難治性好酸球性副鼻腔炎に対する生物学的製剤

鼻ポリープの病理組織学所見から、好酸球型と非好酸球型に区別することで鼻ポリープを伴う慢性鼻副鼻腔炎の亜分類を試みたことにより、好酸球性副鼻腔炎の概念が生まれました。多くの研究で血中の好酸球数や鼻ポリープ粘膜の好酸球浸潤の増加が病気の重症度や手術後の予後不良に関係していることが明らかになりました。本邦では約20万人が好酸球性副鼻腔炎で、さらに約2万人が重症症例と考えられています。好酸球性副鼻腔炎と喘息は共通した病態を呈しており、その病態の解明に伴い、生物学的製剤が次々と開発されています。
IL-4受容体αサブユニットをターゲットとした生物学的製剤であるデュピクセントが登場し、手術後の再発症例や全身的ステロイドで改善の乏しい難治性好酸球性副鼻腔炎に効果が期待されています。 近年、既存治療でコントロール不十分な鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎患者を対象とした大規模な国際的な臨床試験が行われ、デュピクセントは鼻ポリープと鼻閉を改善させました。しかしながら、投薬中止によって症状の悪化が認められました。デュピクセントはこれまでの治療法に難渋する難治性好酸球性副鼻腔炎に対する画期的な新規治療薬です。
なお、デュピクセントの適応は既存治療に抵抗性の鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎患者さんです。好酸球性副鼻腔炎と診断されていなくても適応となる場合がありますので長年の鼻ポリープや鼻閉にお困りの患者様は担当医にお尋ねください。

使用方法

2週間毎に1本を皮下投与します。症状が安定した後は、担当医の判断によって4週間毎の投与に変更することがあります。
また、担当医の判断の下、患者さんご自身が注射を行う「自己注射」が可能です。


費用

1本66,356円です。国や自治体等は、患者さんの医療費の負担を軽くするために、医療費助成制度を定めています。これらの制度を利用することで、医療費が高額となった場合や、指定難病と診断された場合などに、助成を受けることができます。


指定難病に対する医療費補助制度について

国が指定している指定難病と診断された場合、その疾患の治療にかかった医療費に対して、助成を受けられる制度です。好酸球性副鼻腔炎は指定難病に指定されているため、デュピクセントを使用している患者さんのうち、好酸球性副鼻腔炎と診断されている方は、医療費助成を受けられる場合があるので担当医にお尋ねください。




高額療養費について

1ヵ月(その月の1日~末日)の間に医療機関の窓口で支払うべき額(自己負担額)が、一定の金額を超えることになった場合、自己負担額を一定額(自己負担上限額)にまでおさえることができる制度です。詳しくは加入している保険者などにご確認ください。
(デュピクセントを在宅自己注射にて処方した際に、高額療養費に該当する一定の金額を超えることになった場合に対象となります)


詳しくは患者さん向けのサイトもご覧ください。
https://www.support-allergy.com/