日本における骨髄腫関連疾患の予後に関する大規模多施設前向き観察研究(JSH-MM-15)

人を対象とする医学系研究に関する倫理指針(2014年12月22日)第12の1(2)イの規定により、研究者等は、被験者からインフォームド・コンセント(説明と同意)を受けることを必ずしも要しないと定められております。そのため今回の研究では患者さんから同意取得はせず、その代りに対象となる患者さんへ向けホームページで情報を公開いたします。以下に研究の概要を記載しておりますので、本研究の対象となる患者さんで、ご自身の情報は利用しないでほしい等のご要望がございましたら、大変お手数ですが下記のお問い合わせ先までご連絡ください。

研究課題名

日本における骨髄腫関連疾患の予後に関する大規模多施設前向き観察研究(JSH-MM-15)

研究実施責任者血液内科 築根 豊
研究分担者血液内科 佐々木 純、小松 則夫

研究の意義と目的

我が国における多発性骨髄腫(MM)の年間の発症率は10万人あたり約2-3人と推定され、年間5-6千人の患者さんが新規に発症しています。高齢者の罹患率が高い疾患であり、わが国においては高齢化人口の増加を反映して年々罹患患者数の増加を認めています。1960年代に開発されたメルファラン+プレドニン(MP)療法を受けられた患者さんの平均余命は約3年とされていました。しかし、プロテアソーム阻害剤や免疫調節薬に代表される近年の新規薬剤の導入により、その予後は著しく改善しています。実際、米国のメイヨークリニックにおいては、2006年以降の生存期間中央値は6.1年まで延長したことが報告されています。このように有望な新薬の登場による我が国における形質細胞腫瘍患者の日常診療における治療実態や治療成績を把握することは、将来の治療戦略を考える上で貴重な情報となります。今後の本邦における多発性骨髄腫治療のさらなる進歩のためには、日本人の疫学から治療成績・予後に関するまとまった情報を多施設で創出し共有していくことが重要な課題となります。
以上のような背景から、日本全体における多発性骨髄腫の疫学・治療成績に関するデータベースを作成し解析することは、本邦の多発性骨髄腫治療の発展を図るために喫緊の課題であると考えられ、日本における骨髄腫関連疾患の予後ならびに予後因子について調査することを目的とし、本研究を計画しました。

観察研究の方法と対象

本研究の対象となる患者さんは、当院倫理委員会承認日~2025年12月31日までの間に当院血液内科で多発性骨髄腫と診断された18歳以上の方です。利用させていただくカルテ情報は下記です。

  1. 診断時の臨床所見・検査所見:年齢、性別、血液腫瘍の家族歴、診断名、Performance status (ECOG) 、腫瘍関連症状の有無、診断日、骨髄中腫瘍細胞割合、リンパ節または腫瘤生検の有無、免疫形質(フローサイトメトリーおよび免疫染色)、染色体検査所見、末梢血白血球数、好中球数、リンパ球数、ヘモグロビン値、血小板数、血清アルブミン値、血清LDH値、血清クレアチニン値、CRP値、sIL-2R値、血清β2ミクログロブリン値、血清IgG値、血清IgA値、血清IgM値、血清M蛋白の型・量、尿中ベンスジョーンズ蛋白の有無、HCV抗体、骨髄中腫瘍細胞割合、診断時病変部位
  2. 治療経過:診断後無治療経過観察の有無、プラズマフェレーシスの有無、治療内容、治療開始日・終了日、治療効果および効果判定日、再発・増悪の有無、再発・増悪日、造血幹細胞移植の有無や種類、形質転換の有無、二次性悪性腫瘍発生の有無
  3. 転帰:生死、最終生存確認日(死亡日)、最終生存確認日での寛解状態、死亡した場合は死因

研究実施期間

西暦2016年9月23日 ~ 西暦2025年12月31日

被験者の保護

本研究に関係するすべての研究者は、ヘルシンキ宣言(2013年10月 WMAフォルタレザ総会[ブラジル]で修正版)及び人を対象とする医学系研究に関する倫理指針(2014年12月22日)に従って本研究を実施します。

個人情報の保護

患者さんの情報は、個人を特定できる情報とは切り離した上で使用します。
また、研究成果を学会や学術雑誌で発表されますが、患者さん個人を特定できる個人情報は含みません。

利益相反について

本研究は、一般社団法人日本血液学会の資金により実施し、本研究の計画、実施、発表に関する意思決定は本研究の実行委員会が行います。一般社団法人日本血液学会は、本研究の実施にあたり、下記9社から寄付・支援契約を結んでいます。

  • 中外製薬(株)
  • 協和発酵キリン(株)
  • ノバルティスファーマ(株)
  • セルジーン(株)
  • 旭化成ファーマ(株)
  • 小野薬品工業(株)
  • 塩野義製薬(株)
  • シャイアージャパン(株)
  • 武田薬品工業(株)

しかし、このことによって研究結果がこれらの企業に有利に歪められることはなく、研究者が独立して計画し実施するものであり、研究の実施、解析、報告に係わることはありません。実施にあたっては、事前に本学の利益相反委員会にて審査を受け、承認を得ているほか、学会発表や論文公表に際しては、資金に関して公表し、透明化を図ることとしています。

お問い合わせ先

順天堂大学医学部附属順天堂医院 血液内科
電話:03-3813-3111 (内線)3386
研究担当者:築根 豊(つくね ゆたか)