不妊症とは

不妊症とは避妊せず夫婦生活を送り、1年間経過しても妊娠しない場合、と定義されています。ただし、明らかな不妊因子(子宮筋腫、子宮内膜症、乏精子症など)が存在する場合には、不妊期間に関わらず不妊症とされます。
一般的な夫婦間で避妊せず性交渉をもったとき、6か月間で約80%、1年間で約80-90%が妊娠します。不妊症の頻度は、約10-15%と考えられていますので、約1年間妊娠しない場合には何か不妊症の原因があることが考えられます。

不妊症の原因とその検査

不妊症の原因は様々ですので、当院で不妊治療を行う前には必ず不妊原因の精査が必要となります(図2)。当院の検査項目は以下の通りです。
不妊症の原因とその検査図2.不妊症の原因

不妊スクリーニング検査

男性因子:精液検査
女性因子:
  • 卵巣機能検査:基礎体温、ホルモン基礎値の測定(月経2-5日目)
  • 黄体ホルモンの測定(排卵後5-7日後)、AMH(抗ミュラー管ホルモン、後述)
  • 子宮、卵巣の検査:内診、経腟超音波検査
  • 卵管の検査:子宮卵管造影
  • 感染症検査:クラミジア検査
  • その他:甲状腺機能検査、ビタミンD
(一部の検査は保険が適応できません。AMH、感染症、血液凝固機能検査、ビタミンDが自費で約1万2千円かかります。)

その他の検査

AMH(抗ミュラー管ホルモン):その卵巣機能の予備能力を知り得る有力な指標となり、「卵巣年齢」などと呼ばれています。この検査結果は、胞状卵胞数(卵子の在庫)を示唆していると言われています。ただし、卵子の質とは無関係です。
不妊治療を行う上で非常に重要な検査のため、当院で不妊治療を行う方は全員測定させていただきます。