ご挨拶

Dr坂本一博s
大腸・肛門外科 教授 坂本一博 
当科は、1952年(昭和27年)、第一外科として開設された、我が国でも最も歴史のある消化器外科学講座のひとつです。その後平成15年より、臓器別再編に伴い大腸・肛門外科が誕生し、平成21年から、坂本一博教授が主宰しております。

大腸・肛門外科では、大腸癌治療を中心に、大腸肛門疾患の他、ヘルニア疾患(鼠径ヘルニア、腹壁ヘルニア)、急性虫垂炎や腸閉塞を含めた一般消化器外科の診療を行っております。
大腸癌は基本的に腹腔鏡手術で行っております。ヘルニア疾患は腹腔鏡手術や、日帰り手術センターを利用した局所麻酔手術も行っております。

診療科概要

大腸・肛門外科の歩み

順天堂医院は、始祖の佐藤泰然以来、外科系が主流となり、医専、医科大学、大学医学部と伝統は受け継がれています。
 
外科の基礎は昭和27年、第一外科として故福田保教授に始まります。そして昭和42年、胃がん手術で有名な故村上忠重教授、昭和48年、胃内視鏡の創始者の一人であった城所仂名誉教授、昭和62年 榊原宣名誉教授、平成10年1月より鶴丸昌彦教授、鎌野俊紀教授の体制となりました。
 
その後の外科学教室の臓器別再編に伴い、平成15年4月より、鎌野教授のもと大腸・肛門外科学として、より専門的診断治療・研究に取り組んできました。
そして、平成21年1月から、坂本一博教授を中心に、大腸肛門疾患の他、ヘルニア疾患を含めた一般消化器外科の診療を行っております。
大腸・肛門外科04
大腸・肛門外科03
大腸・肛門外科05

外来診療

生活習慣の変化に伴い、大腸がんは増加の一途をたどっています。 最近、体重が減少した、腹が張る、便の出方が変わった、便に血が混じる、肛門から出血があるなどの症状がありましたら、 当科を受診してください。
同じ疾患でも症状はさまざまです。このホームページで代表的な疾患を紹介させていただいておりますが、掲載している疾患はごく一部でしかありません。是非、外来を受診して医師に直接ご相談ください。

診療体制

それぞれの患者さんにとって、何が一番大切なのかを常に考え、患者さんに優しく、思いやりのある診療を全ての医師が心掛けています。

  • 教授を始め、原則として日本外科学会専門医、日本消化器外科学会専門医が外来診療に携わっています。
  • 応急処置や緊急手術が必要と考えられる疾患については、昼夜を問わず救急室(24時間体制)を受診することが出来ます。
  • 外来で当科専門医による上部(胃)・下部(大腸)内視鏡検査、超音波検査を独自に行っております。

専門外来・特殊外来

入院診療

教授の指導のもとにグループ診療体制で担当医をおき、精度の高い診療計画を立てています。
 
毎週月曜日と金曜日には、術前症例検討会と総回診が行われています。
 
手術前症例検討会では、各種画像診断からの所見、生理機能検査の結果や血液生化学検査結果を十分に検討し、更に手術前には患者さんに十分なインフォームドコンセントを行い、手術方針を決定しています。
 
総回診では、入院の患者さん全般に対する現状を把握し、治療方針の確認を行っています。
セカンド・オピニオンをご希望の方はご遠慮なくお申し出ください。

手術

単孔式腹腔鏡下手術

腹腔鏡手術は一般に体に複数の孔を開けて手術操作を行いますが、1カ所の小開腹創から腹腔鏡や内視鏡手術用器具を挿入して手術操作を行い、切除した腸管も同じ小開腹創から摘出する、「単孔式(TANKO)」と呼ばれる手術手技があります。

当科では虫垂炎を中心に積極的にTANKO手術、reduced port surgeryを取り入れております。虫垂炎手術は昨年52例であり、そのうち腹腔鏡手術が49例(94%)、TANKO手術は31例(約60%)でした。

現在のところは比較的痩せている症例において、部位や疾患を限定して行っています。
単孔式腹腔鏡下手術

腹腔鏡下 大腸切除術の術前処置

当科での腹腔鏡下大腸切除術の一般的な術前処置を紹介致します。

腸管処置

術前日から食事を中止し、経口栄養剤の摂取
前日~当日にかけて、腸管洗浄目的に下剤を内服

一般術後経過

1病日 一般病棟へ帰室、歩行開始、水分や飴・ガムの摂取開始
2病日 硬膜外麻酔(背中の麻酔)・尿道バルーンの抜去、経口栄養剤の摂取開始
3病日 五分粥の摂取開始
4病日 全粥の摂取開始
5~7病日 退院へ
※術後経過によっては上記と異なる場合もあります

ビデオ「その出血、本当に「痔」からですか?」

音声なしビデオです。