科長挨拶

Dr近藤聡英

順天堂は、1877年の西南戦争時に順天堂第3代堂主であった佐藤進が脳膿瘍に対する本邦初の脳神経外科手術を行ったと伝えられている、 脳神経外科とは深いつながりのある学術機関です。大学講座としては、昭和43年に石井昌三により開設され、佐藤潔(現 特任教授)、 新井一(現 学長)を経て、令和2年より近藤聡英が四代目主任教授を担当させていただいております。

我々は、日本国内では脳神経外科が基本診療科である存在意義を踏まえ、「外科的医療介入は疾患治療への一つの手段でしかない」との観点から、 手術ありきの医療ではなく、患者さんの立場で将来的な予後の観点に立ち、外科的介入の必要性を多面的に検討しています。 脳神経外科というと、脳卒中や頭部外傷といった生命維持を目的とした救命救急的対応が中心と思われるかもしれませんが、 現在では疾患によって低下した生活の質を改善することを目的とした医療でもその存在を求められつつある診療科となっています。 たとえば、近年の超高齢化社会で注目を集めている治療可能な認知症である「正常圧水頭症」やパーキンソン病に代表される「不随意運動」、 交通事故の原因ともされる「てんかん」などの分野で外科治療は薬物などの内科的治療を上回る治療効果があることが知られています。 また、従来から担当している疾患でも、脳卒中などの血管障害は血管の中から治療をすることが第一選択となり 、大きな手術ではなくカテーテルを用いた治療が中心となっています。

さらに学術機関である大学付属病院として脳腫瘍分野でより複雑な診断を可能にする研究チームを有しており、 手術進行に合わせて脳の状態や摘出状況を把握することで、安全性と治療結果を両立させる手術室内MRIの設置などで治療成績を飛躍的に向上させています。 当院では24時間、前述の最新医療を提供できる体制を整えておりますので、脳や脊髄に関することでご心配なことがございましたら、まず我々にご相談ください。 ご病状を正確に評価し、病気の状態、お一人お一人の生活に合わせた形で、専門的視点からご納得いただける治療方針をご提案できるよう教室員一同尽力させていただきます。
脳神経外科をどうぞよろしくお願いいたします。
 
脳神経外科 科長 近藤聡英
順天堂大学大学院医学研究科 脳神経外科学 担当教授(主任教授)
順天堂大学医学部 脳神経外科学講座 担当教授(併任)
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教室の歴史
本教室は、本邦における脳神経外科と脳神経外科学の発展に沿う形で、その役割を果たしてきました。

田中 憲二教授

創世前期


田中 憲二 教授
第二外科講座内に脳神経外科部門を設置。国内でも早い時期に脳神経領域の外科治療を開始しました。
石井 昌三名誉教授

創世期


石井 昌三 名誉教授:1968年(昭和43年)~1988年(昭和63年)
シシカゴ大学脳神経外科の現役教授であった氏を順天堂に招き、本格的な脳神経外科診療を開始しました。 石井名誉教授は、順天堂において脳神経外科を確立したばかりでなく、全国規模の研修会や国際学会開催に尽力し、日本における脳神経外科の創世に多大なる貢献をしました。

佐藤 潔特任教授

発展期

佐藤 潔 特任教授:1988年(昭和63年)~2002年(平成14年)
小児脳神経外科、聴神経鞘腫の手術等を中心に、脳神経外科の臨床をより充実したものにしました。"まず良き臨床医たれ"の理念に基づき多くの脳神経外科医を教育、 順天堂および関連施設全体での手術症例数を年間3,000件以上に増加させました。また、基礎研究にも力を入れ、医局員を国内のみならず海外にも積極的に留学させ成果をあげました。
新井 一学長

成熟期

新井 一 学長:2002年(平成14年)~ 2020年(令和2年)
脳神経外科学の発達により高度化した医療に対応するため、サブスペシャリティ(専門化)を促進し、脳血管内治療、てんかん外科、脊椎脊髄外科、腫瘍外科、 機能外科を教室内に確立させました。 研究面では、脳腫瘍の免疫化学療法、PET、機能MRI、脳波解析、二分脊椎症、水頭症に関する基礎研究に成果を出し競争的研究費の獲得を進めました。
近藤 聡英主任教授

脳神経外科のさらなる発展を目指して

近藤 聡英 主任教授:2020年(令和2年)〜
伝統を守りながらも、時代に応じた変革をし、常に憧れをもって認められる組織であり続けることを目標にしています。 幅広い知識と経験を社会に提供し、研究活動、手術技術の向上に加え、アカデミックマインドを有するスタッフを養成していきます。
関連施設紹介

附属病院

順天堂医院

順天堂大学医学部附属順天堂医院(東京都、文京区)

脳腫瘍、脳血管障害、小児脳神経外科、脊椎・脊髄外科、機能的脳神経外科等、多彩な疾患に対する手術を年間700例以上行っている。
静岡病院

順天堂静岡病院(旧順天堂伊豆長岡病院)(静岡県、伊豆の国市)

脳血管障害、外傷、脳腫瘍を中心に年間500例近い手術を行う。静岡県東部における救急救命センターとして中心的役割を果たしている。

順天堂静岡病院
浦安病院

順天堂浦安病院(千葉県、浦安市)

脳腫瘍、脳血管障害、脊椎・脊髄疾患等多彩な疾患に対して手術を行う。救急診療科、脳神経内科と連携し、脳神経救急診療に対応している。

順天堂浦安病院
順天堂東京江東高齢者医療センター

順天堂東京江東高齢者医療センター(東京都、江東区)

高齢者に対する脳神経外科診療を中心に行う、ユニークな病院。

順天堂東京江東高齢者医療センター
練馬病院

練馬病院(東京都、練馬区)

平成17年に開業するとともに、積極的な治療を行い、地域へ貢献している。また、開業わずか2年であるが、大学付属病院として学術的にも成果を挙げている。 地域の基幹病院として脳腫瘍、脳血管障害、頭部外傷等多様な疾患に対応している。

練馬病院

関連病院

防衛医科大学校
(埼玉県、所沢市)
防衛医科大学校
臨床教育、基礎研究ともに密接な連携をとっている。

防衛医科大学校
東京都立広尾病院
(東京都、渋谷区)
東京都立広尾病院
東京ERの中軸病院。脳血管障害、頭部外傷等を中心に多くの手術を行う。

東京都立広尾病院
東京都保健医療公社東部地域病院(東京都、葛飾区)
東京都保健医療公社東部地域病院
完全紹介制をとる高度医療に特化した病院。脳血管内治療の症例が多い。

東京都保健医療公社東部地域病院
東京都保険医療公社南部地域病院(東京都、多摩市)
東京都保険医療公社南部地域病院
東部地域病院と同様に、完全紹介制をとる高度医療に特化した病院。正常圧水頭症に関しては、センター的な施設として機能している。

東京都保険医療公社南部地域病院

越谷市立病院
(埼玉県、越谷市)
越谷市立病院
地域の基幹病院としての歴史も古い。脳血管障害を中心としたあらゆる脳神経外科疾患に対応しており、手術症例も多い。

越谷市立病院
済生会川口総合病院
(埼玉県、川口市)
済生会川口総合病院
脳血管障害、頭部外傷を中心に、脳神経外科全般を行う地域の基幹病院。脳血管内治療、てんかん外科の専門的な診療も行っている。

済生会川口総合病院
松村総合病院
(福島県、いわき市)
松村総合病院
脳血管障害、頭部外傷を中心に、脳神経外科全般を行う地域の基幹病院。

松村総合病院
太田総合病院
(神奈川県、川崎市)
太田総合病院
脳神経外科全般を行う。より高度な医療が必要な場合には、順天堂医院と連携する。

太田総合病院


吉祥寺南病院
(東京都、武蔵野市)
吉祥寺南病院
脳神経外科全般を行う。より高度な医療が必要な場合には、順天堂医院、練馬病院と連携する。

吉祥寺南病院
自衛隊中央病院
(東京都、世田谷区)
脳血管障害、頭部外傷を中心に、脳神経外科全般を行う地域の基幹病院。

新百合ヶ丘総合病院
(神奈川県、川崎市)

脊椎・脊髄・末梢神経の病気を専門としている。

佼成病院
(東京都、杉並区)

脳神経外科全般を行う。より高度な医療が必要な場合には、順天堂医院、練馬病院と連携する。
脳神経外科04
脳神経外科05
脳神経外科06

外来診療

当科では外来診療から入院、退院後加療までを一貫して領域別専門医が担当することでより専門性の高い医療をご提供できるよう医師一同努力いたしております。
ご自身の症状がどのような領域かを判断するのは難しいこともありますので、かかりつけのお医者様にご紹介状をいただくか、どの曜日でも構いませんので一度ご受診ください。
その場合には診察のうえ、当日の担当医が専門医の外来への受診を手配させていただくことがありますことをご了承ください。

もし予めご自身の疾患についてご理解がある場合は、外来スタッフにお電話でお問い合わせいただければ、直接専門医外来への受診をご案内することも可能です。
患者さんご自身でご予約いただく場合
先生方にご予約いただく場合
お問い合わせ
順天堂大学医学部附属 順天堂医院 脳神経外科医局
〒113-8431 東京都文京区本郷3-1-3
TEL:03-3813-3111(大代表) 内線 5404、5405

専門外来

腫瘍性疾患髄膜腫・神経膠腫・下垂体腫瘍・聴神経腫瘍・眼窩内腫瘍・頭蓋底腫瘍・小児脳腫瘍
腫瘍性病変の当科治療方針
血管障害脳動脈瘤・脳動静脈奇形・脳血管狭窄・虚血性疾患・もやもや病
神経機能正常圧水頭症、てんかん、顔面けいれん、三叉神経痛、パーキンソン病、難治性疼痛、痙縮、不随意運動
脊椎・脊髄脊髄腫瘍、椎間板ヘルニア、脊椎症、脊髄腫瘍、脊髄空洞症、脊髄損傷、坐骨神経痛、脊柱管狭窄症
小児脳神経外科小児脳腫瘍・水頭症・二分脊椎・頭蓋骨早期癒合症・頭蓋脊髄における先天奇形等

外来診療Q&A

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Q.順天堂医院脳神経外科を紹介されました。自分の病状より専門外来を選んで受診をしなくてはなりませんか?
A.その必要はありません。どの医師でも結構ですので、まず外来を受診してください。外来で担当した医師が状況を判断し必要な検査を行い、専門外来を次回診察予約で取らせていただきます。
Q.その日に検査は出来ますか?
A.CT検査は基本的に外来当日に行うようにしております。必要があると判断した場合には、緊急でMRI検査も行います。その他、他診療科受診が必要と判断した場合にも、その日のうちに受診していただきます。
Q.検査は外来で出来ますか?
A.ほとんどの検査は外来で可能です。患者さんの時間の節約、経済的負担の軽減も目的のひとつです。ただ、乳児や幼児に関しては、お薬で寝てから検査を行うことが多いため、安全のため入院の上検査を行うようにしています。その他特殊な検査の場合には、入院が必要になります。外来担当医にご相談ください。
Q.待たされるのが嫌なんだけど・・・
A.初回受診時には、CT検査等のために診療が終了するまでに長い時間がかかってしまいます。お待たせしないように心掛けておりますが、初診時には時間に余裕をもってご来院ください。ただし、病状が緊急を要する場合には、適宜対応いたします。外来看護師あるいは受付にお申し出ください。

入院診療

当科では、原則として外来診療から入院、退院後加療までを一貫して領域別専門医が担当します。入院中は担当医が所属するグループで診療を行うシステムとなっています。
診療に関して質問や不安な点がございましたら、担当専門医および担当医に遠慮なくお聞きください。お急ぎのときは病棟の看護師にその旨をお伝えください。

病棟での主な診療に関する業務を紹介いたします。
名称 内容
モーニングカンファレンス 休日を除く毎朝、当直医師の報告に基づき病棟に入院中の患者さんの状態をスタッフ全員で検討します。
朝回診 病棟看護師・病棟薬剤師・医療ソーシャルワーカー・リハビリテーションスタッフ等多職種と合同のカンファレンスで毎日患者さんの状態を把握し、問題点を共有します。
手術 定時手術は、月、火、水、金曜日に行われます。火曜日は、血管内治療を中心に手術予定が組まれます。ただし、緊急性のある疾患や病態に対しては、昼夜を問わずに適宜対応しています。
夕回診 その日一日に行われた検査や治療を振り返り、治療方針を確認します。必要に応じて患者さんやご家族に症状説明を行います。

入院診療Q&A

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Q.脳腫瘍の手術では、どの程度の入院期間が必要ですか?
A.2~3週間程度の入院期間が必要です。しかし、患者さんの年齢や神経症状、全身状態等により、入院期間は異なってきます。術後に放射線治療や化学療法が必要となった場合には、入院期間が長くなることもあります。ただし、放射線治療は、極力外来通院で行うようにしています。
Q.入院して手術をする予定です。いつから仕事が出来ますか?
A.脳腫瘍等で後療法が必要であったり、リハビリテーションが必要な場合を除き、通常1~2週間の自宅療養の後に仕事復帰が可能です。
Q.高額な費用が必要ですか?
A.入院費用は入院日数、術式によって異なります。脳神経外科の手術の多くは高額になりますが、窓口でお支払いいただく保険一部負担金が一定の金額を越えると、高額療養費制度により保険者より還付を受けることができます。但し、還付額は保険者により異なる場合がありますので、詳しくはご加入の保険者にご確認ください。
Q.入院中の付き添いは必要ですか?
A.当院では付き添いの必要はありません。しかし、小児を対象にお母さまに付き添っていただける病室「母子室」を、脳神経外科病棟にも用意しています。ご希望の際には、外来医師または看護師にお申し出ください。
Q.入院中の面会は?
A.面会時間(午後2時から8時)の間であれば、自由に面会が可能です。しかし、患者さんの状態によっては、面会を制限させていただくことがありますので、ご了承ください。
Q.長くは入院出来ないと聞いたけど・・・?
A.特定機能病院には、高度な医療を多くの患者さんに提供するという使命があります。したがって急性期の治療が終了した段階で、リハビリテーション等が必要な場合には専門の病院を紹介させていただきます。その際には、病院内にある医療福祉相談室のケースワーカーが、患者さん・ご家族の要望をお聞きし、親身に責任をもって対応します。

症状と病名

頭痛

頻度の高い緊張性頭痛、吐き気等の自律神経症状を伴う片頭痛等には、最新の薬物治療をもって対応します。ただし、脳腫瘍等の初期症状が、頭痛だけといったことも少なくありません。"頭痛だけで大学病院へ行くのはちょっと"と思われる必要はありません。外来でご相談いただければ、適切な検査を行い、病状をご説明させていただきます。また、突然生じた頭痛、めまいを伴う後頭部痛、運動麻痺や発熱を伴う頭痛の際には、躊躇することなく救急外来にご連絡ください。

考えられる診断名:緊張性頭痛、片頭痛、くも膜下出血、脳内出血、解離性動脈瘤、脳腫瘍、髄膜炎等

めまい

身体のバランスをとる三半規管の機能異常が原因のことが多いのですが、小脳出血等緊急を要する場合もあります。やはり、CTやMRI等の検査が必要です。必要に応じて、耳鼻咽喉・頭頸科と連携し、治療を進めます。注意を要するのは、頭痛、呂律が回らない、手足の動きが悪い、意識状態が悪い等の訴えや症状を伴う場合です。救急外来へご連絡ください。

考えられる診断名:頭位変換性めまい症、突発性難聴、メニエル病、解離性脳動脈瘤、小脳出血、脳幹出血等

力が入らない(運動麻痺)

すぐに救急外来へご連絡ください。
 
  • いつから症状が出現しましたか?
  • 意識はしっかりしていますか?
  • 症状に変化(だんだん悪くなる、数分でよくなった等)はありますか?
  • 吐いたりはしていませんか?
  • 今回が初めてですか?
  • 主治医の先生より高血圧や心臓病、糖尿病を指摘されていませんか?
  • 内服しているお薬はありますか?

等の情報が重要です。当科にかかりつけの患者さんの場合は、ご自宅が遠方の場合でも、お電話をいただければアドバイスをさせていただきます。

考えられる診断名:脳梗塞、脳内出血等

手足がしびれる(感覚障害)

急に症状が出現した場合には、救急外来へご連絡ください。
 
  • いつから症状が出現しましたか?
  • 意識はしっかりしていますか?
  • 症状に変化(だんだん悪くなる、数分でよくなった等)はありますか?
  • 運動麻痺はありますか?
  • 吐いたりはしていませんか?
  • 今回が初めてですか?
  • 主治医の先生より高血圧や心臓病、糖尿病を指摘されていませんか?
  • 内服しているお薬はありますか?

等の情報が重要です。当科にかかりつけの患者さんの場合は、ご自宅が遠方の場合でも、お電話をいただければアドバイスをさせていただきます。

考えられる診断名:脳梗塞、脳内出血、変形性脊椎症、末梢神経障害等

言葉がうまく話せない(言語障害)

すぐに救急外来へご連絡ください。
 
  • いつから症状が出現しましたか?
  • 意識はしっかりしていますか?
  • 症状に変化(だんだん悪くなる、数分でよくなった等)はありますか?
  • 運動麻痺はありますか?
  • 吐いたりはしていませんか?
  • 今回が初めてですか?
  • 主治医の先生より高血圧や心臓病、糖尿病を指摘されていませんか?
  • 内服しているお薬はありますか?

等の情報が重要です。当科にかかりつけの患者さんの場合は、ご自宅が遠方の場合でも、お電話をいただければアドバイスをさせていただきます。

考えられる診断名:脳梗塞、脳内出血等

顔面の痛み

色々な原因で起こりますが、脳神経外科治療の対象になるのは三叉神経痛です。三叉神経痛の痛みは、歯を磨く、ものを食べる、顔の一部に触る等の行為で誘発されます。痛みの持続時間は短いのですが、非常に激しい痛みです(電撃痛)。外来受診をお勧めします。通常まず薬物治療を行いますが、三叉神経を圧迫する血管を移動させる手術(神経血管減圧術)が有効です。発赤等の皮膚の異常がある場合には、急いで外来受診することをお勧めします。ヘルペス感染症の可能性があり、早めの治療が必要です。

考えられる診断名:三叉神経痛、ヘルペス感染症等

けいれん・ひきつけ(てんかん発作)

けいれん発作が起きたならば、すぐに救急外来を受診しなくてはなりません。成人で初発の場合には、脳腫瘍等の器質性疾患の有無を確認する必要があります。小児では、脳の発育がまだ充分でないため、発熱等でひきつけを起こすことがあります。その場合には、小児科・思春期科と一緒に診察します。一点を見つめてボーっとしている、問いかけに対する反応がおかしい等もてんかん発作の可能性もあります。発作なのかはっきりわからないときには、外来にお越しいただき病状をお知らせください。アドバイスをさせていただきます。

考えられる診断名:脳腫瘍、てんかん、髄膜炎、熱性けいれん(小児)等

頭をぶつけた(頭部打撲)

ぶつけた直後に意識障害がなかったり、吐いたりしていなければ多くの場合は安心です。意識障害があったり、吐いている、強い頭痛が続くといった場合には、外来受診をお勧めします。また、頭部打撲の後しばらくしてから問題の生じることもありますので、遠慮なく外来を受診してください。

考えられる診断名:急性硬膜外血腫、急性硬膜下血腫、頭蓋骨骨折等

物忘れ(認知症)

アルツハイマー型や脳血管性認知症の頻度が高いのですが、手術治療により改善する病態があります。それは正常圧水頭症と呼ばれる疾患で、認知症、歩行障害、尿失禁が三徴です。これらの症状が、髄液シャント術という比較的簡単な手術で改善することが期待されます。

考えられる診断名:正常圧水頭症、アルツハイマー型認知症、脳血管性認知症

紹介ビデオ

脳神経外科よりのご案内-血管内手術に関して-

音声付ビデオです。