診療科紹介
教室の歴史
順天堂大学第二外科講座は、消化器外科、一般外科を中心に診療を行ってまいりましたが平成14年7月より病院の診療体制が臓器ごとに分かれ、現在は肝・胆・膵外科として肝臓、胆道、膵臓疾患に対する外科手術、ならびに生体肝移植といったより専門性の高い診療を行っております。平成14年10月に信州大学より川崎誠治教授が赴任し、日本外科学会指導医の5名を含む合計16名のスタッフ(2009年1月現在)で『患者さんへの十分な説明と深い理解のもと、安全な手術、診療を行い、患者さんに最大の利益をもたらす』という教室の理念を持って、日々の診療に従事しております。
肝胆膵領域の手術について
肝・胆・膵外科領域の診療にあたって留意しなければならないことは、胃がんや大腸がんなどの手術と異なり、手術の難易度が極めて高いため術後合併症の頻度が高く、重篤な合併症へと発展する可能性があることです。肝切除や膵頭十二指腸切除術などの年間手術数が、それぞれ20例以上ある施設(いわゆるhigh volume center)では合併症発生の頻度が低いことが明らかになっており、万が一合併症が発生した場合にも迅速に適切な対応をとることができます。当科では肝胆膵移植外科に精通したスタッフが綿密に治療計画を立てて手術を行います。術後も詳細な経過観察により患者さんの異変をいち早く発見してこれに対応し、合併症を最小限にするよう心がけております。
下記の手術成績で示しましたように、手術中は出血量を最小限にするように細心の注意をはらい、ウイルス感染などのリスクを伴う輸血は非常に少なくなっています。また手術関連死亡例も全国平均に比較して低い数値となっています。
生体肝移植はまだ症例数が40例と少ないですが、5年生存率は94%と全国平均より約20%程良好な成績です(2009年1月現在)。また胆石症などの良性疾患に対しましては内視鏡下の手術を行い、患者さんの負担を極力減らすようにしています。
手術成績(2002年10月〜2008年12月)
肝切除術 590例(平均95例/年)対象疾患(肝細胞がん202例、胆管細胞がん25例、転移性肝がん207例、肝門部胆管がん27例、
胆嚢がん35例、その他94例)手術死亡例2例(死亡率0.3%)、輸血例20例(輸血率3.4%)
膵頭十二指腸切除術 157例(平均25例/年、膵全摘2例を含む)
対象疾患(膵がん95例、胆管がん23例、乳頭部がん22例、十二指腸がん7例、その他10例)
手術死亡0例(死亡率0%)、輸血例3例(輸血率0.9%)
生体肝移植 40例(成人30例、小児10例)
対象疾患(肝硬変25例(うち肝細胞がん合併15例)、胆道閉鎖症11例、その他4例)
手術死亡1例(死亡率2.5%)、ドナー輸血例0例(輸血率0%)、
レシピエント輸血例 14例(輸血率35%)、1年生存率(全症例98%、成人例100%)、
5年生存率(全症例93%、成人例94%)
