博士前期課程 特別研究コース

日々変貌する保健・医療・福祉の場で、環境の変化に対して創造的に対応でき、科学的根拠に基づいた高度な看護実践能力を発揮することを目指す看護職者ならびに、看護学の成立基盤を基に看護学分野の新たな方法論の開発や展開ができる教育者・研究者を育成し、国内外を問わす多様な場で社会貢献できる看護職者の育成を目指し、看護職者のキャリア構築の支援を図ります。

看護管理学分野修了後、認定看護管理者の受験資格が得られます。

特別研究コースにおける区分及び授業科目

共通科目から必修4単位を含み8単位以上、専門科目から10単位以上、演習・研究指導から必修4単位を含み8単位以上、合計30単位以上を修得し、かつ、必要な研究指導を受けた上で、修士の学位論文または課題研究論文を提出して、その審査及び最終試験に合格すること。

修了後の資格取得

認定看護管理者(Certified Nurse Administrator)

日本看護協会において定められた「認定看護管理者認定審査受験資格要件」を満たすことで受験資格を得ることができます。
本研究科において「看護管理学」を専攻し修了することで、上記受験資格要件の1つである「看護管理に関連する学問領域の修士以上の学位を取得している者」を満たすことができます。

大学院生の声

分野
地域看護学分野・特別研究
コース
修士課程2年

特別研究コース修了生

地域の抱える健康課題は多様で複雑化しています。地域看護学分野では、ヘルスプロモーションや健康づくりなど、地域社会全体に働きかけ支援する仕組みを検討します。私は行政保健師として住民の方々に寄り添う中、保健師活動の見える化や、よりよい地域づくりのためのエビデンス構築の必要性を感じ、大学院へ進学しました。

保健師は広い視野で時勢や地域をとらえ、科学的に情報収集し、アセスメントを行い、潜在する新たな健康問題を予測する視点が必要です。大学院では、行政保健師の活動の実践と密接する理論や、研究の基礎、国際保健や母性看護学特論など、国内外の広い視野から日本の保健活動の実際を考える機会にも恵まれました。様々な方と切磋琢磨した経験は、保健師としての世界を広げる機会となりました。

卒業後は、大学の地域看護学分野の教員として保健師・看護師育成を担うことになりました。今後も、現場の目を大切に地域の住民や保健師と共に歩み続けたいと思います。

分野
成人看護学分野・特別研究
コース
修士課程2年

特別研究コース修了生

現代は糖尿病患者の増加に伴い、基礎疾患に糖尿病を抱えている患者さんと接する機会が多くなりました。

私は、これまで臨床現場において糖尿病看護への理解を深めてきましたが、慢性病を持つ人のQOLを目指したケアや効果的な支援を行うには、看護理論の理解や研究を通して探究することが必要だと考えて、大学院に入学しました。

演習では、研究能力・看護実践能力の高い教員や社会人学生とディスカッションを行い、クリティークの視点を養い、これまでの臨床経験で積み重ねてきた知識を可視化すること、自分の考え方や看護観を省みることまでできて、大変有意義でした。

今後は、教員として看護師の育成に携わる予定です。

分野
地域看護学分野・特別研究
コース
修士課程2年

特別研究コース修了生

1年間看護師として勤務し、生活習慣に起因する疾患に罹患した患者さんを看護する中で、生活習慣病に対する一次予防の必要性を強く感じ、保健師を志すようになりました。

地域看護学分野では、保健事業やヘルスプロモーションに関してアジア地域との比較などを行い、国内外の公衆衛生に関する取り組みや課題について知識を深めました。

また、母性看護学特論、精神看護学特論、成人看護学特論(セルフケア支援論)などを履修し、地域で生活する様々な人を理解する上で、必要な知識や考え方、支援のあり方を学びました。

地域社会全体のQOLを向上させることのできる保健師を目指したいと考えています。

分野
看護教育学分野・特別研究
コース
修士課程2年

特別研究コース修了生

私は、学部生の頃に学習への動機づけが低下した経験があることから、学習の動機づけを高める教育方法に関心を持っていました。

授業では、看護学の教授方法や教育評価など授業展開の基礎を学びながら、模擬授業を実践して自らの講義方法についてフィードバックを受けます。学習者の動機づけを高め、自ら学ぶ姿勢を身に付けてもらう看護の教育方法・教育評価のあり方を深く考えることができます。

周りの大学院生は年代も様々で、普段なかなか話す機会のないベテラン看護師と議論できるなど貴重な機会があります。修了後は、看護に興味を持って主体的に学習する人材を育成できる教員を目指したいと考えています。

分野
看護管理学分野・特別研究
コース
修士課程2年

特別研究コース修了生

私は、日本看護協会主催のファーストレベル研修や千葉大学の看護管理研修に参加しながら、日々の看護管理実践での体験を積み重ねてきました。その過程で、リーダシップを発揮する上では、交渉力、分析力を自己研鑽する必要があると思い至り、現場の看護管理者を育成するために看護管理学を選択しました。

履修科目の中では、人的資源管理論で学んだ、「職務満足に関わる要因と職務不満足に対する要因は根本的に異なる」ということを、様々な側面から学びました。不満が解消されたからといって決して満足をもたらすことにはならず、動機づけ要因が充足されることが職務満足に欠かせないことを、改めて認識しました。

大学院での授業を通じて、課題や目標を達成するためには、経験に基づいた知識だけでなく、統計学を学び、先行研究の文献レビューを行い、現状を詳細に分析することの必要性を学びました。将来は、認定看護管理者の資格を取得したいと考えています。看護実践を行う組織を活性化させ、その組織の中で人材育成を行うオピニオンリーダーになることを目指しています。

分野
成人看護学(慢性看護)分野・特別研究
コース
修士課程2年

特別研究コース修了生

私は、就職して1~2年経った頃、疾患の影響で全身の浮腫に苦しむ患者さんの看護を担当しました。薬以外で少しでも患者さんの苦痛を緩和できないか考えている中で、アロマセラピーを看護に生かしたいと思うようになったのです。
母校の先生に相談したところ、研究することを勧められたのが入学のきっかけとなりました。

履修については、必要単位を1年次のうちに取得し、2年次は自らの研究に費やすよう助言がありました。また、アロマセラピーを看護で実践することを視野に入れた科目として感染対策等も選択でき、履修の自由度が高いと感じました。アロマの効果だけでなく、日本の法律や、医療業界の中でのアロマセラピーの現状など、自分では気付かなかった視点で学べたと思います。例えば、看護行政政策論では、医療、看護、福祉の政策的課題に関する演習を行い、自ら課題と解決策まで考えながら法律について知識を深めることができました。

これからも、薬だけでなく、看護師の関わり方で改善できることを探求しながら、アロマセラピーや研究の内容も生かしたいと考えています。