私たちの小児病棟は1号館10階に位置し、外科系、内科系、新生児・乳幼児病棟の3つに分類されています。
子どもに優しい医療をモットーにし、身体的ケアのみならず、精神的ケアへの工夫も大切にし、日々の診療を行っています。
ここでは病棟の様子をご紹介致します。
入院中のお子様や、ご家族の方々が少しでもリラックスし、治療に前向きになれるような環境を目標に、2000年からホスピタルプレイスペシャリストの資格を有する田中医師とチャイルドライフスペシャリストの早田が中心となり病棟アメニティ委員会を設置し様々な活動を行っています。
そのいくつかの活動を写真を含めて少しご紹介します。
1.病棟環境の整備、装飾
(1)エレベータ付近
エレベータを10階でおりると明るい照明とアンパンマンたちがお出迎え。
小児病棟は主に10階になります。
(2)病棟入り口
きょうだいやおともだちが面会できるスペースをご用意しています。
(3)プレイルーム
子どもたちの発達段階にあわせたおもちゃやビデオ・絵本を用意しています。
またここでは、ミュージックセラピー・アートセラピー・チャイルドライフや訪問学校・ボランティアによる集団活動を行っています。
(4)家族休憩室
入院中のお子様のご家族がいつでも使用することができます。
(5)処置室
検査などで使用される部屋です。子どもたちの緊張や不安を少しでも和らげ、またリラックスできる様な工夫をしています。
子どもたちの描いた壁画が優しく迎えてくれます。
(6)授乳室
お母さんと赤ちゃんがお互いに、ゆったりとした気持ちで関わることができるような工夫をしています。
(新生児・乳幼児病棟)
2.プレイプレパレーション
(1)ポッケちゃんとマイケル君
子どもたちに自分の体のことや、必要な検査や治療のことを説明する(プレパレーション)ために作ったお人形です。
*プレパレーションとは・・・検査や治療の前に、お子さんの年齢や発達に合わせてこれからどんなことが起きるのかを説明し心の準備をすることです。プレパレーションによってお子さんのがんばろうとする意欲を引き出します。
(2)おなかの中には・・・・
ポッケちゃんのおなかのポッケにはいろいろな臓器が入っています。
このようなおもちゃを使って子どもたちの発達段階にあわせた病気、検査などの説明を行っています。実際にこのようなお人形を使って子どもたちがお医者さんごっこで遊べる機会を作っています。
これはタカラトミーと順天堂小児科の田中医師が中心になって開発したツールです。今、新しいバージョンを作成中です。
(3)キワニスドール
*キワニスドールとは・・・検査や治療前のプレパレーションや処置後のメディカル・プレイ(処置を振り返るためのお医者さんごっこ)で使っています。
3.トータルケア
トータルケアとは、病院において子どもの病気を診るだけではなく、子どもたちに心の支援、教育支援、 家族支援などをすることで、子どもたちの生活をトータルでサポートしていこうという試みです。
当院では、入院中・外来通院中の子ども達の生活の質の向上を図るために、児童精神科医師、 小児看護専門看護師、臨床心理士、チャイルド・ライフ・スペシャリスト、ソーシャルワーカーなどの 他職種の専門スタッフも協力して活動しています。
4.病棟での活動
以下の様な活動を行っています。
・月〜金には病棟で
チャイルドライフ
スペシャリストの早田さんがこども達の遊びの支援を行っています。
・火曜日
午後
・アートセラピー
・木曜日
(第1・3)
午後
・読み聞かせ
・金曜日
午後
・ミュージックセラピー「おうたの時間」
(小児科秘書であり音楽療法士でもある市田さんにより歌や楽器演奏など音楽を通して入院生活のQOL向上を目指す活動をプレイルームで行っています。)
・学習のボランティア・・・学童のお子さんを対象にお勉強のお手伝いをします。
・土曜日
午前
・遊びのボランティア“まほうのランプ”による活動です。
・4月〜11月
・プレイルームランチ
プレイルームに集まって特別なお昼ごはん(ラーメン・おにぎりなど)をみんなで一緒に食べる会をしています。
・訪問学級
入院しているため、入院前に通っていた学校で教育を受けられない児童・生徒のために、
教員が訪問して教育を行う制度
があります。順天堂医院では、
東京都立北特別支援学校
の教員が訪問しています。授業は
週3回
、ベッドサイドや学習室で個別に行いますが、
集団活動
も実施しています。
訪問学級を受けるためには北特別支援学校への
転校手続き
が必要となりますが、
退院と同時に、簡単な手続き
で元の学校に戻ることができます。
訪問学級への転入を希望される方は、主治医または病棟の看護師長、ソーシャルワーカーにご相談ください。
本校ホームページ
http://www.kita-sh.metro.tokyo.jp/index.htm
5.季節の行事
1月
もちつき
2月
豆まき
7月
七夕
8月
なつまつり
10月
チャイルドパーティ
12月
サンタ訪問
6.アメニティ便り
順天堂医院小児病棟では職員のボランティア活動として色々な取り組みが成されています。
病棟アメニティ委員会がスタッフにより設置されており、入院患児のQOL向上のために毎月委員会を設け、数多くの1年間における行事を計画・実行しています。毎月第2火曜日には「ピクニックランチ」と称して、栄養部の協力も得て、普段とは異なったランチメニューにするなど創意工夫しています。「夏祭り」は3号館屋上にて模擬店や屋台の雰囲気を取り入れ、医師や看護師が率先して子どもたちの相手をしたり、「チャイルドパーティー」では同様にアトリウムの開放空間を利用して、医師・看護師が普段見せない様相で演技をしたり踊りを披露したり、子どもたちに多くの笑顔を届けています。
外部ボランティアにおいては1994年より「絵の時間」が導入され、1999年から入院患児を対象としたあそびのボランティア「まほうのランプ」が活動を始め、その他「読み聞かせ」の活動も行っています。「まほうのランプ」は研修期間を設け、約70名のボランティア教育システムもしっかりと構築されており、非常にレベルの高い活動となっています。感染症が流行る期間は職員との連携を取り、予防には万全を期しています。子どもたちは遊びの中で成長・発達することを常に念頭に置き、「入院をしていても楽しいことがあったね」という気持ちを子どもたちにご自宅まで持ち帰っていただけるように、小児病棟スタッフ一丸となって今後も努力邁進して参ります。
院内ボランティア統括委員会 委員 市田幸子
夏祭り
チャイルドパーティー
遊びのボランティア
「まほうのランプ」
絵の時間
7.音楽療法
小児病棟では1995年から「おうたのじかん」と称して、音楽療法を行っています。活動は毎週金曜日の午後から小児病棟プレイルームにてグループセッションを、医師・看護師より依頼のあったお子さんには個人セッションとしてベットサイドを訪問して活動をしています。生活の場が家庭から病院へ移行する事、そしてお友達と遊べない事はお子さんにとって大きなストレスです。グループセッションは子どもたちの友達作りの場のみならず同じ悩みを持つ親御さん同士の交流の機会作りの場ともなります。また長期入院の場合、グループセッションの中で活動に積極的に参加が出来るようになる事により、退院後の社会生活(幼稚園や小学校)への早期適応が出来ます。「心のケア」としては、緩和期にあるお子さんとご家族に最後まで楽しみを持ち続けられる大切な時間としてベットサイドで関わります。また、レスピレーター管理で意思の疎通が困難な状態であっても、ご家族と関われる時間として活動をしています。音とは直接的に「心」(五感)に響くものであり、言語では上手に表現できないお子さんでも「心の内なる声」を楽器や声を通して素直に感情表出ができます。セッションが終了した時に「楽しかった!!」と言いながら部屋に戻っていくお子さんの姿があり、その傍らには、わが子の笑顔を眺めて目を細めるご家族がいらっしゃいます。
気管切開をしているお子さんに、音楽(歌)を通して言葉に興味を持って貰い、スピーキングカニューラをつけ、初めて「ママ」と発した時のお母さんが大喜びをされた様子は今でも忘れる事が出来ません。病院に入院して、淋しい事や辛いこと、苦しい事が一杯あった中でも「楽しかった」という思い出を作って帰って頂きたいと願っております。
院内ボランティア統括委員会 音楽療法士 市田幸子
人差し指を出してごらん!
好きな曲が弾けるよ!!
順天堂大学医学部小児科・思春期科学教室
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