低侵襲医療の取り組み

腹腔鏡下胆嚢摘出術

当科では胆石症などの胆嚢摘出術の標準術式として腹腔鏡下胆嚢摘出術を行っています。腹腔鏡下胆嚢摘出術は1987年にフランスのMouretが世界で最初に行ったとされ、日本では1990年に初めて実施されました。傷が小さく、術後の痛みが少なく回復が早いことから、急速に普及してきました。今や胆石症の標準の手術術式となっています。

【当科における主な腹腔鏡手術の術者】

石崎 陽一 日本外科学会指導医専門医、日本消化器外科学会指導医専門医、日本内視鏡外科学会技術認定医
三輪 健 日本外科学会専門医、日本消化器外科学会指導医専門医、日本消化器病学会専門医、日本肝臓学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医

【当科における腹腔鏡下胆嚢摘出術の適応】

胆石症、慢性胆嚢炎 胆嚢周囲の癒着が軽度と考えられる場合には、腹腔鏡下胆嚢摘出術を行います。癒着が高度の場合には開腹手術に移行することもあります。
胆嚢隆起性病変
(ポリープ)
良性、悪性の鑑別が困難な場合には、診断的治療の意味で腹腔鏡下胆嚢摘出術を行うことがあります。もしも術後の病理学的検査(顕微鏡検査)により悪性と診断された場合、開腹による追加切除が必要なことがあります。

【術前検査】

術前検査は主に外来にて行います。そのため入院は手術の前々日もしくは前日になります。
(場合により数日前の入院になることもあります。)
基本的な検査を以下に示します。ただし、場合により追加検査が必要になります。

  • 胸腹部レントゲン検査
  • 心電図(安静時および負荷心電図)
  • 呼吸機能検査
  • 血液検査(感染症などを含む)
  • 尿検査
  • 上部消化管内視鏡検査
  • 便潜血
  • 腹部超音波検査
  • 腹部造影CT検査
  • DIC-CT検査(胆管の走行を検査するCTです。)

【入院】

入院日は、手術日が決定後に病院より連絡させていただきます。
手術後3~5日で退院が可能となります。

【腹腔鏡下胆嚢摘出術で起こりえる合併症】

出血 腹腔鏡下の手術は開腹手術に比べ出血量は少量ですが、止血が困難な場合があります。このような場合は開腹手術に移行する可能性があります。
感染 創部感染症や術後肺炎などの可能性があります。予防するために術後に抗生物質の投与を行います。
胆管損傷 胆管の損傷が起こることがあります。このようなときは開腹手術を行い、損傷した胆管の再建を行います。
胆汁漏 ドレーンから胆汁が漏れることがあります。入院期間が長引くことがありますが、多くの場合自然に胆汁漏は軽快し保存的に治まります。
他臓器損傷 周囲臓器と胆嚢との癒着が強い場合、剥離を行います。その過程で消化管損傷などが起こることがあります。
全身麻酔にともなう合併症 麻酔アレルギーや肺塞栓などの合併症が起こることもあります。

【開腹手術への移行】

周囲臓器との癒着が強く腹腔鏡による手術が安全にできないと判断した場合、不慮の出血により腹腔鏡下で手術が困難と判断した場合、胆管損傷、消化管損傷などが起きた場合などは開腹手術へ移行しより安全な手術方法をとることがあります。

【腹腔鏡下胆嚢摘出術の実績】

腹腔鏡下胆嚢摘出術の実績