アスベスト・中皮腫外来について

はじめに

この外来は、今、社会的問題となっているアスベストと中皮腫の問題に、より専門的に取り組むために、開設致しました。患者さんのニーズにあったコンサルテーション及び先端医療を提供していきたいと考えております。

アスベスト・中皮腫とは

アスベスト・中皮腫とは、アスベスト暴露との綿密な関係のある胸膜(時に腹膜)に発生する中皮細胞由来の腫瘍です。

診断

胸部CT検査で胸膜病変の有無を調べます。さらに、必要な場合、胸腔鏡下生検を行い組織診断が行われます。同時に胸水検査も行います。早期に腫瘍を発見するための血清マーカーなどの診断技術の開発は目下の急務であります。私たちは、その血清診断の開発も現在進めております。

治療

早期の場合、外科的治療+放射線化学療法が可能ですが、進行した場合は化学療法のみが通常行われます。

アスベストについて

アスベスト(石綿)は、天然にある鉱物繊維です。鉱山より岩を掘り、砕き、その中にある繊維を集めて作ります。1本の繊維の太さは髪の毛の1/5000くらいです。燃えず、腐らず、酸やアルカリに強く、引っ張りにも強く、保温性にも優れた性質を持っています。このため、「奇跡の鉱物」と呼ばれ、発癌性が指摘されるまで、数え切れないほどさまざまな用途に使われてきました(建造物材料、床タイル、ブレーキなどの摩擦材、アスファルト混合、断熱材、保温材、紡織品、パッキング・ガスケットなど)。

アスベストを吸うとどうなる?

目に見えないアスベストを吸いこむことで、20年~50年後に、石綿肺、肺がん、中皮腫などの病気になる可能性があります。アスベストの産出から製品の製造、運搬、加工、現場での使用に携わる労働者以外にも、その家族、工場近隣の住民なども暴露を受けている可能性があります。

中皮腫について

息切れ、胸痛、咳などで見つかり、肺を取り囲む「胸膜」、胃・腸を囲む「腹膜」などに出来る悪性の腫瘍です。一般的に早期に診断することが難しく、また、極めて有効な治療法は確立されておりません。

臨床研究について

われわれは、中皮腫患者の血液中に分泌されるある特定の分子を測定することで、中皮腫の早期診断を目的とした研究を進めています。
今後、外来に来られた患者さんのご協力(採血)を得て、臨床応用実現に向けて邁進したいと考えております。詳しくは、診察時に御説明申し上げます。

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