科長のご挨拶

順天堂大学 大学院
医学研究科 血液内科学
主任教授 安藤 美樹

当教室と診療科は、1994年に初代押味和夫教授の主宰で本郷の順天堂医院に開設されました。その後小松則夫教授のもとで教室が発展し、2021年10月より、安藤美樹が主宰しております。血液内科では貧血や多血症、血小板減少症などの良性疾患から、白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫などの血液のがんまで、幅広い疾患の診療を行っております。血液内科の分野では新薬の研究開発が急速に進歩しますので、以前は治らなかった病気が、今は治ることも少なくありません。実際に、多くの患者さんが通院しながら治療を継続されています。

私は悪性リンパ腫、特にウイルス関連リンパ腫とそれに対するがん免疫療法を専門にしております。より有効な治療を目指してスタッフ一同と共に努力を続けております。また、当院では造血幹細胞移植とCAR-T(キメラ抗原受容体T細胞, カー・ティー)療法という細胞治療にも力を入れております。造血幹細胞移植では、血縁者をドナーとする造血幹細胞移植に加えて、骨髄バンクもしくは臍帯血バンクを介する、非血縁者間造血幹細胞移植が可能であり、専門性の高いスタッフと共に、27床の無菌室が完備されております。一方で、CAR-T療法については、2020年2月から急性白血病と悪性リンパ腫に対するCAR-T療法「キムリア」の認定施設として、実際に多くの患者さんに治療を行っております。加えて、現在は多発性骨髄腫に対するCAR-T療法の準備も進めております。

研究面ではベイラー医科大学への留学、東京大学医科学研究所での研究経験を生かして、iPS細胞技術、ゲノム編集技術など最新の技術も取り入れながら、多くの患者さんに迅速に治療できる、強力なT細胞療法の確立を目指しております。

当院で治療を受けてよかったと思っていただけるよう、このような質の高い医療体制を整えておりますので、お気軽にご相談ください。今後とも血液内科をどうぞよろしくお願いいたします。

順天堂大学血液内科について

順天堂大学医学部附属順天堂医院 血液内科では、14名の日本血液学会認定血液専門医をはじめとした29名の医局員が、質の高い高度な血液内科診療と先進的で活発な研究を両立するために、昼夜を問わず精進しております。また、静岡県伊豆の国市の順天堂静岡病院に6名、千葉県浦安市の順天堂浦安病院に5名、東京都練馬区の順天堂練馬病院に4名の専属スタッフがおり、4病院が互いに交流を持ちながら連携しあって診療を行っております。そのため他施設にくらべ圧倒的な症例数を誇っております。
血液内科が診療を担当する疾患は、貧血や血小板減少といった日常診療でよく遭遇する疾患から、白血病・悪性リンパ腫・多発性骨髄腫といった血液腫瘍まで、多岐にわたります。悪性腫瘍でも、診断から治療まで一貫して自科で行い、更に造血幹細胞移植による治癒を目指した治療が可能であることも、血液内科の大きな特徴のひとつです。CAR-T療法を代表とする最先端の遺伝子治療の導入も積極的に行なっております。

血液内科の特徴について

血液学における診断・病態解明には、遺伝子レベルの解析や基礎医学の様々な知識が必要です。血液学で学ぶ分子生物学が基礎となる考え方は、臨床におけるどの分野でも応用でき重要です。また、血液の病気は全身すべての臓器に発生し、治療においてはあらゆる合併症がおきますので、高いレベルの全身管理が要求され、自然とgeneralistとしての能力が養われます。何より基礎的研究の成果が即座に臨床に反映され、常に最新の治療が行われますので、まさに基礎と臨床の大醐味を感じることが可能です。