耳鼻咽喉・頭頸科

新しい人工内耳EAS(Electric acoustic stimulation)

耳鼻咽喉・頭頸科 古川 正幸

1985年に日本で人工内耳手術が初めて施行されてから31年が経過しました。本邦の患者数は1万に達し、人工内耳はすでに重度難聴者への治療として普及した医療といえます。
従来は内耳に人工内耳の電極を挿入することにより、元々の内耳の形態や機能は失われると考えられていました。1999年von Ilbergらが低侵襲の手術を行うことにより残存聴力を保存し、低音部は音響刺激、高音部は人工内耳で聞き取るいわゆるEAS (electric acoustic stimulation)が可能であることを報告しました。その後細くてしなやかな電極の開発、より低侵襲な手術法の検討が進められた結果、安定的に残存聴力が保存できるようになりました。
現在では残存聴力活用型人工内耳は、低音部に残存聴力を有する高音急墜型の聴力像を呈する難聴患者に対する標準的な医療として定着しつつあります。当院でも2015年1月に初めてEASが重度難聴者に施行されました。
補聴器装用効果が不十分で難聴でお困りの患者さんは、耳鼻咽喉・頭頸科にご相談ください。

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