鼓室形成術

適応になる疾患は中耳真珠腫慢性中耳炎・鼓室硬化症・耳小骨奇形・耳小骨離断など、鼓膜の内側に病気があり、音を伝える構造が壊れてしまっている疾患です。
鼓膜の内側には鼓膜で捉えた音の振動を増幅させる耳小骨という骨があり、3つの骨から構成されます。それぞれの疾患が原因で耳小骨が壊れたりうまく動かない状態にあったりすると、音を増幅して伝える機能が低下してしまいます。これを伝音難聴と言います。
当院では人工耳小骨もしくは患者さん自身の骨や耳介の軟骨を使って、耳小骨の構造を再構築させます。耳小骨は人間の骨の中で最も小さい骨ですので、顕微鏡や内視鏡を用いて手術を行います。機械時計の修理と同様に、非常に繊細な操作が必要とされます。
当院では全身麻酔を基本としていますが、全身麻酔ができない患者さんには局所麻酔での手術を行うことも可能です。当院の鼓室形成術は都内有数の手術症例を誇り、豊富な手術経験があります。

入院期間

入院期間は基本的に4~5日間程度ですが、状況に応じて入院期間の短縮は可能です。一方、感染などの合併症により退院が延期になる可能性もあることをご了承ください。

術式

手術は顕微鏡、内視鏡を併用して最善の方法を選択して行っています。 病変の進展状況に応じて、耳の穴から手術を行う耳内法や耳の後ろに皮膚切開を加える耳後法などを使い分けています。鼓室内の耳小骨の状態を確認したうえで、必要に応じて耳小骨の構造を再建します。再建した耳小骨は血液製剤の1つであるフィブリン糊を用いて固定します。様々な術式から最善の方法を選択しますので、詳しくは術者にご相談ください。


合併症の可能性

  • 痛み:薬でコントロールできる範囲です
  • 出血:少量です
  • 難聴:耳小骨の破壊の程度に応じ、聴力が改善できない場合があります
  • 味覚障害:味覚を司る鼓索神経に病変が及んでいる場合があります
  • 顔面神経麻痺:片側の顔の動きが悪くなります(病変が顔面神経に及んでいる場合に起こり得る合併症です。通常の手術の場合には、まず心配いりません)
  • 麻酔薬に対するアレルギー反応(極めて稀です。麻酔薬アレルギーのある方は、必ずお伝えください)

退院後

翌日から職場や学校への復帰が可能です。
外耳道に水が入らないように1-2ヶ月程度注意が必要です。
鼓膜が再生し安定するのには約3ヶ月程度かかります
とくに真珠腫の場合には以後も定期的な受診をして頂き、再発のチェックを行います。