臨床工学技士とは

臨床工学技士とは、厚生労働大臣の免許を受けて「医師の指示の下に、生命維持管理装置の操作および保守点検を行うことを業とする者」をいいます。生命維持管理装置とは、人の呼吸、循環又は代謝の機能の一部を代替し、又は補助することが目的とされている装置をいいます。具体例としては、人工呼吸器、人工心肺装置、血液浄化装置、体外式ペースメーカー、補助循環装置などがあります。(臨床工学技士法条文より抜粋)

生命維持管理装置は、手術室、集中治療室、透析療法室などで主に使用されています。また、その他の医療機器も院内で数多く使用されており、臨床工学技士は院内全体に渡って業務を行っています。

臨床工学室

臨床工学室では、人工呼吸器、人工心肺装置、血液透析や血漿交換などの血液浄化装置の操作および心臓カテーテル検査、内視鏡、吸入療法での技術提供を行っております。さらに手術室内では、脳神経モニタリングや手術支援ロボット装置da Vinciの準備およびトラブル対応を行っています。また、院内の医療機器(心電図モニタ、輸液ポンプ、除細動器など)を安心して使用いただくための整備や修理をし、さらには、安全使用の周知徹底を目的とした研修を開催しています。

2015年2月より臨床工学技士が2名で夜勤、当直体制をしいており、緊急時やトラブルにも迅速に対応することが可能となっています。

業務概要

循環業務

循環業務としては、主に心臓血管外科手術と心臓カテーテル検査室での技術提供を行っています。
心臓血管外科手術の際に使用される人工心肺装置や大動脈バルーンパンピング装置、体外式ペースメーカーなどの技術提供を行っています。土日以外は、毎日手術が行われており、担当スタッフは3チーム制で3列の手術にも対応しています。
循環業務
人工心肺の操作
心臓カテーテル検査室では、シネアンギオ室3室にて心臓カテーテル検査や経皮的冠動脈形成術、ペースメーカー関連の業務を行っています。また、ペースメーカー外来業務も行っています。
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心臓カテーテル検査室業務

呼吸療法業務

人工呼吸器の準備、病棟ラウンド、呼吸器回路の交換等を行っています。また、在宅で人工呼吸器を使用する患者様のご家族への指導なども行っています。
呼吸療法業務

血液浄化業務

透析療法室は、30床で日曜日を除く毎日、午前午後の2クールで外来・入院患者様の透析を行っています。臨床工学技士は、透析装置の操作および保守を行っています。また、集中治療室等での出張透析は主にCHDFで対応しています。
血液浄化業務

血漿交換療法室は、7床で膠原病・リウマチ内科のもと各種アフェレシス療法を行っています。当院は、世界トップレベルの施行件数を誇っています。われわれ臨床工学技士は、アフェレシス装置の操作および保守を行っています。
血液浄化血漿交換業務

機器管理

院内で使用された医療機器の点検や修理を行い、常に安全に使用できるように日々業務を行っています。管理している医療機器は、人工呼吸器、心電図モニタ、輸液・シリンジポンプ、パルスオキシメーターなどあります。さらに、医療機器の安全使用の周知徹底を目的とした研修を開催しています。
機器管理業務

内視鏡業務

内視鏡室にて内視鏡検査の介助と内視鏡装置の保守を行っています。
内視鏡業務

吸入療法業務

吸入療法室にて、吸入療法や睡眠時無呼吸検査、CPAP装置の説明と指導を行っています。
吸入療法室吸入療法室
吸入療法室での検査風景吸入療法室での検査風景

手術室業務

手術室内では、脳神経モニタリングや手術支援ロボット装置da Vinciの準備およびトラブル対応を行っています。
手術室業務
手術室業務2
手術室業務3

安全管理

上記の業務のほかに、医療機器を動かすための病院設備についても担当しています。医療機器を動かすには電気や医療ガスが必要です。安心して医療機器が使用できる環境作りも技士の業務です。また、高度かつ精密な医療機器の操作を専門に行っている部門でもあります。さらに、医療機器を安全に使用していただくために、医療従事者を対象とした勉強会も定期的に開催しています。
より安全な医療を患者さんに提供できるように、と思いながら業務しています。
 
われわれ臨床工学技士は、医療機器のスペシャリストとして安全な医療が行えるように日々貢献しています。いわば臨床工学技士は最新医療の縁の下の力持ち的存在なのです。