専門研修プログラム

卒後教育・研修について

当科は、昭和43年(1968年)に開設され、当初は肺縦隔疾患を主体とした手術が行われていましたが、昭和59年(1984年)細田教授就任後、心臓血管外科手術が幅広く行われるようになりました。
平成14年(2002年)7月より胸部外科学は、心臓血管外科と呼吸器外科に分かれ、高度に専門化された診療を行っております。
現在は、天野 篤教授のもと日々診療にあたっております。
臨床面では年間手術件数500件以上と、本邦有数の年間手術件数を持ち、先天性・後天性心疾患とも豊富な症例経験を誇っております。特にOPCAB(心拍動下冠動脈バイパス術)や弁形成術を積極的に取り入れ、更に複雑心奇形の根治術にも取り組み、全国各地から当科をご紹介いただいています。また、大動脈瘤に対しても血管内ステントグラフト治療も年間70例以上行っています。高いレベルでの手術手技や診療に携わることが出来ます。
心臓血管外科医は、心臓や血管はもちろんですが、全身の管理が必須であり、様々な病態や疾患、薬剤の知識も必要とされます。当科ではこうしたニーズに応えるため、入局後も診療科の枠にとらわれず、当院のみならず、他の医療機関での研修も積極的に柔軟に行っております。
また、国内のみならず、世界での最新の医療知識、手術手技や経験、加えて最新の研究についても学べるよう、アメリカ、オーストラリア、ドイツなど海外への留学も積極的に推奨しています。
 
更に臨床だけではなく、教育・研究面でも一流のものを得られるよう、忙しい合間をぬって学会アクティビティ活動にも力を入れており、希望があれば研究期間が与えられ、基礎医学教室、他の研究施設、海外留学も含めて積極的な研究活動を推奨しております。

1.外科専門医の取得

2年間の初期臨床研修の後、心臓血管外科医としてスタートするわけですが、入局後4年間は、外科医としての修練期間となります。当科では、入局後4年間での外科専門医取得を目的として、外科専門医の必修事項として盛り込まれている一般・消化器外科・呼吸器外科・小児外科・麻酔科を臨床研修中にローテーション出来なかった場合、または、これまでの研修では不十分と感じられた場合には、入局後あらためて研修することが可能です。当科では当院のみならず、生活の基盤を確保しつつ、国内における他機関への研修も積極的に行っています。さらに語学修得もかねて、アメリカ、オーストラリア、ドイツ等への留学も可能です。現時点でもアメリカに3名、カナダに1名留学中です。また、この4年間を大学院に入学して同じ研修を行う事も可能です。

2.心臓外科専門医の取得

入局後3年目で外科専門医を取得した後、心臓血管外科専門医取得のため、指定された数多くの症例を経験することが必要となります。当科では、その豊富な手術症例から、最短で入局後5年で専門医取得のための到達目標をクリアすることが可能です。

3.大学院

当科では、診療科の枠にとらわれず、基礎医学教室とも連携して様々な研究を行っております。研究期間は研究に集中できるよう、病棟を離れて他の研究室で自分のやりたい研究課題を追求することも可能です。また、海外における最新技術や知識の会得のため基礎研究者としての留学も推奨しています。