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教授挨拶

順天堂大学大学院医学研究科呼吸器内科学 教授 高橋 和久

高橋教授

呼吸器内科が最も大切にしていることは「教育」です。そして臨床と研究で社会に貢献し輝く人材を養成することを目標としています。 一般的には、臨床、研究、教育が教室の3本柱といわれますが、当科では臨床、研究の周りを教育が取り囲んでいます。なぜなら、 臨床、研究がともに進化するためにはこれらを推進する人材育成が不可欠だからです。教育は、学生教育だけではありません。圧倒的な臨床力、 研究力を持つ医師を養成することは当教室の使命と信じています。私は全力・全霊で教育力を備えた真の臨床と研究のプロフェッショナルを育てたいと考えています。 呼吸器疾患は、肺癌、呼吸器感染症、慢性閉塞性肺疾患 (肺気腫、慢性気管支炎)、アレルギー・免疫疾患(気管支喘息、サルコイドーシス等)、間質性肺疾患、肺腫瘍、気管支拡張症、 びまん性汎細気管支炎、肺リンパ脈管筋腫症(LAM)、肺循環障害、胸膜疾患、結核後遺症、慢性呼吸不全、睡眠時無呼吸症候群、慢性咳嗽等多岐にわたります。 その多くは難治性であり根治的治療法が確立していません。しかし逆の見方をすれば、まだまだ診断も治療も不十分であり、若者が自助努力で世界をリードすることができる領域なのです。 私が1987年に呼吸器内科を専門として選択した理由は、医者になる前、なった後の研修医時代、もっとも悔しい思いをした診療科だったからです。 当時、進行肺がんに有効な治療はほとんどありませんでした。シスプラチンとビンデシンという抗癌剤で治療しましたが、 ほんのわずか小さくなるだけで延命効果もQOL改善もまったく実感できませんでした。多くの患者さんは洗面器を横に置きつらそうでした。 当時の生存期間中央値は約7か月であり、治癒は難しくても3倍長生きできるように貢献したいと考え呼吸器内科を選びました。 入局後、肺がんの臨床と研究に邁進しました。そして多くの臨床医、研究者の努力で、分子標的薬、免疫療法薬が臨床に導入され、 今では2年以上の生存、そして治癒も可能な時代を迎えることができました。呼吸器疾患は肺がんだけではありません。 当科には先生たちが何とかしなければならない難治性疾患が山ほどあります。そうです。一番強調したいこと。 それは君たちの努力で難治性呼吸器疾患で苦しむ患者さんに笑顔をもたらすことができるということです。

順天堂大学呼吸器内科学講座は、1969年に日本で初めて開設された日本で最も古い歴史を有する呼吸器内科専門教室です。 そのため、患者数は日本の大学病院のなかでも1,2位の数を誇り、多くの呼吸器疾患を経験することで比類のない臨床力をつけることができます。 特に、肺癌、悪性胸膜中皮腫などの悪性腫瘍とLAMなどの希少呼吸器疾患は、症例数はもちろんのこと数多くの臨床試験、治験を行っており新しい治療法の開発に積極に関わっています。 喘息症例や間質性肺炎も多く治験や先進的治療も行っています。専門領域ごとに指導医がおり、きめの細かい指導を受けることができます。 大学院生も30名弱おり基礎研究で得たシーズを臨床の現場に導入すべく、学内外で質の高い研究を行っており、トップジャーナルに数多くの論文を発表しています。 ここ数年の日本呼吸器学会での発表数もトップレベルで、中でも英語発表数は他を圧倒しています。 2020年度の文科省の科学研究費の獲得額は順天堂大学の全69講座の中で第4位(臨床講座では第3位)でした。 学外施設として、国立がん研究センター、静岡県立がんセンター、癌研有明病院、慶応義塾大学、理化学研究所、山梨大学などとの共同研究も盛んです。 留学も多くの医局員が経験しています。希望があれば十分に留学が可能です。

後期研修医の多くは順天堂医院ならびに他の附属病院、関連施設で体系的な臨床トレーニングを積んだあと、ほとんど大学院に進学します。 学位、専門医(呼吸器、アレルギー、感染症、がん薬物療法、気管支鏡、老年病専門医など)取得後、現在までに米国のハーバード大学をはじめ欧米の一流の施設に留学をしています。 最後に当科の特徴を述べます。卒業大学関係なし、臨床と研究の垣根なし、皆教育大好き人間です。医局員の半分は順天堂大学以外の卒業生です。 女性医師も約30%います。私にとって医局員すべては大切な家族です。そしてその家族全員が目標を持ち役割を担っています。 多くの若者が真のプロフェッショナルになってくれることを祈っています。一人でも皆さんが仲間になってくれることを期待しています。 夢は目指した時点で目標に変わります。がんばってください。

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