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アトピー皮膚炎、喘息、花粉症などのアレルギー性疾患は近年になって急増し、日本人口の1/3が羅患しているという、まさしく「現代病」であります。アトピー疾患は免疫異常を伴う遺伝的バックグラウンドの上に、諸々の環境的要因が加わって発症し、そこに内的および外的増悪因子が加わり、症状が増悪するという多面的、複合的な疾患群であります。その病因と病態に関する基礎的な研究に加えて、治療および予防に向けての対策が国内外で急がれております。
このような、社会的な要請の高い研究プロジェクトを推進できる構想と陣容を有する拠点として、アトピー疾患センターが順天堂大学医学部に私立大学学術フロンティア推進拠点選定事業として平成10年度に文部科学省(当時、文部省)から認可されました。小川秀興学長(アトピー疾患研究センター長)を中心とした学内外の研究グループの周到な準備と熱意・尽力および大学法人の多大な理解と決断により、アトピー疾患センター認可に至ったわけであります。 アトピー疾患研究センター開設後、順天堂大学医学部では、本センターを基地として、アトピー疾患を克服するために、基礎研究、臨床研究の両者を両輪として研究が推進されております。アトピー疾患が極めて複雑な免疫システムの応答の結果として発症することから、免疫異常の分子基盤を遺伝子、分子、細胞レベルだけでなく、個体レベルで解析し、総合的に免疫系、細胞内シグナル伝達系、転写の制御、細胞間接着のメカニズムとその異常を理解しようとする基礎研究が行われております。さらに、アトピー疾患を生体の恒常性維持の制御異常と捉えて、免疫、内分泌系、神経系のクロストークという今後の生命科学の重要な課題も視野に入れた研究が進行しております。
一方、アトピー疾患個別の臨床研究から、その背景にある共通の原理を見出すなどの可能性を探りながら、基礎、臨床の研究グループが連携した研究も行われております。アトピー疾患センターからインパクトのある、探索医療に結びつくような研究成果があふれるように生産されることを期待しております。
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