内視鏡下鼻副鼻腔手術とは

適応は慢性副鼻腔炎や副鼻腔真菌症など、鼻腔やその周囲にある副鼻腔という空間に膿やポリープ、真菌(カビ)が溜まって鼻詰まりや鼻水、頭重感などの症状を引き起こす疾患です。副鼻腔はいくつかの空洞があり鼻腔とつながっています。本手術では、副鼻腔の病的な粘膜を取り除き、各副鼻腔をひと続きの空洞として鼻腔へ大きく開放することで、病変部位の洗浄や摘出を可能とします。

内視鏡下鼻副鼻腔手術01

入院期間

基本的には手術前日に入院していただき、術後1週間程度の入院となります。術後は出血や疼痛などの症状に注意を払います。出血などの状況により入院期間は前後します。

術式

内視鏡下鼻副鼻腔手術は、鼻の穴から器具を出し入れしながら行う手術で、表面に傷が残ることはありません。
いくつかに分かれている副鼻腔の空洞を1つの空洞にするというコンセプトです。鼻内のポリープを取り除き、それぞれの副鼻腔をひと続きの空洞とすることで、膿が溜まりづらくなり、鼻通りも良くなります。 さらに、鼻洗浄で病変部位の洗浄が可能になります。

合併症の可能性

痛み出血が起こることがあります。出血がひどい場合には再手術も考慮されます。
また極めて稀ですが、鼻内は目や脳と骨1枚で隔てられているため、目の壁を破壊してしまうと複視や視力低下、脳の壁を壊してしまうと髄液漏や脳炎になってしまう可能性もあります。このような眼や脳の合併症を避けるために、ナビゲーションシステム(リアルタイムに手術部位をCTで確認する機械)を使用しながら手術を行います。

退院後

退院後は、鼻洗浄を毎日3回程度していただきます。これは、鼻内に留置している止血目的のスポンジや痂皮を洗い流すほか、創部の感染予防にも効果的です。
激しい運動は勧められませんが、デスクワークなどのお仕事は可能です。もしも自宅で大量の鼻出血がある場合は、すぐに来院していただきます。
定期的に外来通院していただきますが、鼻内の状況が問題なくなれば、通院の必要がなくなります。

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