順天堂医院の先進医療

先進医療とは

先進医療は、国民の安全性を確保し、患者負担の増大を防止するといった観点も踏まえつつ、国民の選択肢を拡げ、利便性を向上するという観点から、将来的な保険導入のための評価を行うものとして、保険診療との併用を認めることとされているものです。

有効性及び安全性を確保する観点から、医療技術ごとに一定の施設基準を設定し、施設基準に該当する保険医療機関は届出により保険診療との併用ができることとされています。

「先進医療に係る費用」については全額自己負担

平成28年11月1日現在

先進医療を受けた時の費用は、次のように取り扱われ、患者さんは一般の保険診療の場合と比べて、「先進医療に係る費用」を多く負担することになります。

  1. 「先進医療に係る費用」は、患者さんが全額自己負担することになります。
    ※詳細な金額については「当院で実施している先進医療一覧」をご参照ください。
  2. 「先進医療に係る費用」以外の、通常の治療と共通する部分(診察・検査・投薬・入院料等)の費用は、一般の保険診療と同様に扱われます。一般保険診療と共通する部分は保険給付されるため、各健康保険制度における一部負担金を支払うこととなります。
  3. 患者さんは「先進医療に係る費用」+「各健康保険制度における一部負担金」をお支払い頂くこととなります。

当院で実施している先進医療一覧

角膜ジストロフィーの遺伝子解析

角膜ジストロフィーは、両眼性・新興性に角膜混濁をきた遺伝性の疾患で、様々な病方があります。この先進医療で角膜ジストロフィーに関連する遺伝子の解析を行うことで、病型の確定診断が可能となり、発症の時期、予後の予測や治療方針の決定に役立てることが出来ます。

先進医療に係る費用:19,780円

神経変性疾患の遺伝子診断

脊髄小脳変性症は、小脳や脊髄の変性によって運動障害、歩行障害、言語障害などを起こす病気です。この先進医療で遺伝子解析を行うことで、脊髄変性症の一部(約6割)の診断が可能となります。これによって症状の種類や進行の程度についてより詳細な判断や予測が出来るようになり、治療に役立てることが出来ます。

先進医療に係る費用:19,100円

多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術

単焦点眼内レンズの焦点は遠方又は近方のひとつであるのに対し、多焦点眼内レンズはその多焦点機構により遠方及び近方の視力回復が可能となり、これに伴い眼鏡依存度が軽減される。術式は、従来の眼内レンズと同様に、現在主流である小切開創から行う超音波水晶体乳化吸引術で行います。

先進医療に係る費用:397,280円
担当診療科:眼科

ペメトレキセド静脈内投与及びシスプラチン静脈内投与の併用療法

完全に切除された非扁平上皮非小細胞肺がんに対する、術後の補助的化学療法として用いられます。ペメトレキセド(PEM)+シスプラチン(CDDP)併用療法は、3週ごとに4回投与します。標準治療であるビノレルビン(VNR)+CDDP併用療法と比較検証し、効果の高い投与法を確立します。PEM+CDDP併用療法は、進行非扁平上皮非小細胞肺がんに対する有効性、および安全性が確立した治療であり、標準的なVNR+CDDP併用療法と比較して、生存期間を延長する効果が期待されています。なお、医薬品ペメトレキセド(PEM)は製薬会社より無償で提供されます。

先進医療に係る費用:2,290円
担当診療科:呼吸器内科

コレステロール塞栓症に対する血液浄化療法

コレステロール塞栓症とは、コレステロール結晶が末梢の小動脈に詰まり、臓器障害などが発生する疾患です。主な症状は急性進行性の腎障害で、救命できても人工透析が必要になるケースが多くみられます。この先進医療は、体外循環による血液浄化療法と薬物治療の併用により腎機能障害を軽減させ、人工透析までの期間を延長させることができます。

先進医療に係る費用:0円
担当診療科:腎・高血圧内科

パクリタキセル静脈内投与(1週間に1回投与するものに限る)及びカルボプラチン腹腔内投与(3週間に1回投与するものに限る)の併用療法 上皮性卵巣がん、卵巣がん又は原発性腹膜がん

卵巣がん、卵管がんおよび原発性腹膜がんに対する標準的な化学療法は、パクリタキセルとカルボプラチンという抗悪性腫瘍薬を静脈に投与する治療法です。局所麻酔または硬膜外麻酔下の小開腹を行い、腹腔ポートを留置します。このポートより、カルボプラチンを腹腔内に直接投与します。また、全身化学療法としてパクリタキセル経静脈内投与を併用します。この化学療法は21日間を1コースとして行い、計6サイクルを行います。高度医療に係る費用のうち、試験薬剤は無償提供されます。

先進医療に係る費用:6,110円(6サイクル/1コース)
担当診療科:産科・婦人科

アルテプラーゼ静脈内投与による血栓溶解療法

急性脳梗塞を起こした患者さんに対し、発症後4.5時間以内の場合や睡眠中発症など、発症時刻が明らかでない急性脳梗塞に対し、有効な治療方法です。頭蓋内出血の危険性が低い患者さんに対してこの治療を行うことで、後遺症を最小限に抑えられることが期待されます。

先進医療に係る費用:0円
担当診療科:脳神経内科

前眼部三次元画像解析

前眼部三次元画像解析は、眼球組織を非侵襲かつ非接触で、眼球の断面像を得る事ができ、角膜・隅角・虹彩などの病変及び前眼部の光学的特性を三次元かつ正確な数値で解析できる眼球検査法です。当院では、TOMEY社のスウェプトソースOCT(Optical Coherence Tomography:光干渉断層計)「CASIA」を用いて、この検査を実施します。

先進医療に係る費用:3,500円
担当診療科:眼科

家族性アルツハイマー病の遺伝子診断

全アルツハイマー病のうち遺伝子によるものは1パーセント以下ですが、若年性アルツハイマー病の場合、遺伝子が原因である頻度は高くなります。この先進医療で遺伝子検査を行うことで、遺伝子が原因であるアルツハイマー病の約6割の診断が可能になります。これによって症状の種類や進行の程度について正確な判断や予測ができるようになり、治療に役立てることができます。

先進医療に係る費用:30,000円
担当診療科:脳神経内科

難治性高コレステロール血症に随伴して重度尿蛋白を呈する糖尿病性腎症に対するLDLアフェレシス療法

糖尿病性腎症は予後が悪く、新たな透析導入患者の約45%を占めています。また、血液中のLDL値が高い状態が続くことでも、腎臓の機能が低下することが知られています。血液中のLDLを取り除くLDLアフェレシス療法を実施することで、尿蛋白の改善や、腎機能保護作用が期待されます。LDLアフェレシス療法は週に1~2回施行し、合計10回行います。

先進医療に係る費用:1回 300円
担当診療科:腎・高血圧内科膠原病・リウマチ内科