専門研修プログラム

順天堂大学医学部形成外科学講座では、毎年数名の新入医局員を採用しています。入局後は順天堂医院を中心に他の附属病院あるいは日本形成外科学会教育関連施設での研修を指導医のもと実施され、入局後4,5年での日本形成外科学会専門医取得を目指します。

研修中は出来るだけ多くの患者さんのケア、手術にチームの一員として関わり、医業人としての職業訓練や研鑽の機会を計画的に設定されるため時間的にも体力的にも厳しい研修が続きます。しかし、高く設定された目標に向かって到達するまでの研修期間は、同志と共有する時間はむしろ楽しいことの方が多く、それだけ実力を有した専門医として、現在様々な場で多くのOB、OGの先生方は活躍しています。

また大学院生として入局される先生を含め、研修期間中に有意な学術論文を完成したものは博士(医学)の取得が可能で、すべての医局員がその取得を目指しています。また学内および関連施設のみで研修を完結させることに一切拘らず、希望する者に対しては積極的に国内や海外の研修施設に留学することを奨励しています。その後は個々の希望や実力、若手教育に対する熱意に応じて講座スタッフへの道も開けております。

入局・研修を希望される先生方へ

順天堂大学医学部形成外科学講座は、熱意に満ちたやる気のある多くの若手医師が入局・研修を希望してくれることを望んでいます。入局に関しては当講座のポリシーとして、出身大学、学閥、年齢、性別などに一切捉われることなく採用しています。

卒後臨床教育プログラム

新専門医制度における本学専門研修プログラム

本基幹施設の「専門研修プログラム」は、一次審査を通過したものであり、 二次審査を踏まえて修正・変更がある可能性があることをご承知おきください。
 
すべての入局者はおおむね以下に掲げた事項を習得目標とし、研修開始後4,5年目での日本形成外科学会専門医取得を目指します。
研修1,2年目
種々の形成外科的縫合法、皮膚疾患の診断、皮膚皮下腫瘍の摘出、植皮術、簡単な皮弁手術、熱傷の管理と再建手術、皮膚あるいは軟部組織悪性腫瘍の診断、顔面外傷の治療、顔面骨骨折の診断、鼻骨骨折の診断と治療、顔面神経麻痺の診断、先天異常の診断、レーザー療法、褥瘡の管理、下腿潰瘍の診断と治療、嵌入爪など爪変形の治療、腋臭症・陥没乳頭の手術、ケロイドの手術
研修3,4年目
リンパ節廓清術、種々の区域皮弁と遊離皮弁手術、不全唇裂の形成術、褥瘡の手術、マイクロサージャリーによる組織移植・切断指などの再接着、手の形成外科、皮膚あるいは軟部組織悪性腫瘍の手術、顔面骨骨折の手術、顔面神経麻痺の静的再建術、軽度の先天異常の手術、眼瞼下垂手術、漏斗胸の手術、抗加齢治療(レーザーなど)
研修5年目以降
種々の遊離皮弁手術、唇顎口蓋裂の手術、小耳症手術、広範囲熱傷再建外科、乳房再建、頭頸部外科、顔面神経麻痺の動的再建術、四肢の形成外科、外陰部の形成外科、顔面骨切り術

大学院生

当講座では旺盛な研究マインドを有した臨床医すなわち"Physician Scientist"を育成するため、積極的に大学院進学を奨励しています。
4年間の大学院期間中は、外科医としての技術の研鑽の重要な時期とも重なるため臨床と研究の両立を求められますが、一定の期間は研究に集中できる環境を整え、効率的に成果があげられるよう配慮されています。また極めてハイレベルの学位論文が早期に完成した場合には3年間で大学院を卒業できる制度もあります。
現在当講座で積極的に推進している研究テーマは以下のとおりです。
 

専攻生

当講座に入局し、有給職員(助手)として採用されるまでの間は専攻生という身分のもと、通常の医局員と同様に診療、研究に従事し、同様の教育プログラムを受けることが出来ます。すなわち専門医資格取得や学位取得についても何ら不利益を被ることはありません。
参考までに、ここ数年は入局と同時に助手として採用するケースが続いています。

専門医取得について

当講座に入局したものは全員日本形成外科学会に入会し、学会の認定する専門医取得を目指します。専門医試験の受験資格を得るためにはおおむね以下の要項をすべて満たし、日本形成外科学会の行う資格審査に合格しなければなりません。
日本形成外科学会専門医受験資格
  1. 日本形成外科学会に入会後、学会の認定する施設において4年以上の臨床研修歴を有すること
  2. 受験申請時に学術論文を最低1本有していること
  3. 日本形成外科学会が主催する講習会に4回以上受講すること

日本形成外科学会専門医を取得後は、さらなるサブスペシャリティーとしての各種専門医制度があり、以下の専門医取得が可能です。

学位取得について

学位取得には2つの方法があります。
1つは本学大学院に進学し、所定の単位を取得しつつ研究活動を遂行します。そして有意な研究成果を挙げた後に博士論文(甲論文)を提出し審査に合格すれば大学院入学後4年間で博士(医学)の称号が授与されます。またこの場合、一定の条件を満たす極めてハイレベルの学位論文が早期に完成した場合には3年間で大学院を卒業できる制度もあります。
もう1つは形成外科学講座に在籍(有給職員もしくは専攻生)して6年間以上経過し、その間臨床業務に従事しながら研究活動も同時に進め、有意な研究成果を挙げた後に博士論文(乙論文)を提出し審査に合格すれば博士(医学)の称号が授与されます。

国内留学、海外留学について

当講座では、一流の形成外科医となるのに必要な見識と国際感覚を身につけるため、希望者に対しては国内研修施設(大学病院、専門病院、研究機関)や海外研修施設(大学、研究所)への留学を推奨しています。これまで当講座が関わった国内、海外研修施設は以下の通りです。
 
また上記以外にも以下の施設と密接な関係を有しているため、紹介が可能な施設となっています。
 

外国人留学生の受け入れについて

当講座ではすべての医局員に若い段階から日本以外の世界の形成外科の実情を知ることで国際的な感覚を醸成してもらうため、外国人留学生を積極的に受け入れる方針をとっています。国を問わず継続的に多数の留学生の受け入れを行っており、常に新しい風を吹き込ませています。