「がん」の研究の目的は、「人のからだに巣食った癌細胞に介入して、その人の死期を再び未確定の彼方に追いやり、死を忘却させる方法を成就すること」にある。
『最も剛毅なる者は、最も柔和なる者であり、愛ある者は勇敢な者である』とは「高き自由の精神」を持って医療に従事する者への普遍的な真理であり、「他人の苦痛に対する思いやり」は、医学・医療の根本であると考える。
「科学としてのがん学」を学びながら、「がん学に哲学的な考え方を取り入れていく領域がある」との立場に立ち、『がん哲学』が提唱されるゆえんである。そこには、「考え深げな黙想と真摯な魂と輝く目」が要求される。この風貌こそ、現代に求められる「がんに従事する者の風貌」ではなかろうか。
『何かをなす( to do )前に、何かである( to be )ということをまず考えよ』ということが大事になってくる。
これからの「外来」は「幅広い守備範囲」を持った、「名詞」から「形容詞」の時代となろう。「がんとの共存」の時代に、『がん哲学外来』はまさに、新しいタイプの時代の要請と考える。
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