思えることがあります。果たしてきちんと「教師」ができているのかなと振り返ることもありますね。

授業では「学生と教員」という部分を保ちつつ、でも母校でもあるので後輩たちにどういうことを伝えられるかというような想いを持ちながら関わっています。そういう意味では単純に学生と教員というだけではない、特別な想いがありますね。

理想の授業

授業で一番気を付けているのは「学生の立場に立つ」ということです。日々心掛けていますが、なかなか難しいですね。多分、学生は私が思っている以上に柔軟な考え方ができたり、色々な良いアイディアを持っているので、私が言ったことが全てだというのではなく、私の言葉を理解した上で更に学生が発展させることができるような授業が良いと思っています。

授業風景

「これはこうだ」と教えなきゃいけないことも内容によってはありますが、「もっとバリエーションを広げて発展させてみても面白いかもしれないよ」とか、「そういうところは自分で考えて工夫してみよう」と言葉をかけるようにしています。

教科書通りに教えて、学生達がそれを丸暗記するだけでは応用が利かないので、できるだけ自由に、学生から色々なアイディアが次々に出てくることを期待して授業をしています。特に今日の「レクリエーションスポーツ」の授業の創作ゲームというのはそれを狙っていますね。

柔軟に吸収しつづける指導者に

中丸信吾先生

野外活動を行う上で、自然の中は不確定な要素がとても多いので、例えば安全面についても気象や地形、いろんなことを考えて、いくつもの判断を下さなければいけないこともあります。そうなると、自分自身がまず様々なことについて深く考えたり、いろいろな経験を積まなければなりません。自分が経験していないことを人に伝えるというのはとても難しいですから。
特に野外というフィールドの中では、自分の経験を積み重ねた上で人に伝えることができるので、そういう意味で言うと、学生に少しでも多くのことを伝えるためにも、まずは自分自身が多くのことを吸収しなければと思っています。自分の経験の中から学生にも伝えて、自分自身も高めていくのが理想です。決まった固定観念に捕らわれずに、柔軟に色んなことを吸収できるような指導者であり続けたいですね。
スポーツ健康科学部スポーツ科学科 中丸 信吾  先生 経歴
2003年 順天堂大学大学院スポーツ健康科学研究科博士前期課程 修了
2014年 順天堂大学大学院スポーツ健康科学研究科博士後期課程 入学
2014年 順天堂大学スポーツ健康科学部 助教
2017年 博士(スポーツ健康科学)

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