当科では以前から、循環器内科や心臓血管外科の対象患者さんに対して、積極的に心臓リハビリテーションを実施してきました。現代の高齢化する社会において、循環器疾患の合併率は高く、運動療法によるリハビリテーションはもちろんのこと、精神的なケアも含めた包括的心臓リハビリテーションが重要であるとされています。しかし、都内では、心臓リハビリテーションを実施する医療機関は必ずしも多くはありません。そこで、多くの患者さんに、心臓リハビリテーションをご利用いただけるように、当科では、平成22年9月『心臓リハビリテーション外来』を開設いたしました。年齢を問わず、日常生活や社会生活への復帰に不安をお持ちになる循環器疾患の患者さんの支援を致します。
心臓リハビリテーション外来は、水曜日、第1・3・4土曜午前で行っております。
現在、他院で治療中の患者さんは、主治医の診療情報提供書(紹介状)をご持参下さい。また、医療機関より当院の地域医療連携室にご連絡をいただき、外来予約を取っていただきますと、当日の診察がスムーズとなりますので、ご協力お願い致します。
rihabiri06心臓リハビリテーション室

心臓リハビリテーションとは

心臓リハビリテーションとは何ですか?

心臓リハビリテーションの目的は、循環器疾患をもつ患者さんの円滑な社会復帰や病気の再発・悪化を予防することです。このためには、運動療法のほか、冠危険因子の改善を目標とした食事指導や禁煙などの生活指導、病気に対する正しい知識と緊急時の対応方法をご理解いただき、さらに患者さんおよび家族に対するカウンセリングによるサポートが必要です。医師・看護師・栄養士および健康運動指導士からなる医療チームが、患者さんひとりひとりに合った包括的な心臓リハビリテーションを提供致します。
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どのような循環器疾患が対象となるのでしょうか?

急性心筋梗塞、狭心症、開心術(冠動脈バイパス術や心臓弁膜手術)後、慢性心不全、大血管疾患(胸腹部動脈瘤術後など)、閉塞性動脈硬化症と診断されて治療中の患者さんが、心臓リハビリテーションの対象となります。年齢や病気に関係なく、心臓リハビリテーション開始後150日間が保険診療の適応となります。

心臓リハビリテーションでは、どのようなことをするのでしょうか?

順天堂医院ハートセンター(循環器内科・心臓血管外科を中心とした心血管病の医療チームです)に入院された患者さんの場合、血圧や心拍数が不安定な急性期が過ぎて、トイレ歩行が可能となれば、心臓リハビリテーション室でストレッチ体操など心臓への負担(運動強度と表現します)が低いレベルの運動療法から開始します。その後は、患者さんの体力や病状に応じて、ウォーキングや、自転車(エルゴメーター)をこいだりしながら、退院まで少しずつ運動強度をあげ、可能な限り約5カ月間の心臓リハビリテーション(回復期心臓リハビリテーション)を続けていただきます。心臓リハビリテーション室には、循環器専門医をはじめ、専門スタッフが常勤し、また、運動中は心電図記録をモニタリングして、安全に十分な配慮をしています。

入院中から継続しておこなう患者さんも、外来から初めて心臓リハビリテーションを開始する患者さんも、外来で回復期の心臓リハビリテーションを開始するにあたっては、酸素の消費量を測定しながらエルゴメーター運動負荷試験(心肺運動負荷試験)を実施し、ひとりひとりに適切な運動強度を見きわめて、具体的な運動内容(運動処方と言います)を医師がアドバイスします。運動処方は、定期的な検査により更新され、同時に、管理栄養士による食事指導や、専任医師による生活指導も行います。

心臓リハビリテーションによって、どのような効果があるのでしょうか?

心臓リハビリテーションは、ただ単に体力の回復を目的とした運動療法ではありません。適切な運動療法と生活習慣の実践により、生活の質を改善し、動脈硬化の進行過程を安定化させて循環器疾患の再発や悪化を予防する結果、健康寿命を延長させることができます。

当院で心臓リハビリテーションを希望される患者さん

当院での治療歴や通院歴の有無に関わらず、保険適応となる対象疾患で治療中の患者さんで、当院での心臓リハビリテーションをご希望される場合は、『心臓リハビリテーション外来』の受診をお願いします。心臓リハビリテーション外来は、第2・4金曜午後、第1・3土曜午前で行っております。
現在、他院で治療中の患者さんは、主治医の診療情報提供書(紹介状)をご持参下さい。また、医療機関より当院の地域医療連携室にご連絡をいただき、外来予約を取っていただくと、当日の診察がスムーズとなりますので、ご協力お願い致します。

医療機関からのご紹介もお待ちしております

心臓リハビリテーションを実施するにあたり、当院の循環器外来での治療は必ずしも必要ありません。食事指導や運動指導に困っている患者さん、さらに、患者さんご本人だけでなく、患者さん家族の病気に対するご理解や緊急対応の知識を深めるために、心臓リハビリテーションの保険適応がある患者さんを是非、ご紹介下さい。
高齢化社会の今だからこそ、健康寿命を延ばす為に、年齢に関係なく外来通院が可能な患者さんであれば、心臓リハビリテーションをご利用下さい。
患者さんをご紹介頂く場合には、地域医療連携室経由で『心臓リハビリテーション外来』を予約頂くようお願い申し上げます。
ご不明な点やご質問がある場合は、下記連絡先までお問い合わせ下さい。

生活習慣病の方に「健康教室」も開催

脂質異常症や糖尿病など生活習慣病治療中、メタボリックシンドロームで運動療法が必要な方、または運動の方法でお悩みの方のために、平日の午後14時から『健康教室』を開催しています(利用可能回数1年度内に6回まで)。
当院通院中の患者さんは、主治医の許可があれば、直接申込をすることができます。B棟8階 健康スポーツ室が受付となっておりますので、健康教室の申込用紙に主治医の許可サインをお願い致します。
他院通院中の方は、まず『心臓リハビリテーション外来』を受診していただく必要があります。医師の診察後から参加可能となりますが、患者さんに応じて、心肺運動負荷試験によるメデイカルチェックと適切な運動強度の設定も行っております。

ご不明な点やご質問がある場合は、下記連絡先までお問い合わせ下さい。
お問い合わせ先
順天堂大学医学部附属順天堂医院
健康スポーツ室(B棟8階)
TEL:03−5802−1553(直通)