患者さんへのご挨拶

このたびは、当科のホームページをご覧いただきまして、まことにありがとうございます。
 
"乳がんのことは心配だけど、どこにいったいいかわからない。"
"近くの病院には外科しかなくて、乳腺の専門の先生がいるのかどうかわからず不安だ。"


このような患者さんの声を、私どもはよく耳にしてまいりました。また、現在乳がんは女性の壮年層(30~64歳)のがん死亡原因のトップであり、日本女性の30人に1人は乳がんにかかるとされています。このような時代のニーズにこたえるべく、本院は大学附属病院としては初めてとなる乳腺センターを設立することとになりました。

それに伴い、乳腺・一般外科は、"乳腺科"と科名および診療内容を変更いたします。
当科で担当している疾患はこちらをご覧ください。 今まで乳腺・一般外科の"一般外科"部門で拝見していた患者さんは当科で責任をもって、新担当科にご紹介いたしますので、ご安心ください。

診療科概要

特色

平成14年度7月より順天堂大学では、外科再編成が行われ、臓器別に診療を行うこととなりました。
これに伴い、社会の乳がんに関する関心の高まり、 乳がん罹患患者さんの増加や、鼠径ヘルニア、下肢静脈瘤等に対する安全な短期滞在手術の増加にお応えして、乳腺・一般外科が新たにスタートいたしました。
 
平成18年1月からは更に、乳腺疾患に特化した乳腺科として再スタートします。
当科は、以下の3つの点を特徴としております。

I. 専門医療

乳腺科では、乳腺センターに活動の拠点を置き、乳がんをはじめとした良性・悪性乳腺疾患を主に担当します。

II. チーム医療

乳がんの患者さんの術前、術後の補助療法には、内科医、放射線科医、病理医、看護師、放射線技師、薬剤師と連携をとり、チーム医療を実践しています。
 
乳腺センターでは関連科が1箇所にあつまっているので、患者さんの動線は短くてすみます。(いろいろな科にかかるために病院内を行ったりきたりする必要がありません)また各科がより緊密な連携がとれる体制になっています。

III. Short stay surgery

(1)Day Surgery (日帰り手術)
乳腺腫瘍に対するマンモトーム(超音波ガイド下・ステレオガイド下 吸引組織診)を中心として 体表の手術に対して行っております。
(2)Short Stay Surgery (3~5日の入院)
良性 乳腺疾患が対象になります。
(3)1 Week Surgery (5~10日の入院)
悪性乳腺疾患に対してクリティカルパスを導入し入院日・手術日指定等、患者さんのご都合に合わせて、安全で負担の少ない治療を目指しています。
 
順天堂醫院では、遺伝性乳がん卵巣がんの診断のために、特定非営利活動法人日本HBOCコンソーシアムが実施するBRCA遺伝子検査を受けた方を対象としてデータの収集を行う登録事業に参加協力しています。
詳しくはこちらをご覧ください。

Ⅳ. 治験、臨床試験

全世界レベルでの新しい治療薬や、既に海外では承認が下りているものの、日本ではまだ適応となっていない薬に対し、その効果を確認するため、副作用などを確認するための様々な治験に当科は積極的に参加しています。参加を希望している方、ご興味のある方は当科までお問合せください。

対象疾患

乳腺科で診療対象としている疾患 
乳腺疾患 悪性・良性乳腺腫瘍
良性腫瘤 乳房にできる良性のしこり全般(線維腺腫など)
悪性腫瘤 乳房にできる悪性のしこり全般(乳がん、他臓器からの転移など)
また、乳腺炎などに対しても対応しています。

外来診療

当科では、放射線科医、病理医、形成外科医、内分泌内科医等と連携をとり、信頼してくださる皆さまの期待に充分に応えられる態勢をとっております。
最新の外来担当医表は、以下よりご覧ください。

診療方法

当科では乳がん検診は行っておりません。自治体の検診や他施設での検診で精密検査が必要とされた方、症状があり紹介状をお持ちの方を優先して診療させていただいております。
早急に検査を必要とする患者さんのために、ご理解・ご協力をお願いいたします。
 
なお、2次精査が必要とされた患者さんで当センターでの精査にて異常がないと診断された方につきましては、次回以降は他施設での検診をお勧めさせていただいておりますので、あらかじめご了承ください。

診療体制

​初診は原則的に紹介状がある方を対象としております。
当面のところ午前中のみ初診患者の診察を受け付けております。初診対応医師が初診当日診察し、適宜説明、検査を勧めていきます。治療が必要な場合はカンファレンスを通して方針を議論、共有し、手術や薬物療法の方針決定を行っております。
治療に際し、再建手術や合併症に対して、適宜他科へのコンサルテーションを行っております。

セカンドオピニオン

​セカンドオピニオンに関しましては、当院のセカンドオピニオン外来を通じて対応しております。
お問い合わせ
順天堂大学医学部附属 順天堂医院 乳腺センター
〒113-8431 東京都文京区本郷3-1-3
TEL:03-3813-3111(大代表)
当院は「特定機能病院」として厚生労働省から承認された病院ですので、原則として他の医療機関からの紹介状(診療情報提供書)が必要となります。
初めて当科外来を受診する場合、診察を円滑に行うためにも紹介状をご持参いただきますようご協力をお願いいたします。
患者さんご自身でご予約いただく場合
先生方にご予約いただく場合

⼊院診療

治療内容の各種説明書

当科で使用している書類を紹介致します。
PDF形式でダウンロードが可能です。

乳がんの手術療法

乳がんの化学療法

その他の療法

主な治療における平均的な在院日数

治療法 在院日数
乳がん 5~10日

よくあるご質問

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Q.初診で来院すると、待ち時間はどのくらいかかりますか?
受診内容によっても異なりますが、数時間お待ちいただくこともございます。
当日検査などを受けていただく場合は、さらに待ち時間がかかることがございます。お時間に余裕をもってご来院ください。
Q.受診日に当日検査をして、当日結果説明を受けることはできますか?
初診の場合、受診日当日は診察のみとなります。検査は当日にできるものと予約が必要なものがあります。結果説明は検査とは違う日に来院していただきます。
Q.医師の指定はできますか?
初診当日は初診担当医の診察になります。紹介状に医師名が明記されている場合は、原則、次回以降にその医師の診察予約をお取りします。医師名がない場合は、基本的には医師の指定はできません。
Q.土曜日も受診できますか?
土曜日も外来の予約はありますが、検査の内容によっては平日のみの検査もございます。
(第2土曜日は順天堂医院休診日です)
Q.検査や手術の費用はどのくらいかかりますか?
検査や手術の費用の概算は、外来看護師にお問い合わせください。患者さんの負担割合によっても金額は異なります。定期的に診療報酬は改訂されますので、正確な費用が知りたい方は医事課会計までお問い合わせください。
実際のお会計時には、検査や手術の費用のほかに診察代などの諸費用が含まれます。また、検査の内容によっては後日追加会計が発生することもございます。
Q.手術が必要と言われました。入院期間はどのくらいですか?
乳房部分切除術でリンパ節郭清をしない場合は術後約2日、乳房切除術や腋窩リンパ節郭清術の場合は術後約7日で退院となります。術後経過によって多少前後することもあります。
医師から退院の指示が出ましたら、次の方の治療のため早期の退院にご協力をお願いいたします。
Q.手術までの期間はどのくらいですか?
がんの診断から手術までの待ち時間は、その患者さんの状況や時期によって異なります。乳がん患者さんの増加に伴い非常に多くの患者さんが来院されるため、これまで平均2か月以上かかってしまうこともございました。
ご不便をおかけしておりますが、ご理解の上来院されますようお願い申し上げます。
Q.術後いつから仕事に復帰できますか?
仕事の内容によっても異なりますが、デスクワーク程度なら術後1週間後、運動や肉体労働は術後1か月から可能になります。
その後は治療のスケジュールの有無とお仕事の内容やご希望によって異なりますので、主治医や看護師にご相談ください。
Q.術後に気をつけることはなんですか?
リンパ節郭清術を受けた方はリンパ浮腫の予防をしてください。リンパ浮腫ケアの指導は、病棟および術後外来にて看護師が行っております。