1990年頃より再生医療という新しい研究
領域が出現し、心臓血管外科領域でも、
2000年前後からその臨床応用が試みられる
ようになりました。(1)血管内皮増殖因子
や線維芽細胞増殖因子などの血管増殖因子を
用いた遺伝子治療、(2)骨髄単核球細胞や
骨格筋芽細胞による細胞移植療法、などの臨
床応用が開始され、これまで一定の成果が挙
がっています。当院でも、線維芽細胞増殖因
子を虚血に陥った心筋内にゆるやかに投与することにより組織に血管新生を誘導する新た
な治療法を、年内をめどにして開発中です。これによって、現在の標準治療である心臓カ
テーテル治療や冠動脈バイパス術に適さない重症の虚血性心疾患の患者さんの症状や予後
の改善に貢献できるものと考えています。 |