神経内視鏡
低侵襲手術の例
水頭症に対する第3脳室開窓術
閉塞性水頭症に対して行われます。閉塞性水頭症とは、脳室からくも膜下腔に至る髄液の循環経路に狭窄・閉塞が生じ、結果として脳室が拡大するもので、中脳水道狭窄症や脳腫瘍が原因となります。脳深部の第3脳室の底面を内視鏡で観察し、小さな穴を開けることで髄液の通り道を新たに設ける(バイパスをつける)手術です。従来の脳室腹腔シャント術に比べ、シャントチューブという異物を体内に留置することなく水頭症の治療が可能で、患者様への負担は少なくなります。

内視鏡で第3脳室の底面を観察します。

第3脳室の底面に小さな穴を開け、バルーンカテーテルで拡大させます。

脳幹部の前面である脚間槽を確認します。

第3脳室開窓後、第3脳室を再度観察します。
脳腫瘍に対する腫瘍摘出及び生検術
脳室内およびその周辺に発生する脳腫瘍に対して、内視鏡を脳室内に誘導し腫瘍の摘出術や生検術を行います。松果体に発生する胚細胞系腫瘍などに適応があります。開頭手術で松果体部に到達するには脳を圧迫しなくてはならず、患者様への侵襲も大きなものになります。その点、内視鏡手術は極めて低侵襲です。
嚢胞開放術
くも膜嚢胞をはじめとした脳内の嚢胞性疾患に対して、やはり内視鏡を用いての治療が可能です。嚢胞壁の組織を採取し、確実な病理診断を下すことができます。嚢胞を可及的に切除し、嚢胞と正常の髄液腔との交通をつけます。
実績
準備中