〜6人にひとり〜 この数字は、米国の男性が前立腺がんにかかる確率とされています。日本ではどうかというと、実ははっきりとはわかっていません。しかし昨今、前立腺がんの患者数は確実かつ急速に増えています。一方、以前は進行がんとして発見されことがほとんどであった前立腺がんは、たったひとつの検査のおかげで、今では早期のうちに発見にて治療に臨むことができるようになってきています。 この早期発見に欠かせないのが、PSA(前立腺特異抗原)という腫瘍マーカーの存在です。特別な検査ではありません。ただ血液を調べるだけです。そしてこのPSAは。CTスキャンやMRIといった検査に比べて圧倒的な鋭敏さと精度、そして信頼度をもっています。一般にはタンデム測定という方法が用いられ、正常値は4以下です。疑わしい結果の出た方、すなわち4を超える値が得られた方には、前立腺の触診や超音波検査などと併せて、生体組織検査というものを行ってがん細胞の存在を確定します。当科では、年間約400人近い方々にこの検査を行っています。PSA値4-10をグレイゾーンといい、この段階でのがん発見率は20-25%とされています。当院での発見率は約35%です。 前立腺がんが早期に発見された場合、治療法は根治的手術をはじめ体外照射・小線源療法等の放射線治療・注射やお薬によるホルモン治療などいろいろな選択があります。当科では、病状を説明申し上げた後、患者さんの意思を尊重し、個々の状態を十分考慮の上で治療法を決定しています。 |