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教授 池田 勝久 |
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准教授 横山 純吉 |
1. 超選択的動注療法とは
がんは動脈より栄養を受け増大するため、がんの動脈は発達しております。動注療法はがんを養う動脈に抗がん剤を投与し、治療効果を上げ全身の障害を軽減する強力な治療法です。以前の動注療法と異なり、がんの栄養血管の確認がCTアンギオで3次元的に可能となり、合併症を軽減し、良好な治療成績が得られております。対象は巨大な手術不能な頭頚部がん(頭蓋底、鼻、口、咽喉のがん、リンパ節転移)と目、舌、喉頭など臓器温存症例です。高齢者などの全身状態不良例も適応です。本法により全身障害を軽減し、臓器温存と良好な生存が得られました。図左に本法の原理と右に切除不能の予後不良な顎下腺がんの治療前と治療後を示しております。
2.高い組織内抗がん剤濃度と優れた局所制御
がん組織内の抗がん剤濃度は本法では点滴法に比ぺ5倍以上、通常の動注法の2倍以上であり、更に一週毎の投与により強力な治療効果が得られております。従来の治療法で治らない切除不能の巨大な下咽頭がんが、本法では40%の生存率です。喉頭全摘される局所進行喉頭がんが、本法では80%以上の喉頭温存が可能となっております。
図の説明
超選択的動注法の模式図(左)
右上は切除不能で、皮膚に浸潤し出血に悩まされた治療前、右下は治療後で食べるととも話すとともできる。
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