患者さんへのご挨拶

病理検査では診療科から提出された検体を適切な処理をし、診断をおこなっております。われわれの顔は見えませんが、検体個々を大切にし、取り違えや間違えなく診断に苦慮しない美しい標本作成を心掛けて参ります。

センター概要

前身である病理診断部は2006年4月臨床検査部より独立し、2018年5月に病理診断センターと改名致しました。現在のセンター長は2023年4月から林 大久生准教授が拝名されました。
 
病理診断センターに提出される検体数は年間に組織診約21000件、細胞診約15000件、術中迅速病理診断約1800件、病理解剖は約60体となり、常勤医として病理専門医10名を含む13名、細胞検査士10名を含む臨床検査技師16名、事務員1名、用務員1名で運用されています。

業務概要

病理診断センターは人から採取した臓器を扱う部門(①組織診)、剥離・吸引・排出した細胞を扱う部門(②細胞診)、病理解剖をおこなう部門(③剖検)の3つに分けることができます。

①組織診は患者さんから採取された検体、もしくは手術で摘出された臓器をまず固定液(ホルマリン)を使用し、検体をできるだけ生体に近い状態に保ち(固定)、その検体・臓器をスライドガラスに入る大きさに切りわけ、パラフィンブロック(成書参照)を作成して細胞同士が重ならない程度に薄く切り(薄切)、色を付け(染色)、顕微鏡で細胞像を観察し診断をおこなう検査です。また、術中迅速診断という術中に取り出した臓器をその場で凍結して薄切、染色し、「悪性」「良性」かどうか、あるいは、その広がり、転移などの診断を約10分以内におこなう検査があります。組織最終診断は病理専門医の資格を取得した医師がおこなっています。

②細胞診は剥離・吸引・擦過(婦人科材料・痰・尿・胸水・腹水)した細胞を集め、または直接スライドガラスに塗抹し、色を付け(染色)、顕微鏡で細胞を一つ一つ観察し診断をおこなう部門です。細胞診は人体に余り侵襲がなく、組織診より標本作成や診断が早いのが特徴となっています。細胞診は細胞検査士の資格を持った検査技師と病理専門医とのダブルチェックで診断をおこなっております。

③剖検は病理解剖といい、当病院で治療を受けつつも残念ながら亡くなられた患者さんの死因究明、治療効果や腫瘍の広がりなどを検索するのにおこなわれます。
病理診断センター01
病理診断センター02
病理診断センター03

病理検査の種類

(1)組織診検査

病理検査ではH.E染色という必ずおこなう染色があります。これは細胞の核をヘマトキシリン、細胞質をエオジンという色素を用いた染色法であり、組織のいろいろな形態(悪性腫瘍、良性腫瘍、炎症)を観察するのに非常に適しています。また特殊染色といわれる染色もあり、それは膠原線維、細網線維、弾性線維、粘液、細菌などいろんな生体内成分に色を付けて染め分け、わかりやすくすることもできます。

診断の補助として体内の特定のたんぱく質をターゲットに抗原抗体反応を利用して可視化する方法である免疫組織化学や特定の遺伝子(DNA,RNA)をターゲットに可視化する方法in situ ハイブリダイゼーションという方法も病理診断センターでおこなっております。免疫組織化学で必要な抗体の数は100種類以上取り揃え各疾患に対応しています。
組織診検査01
組織診検査02
組織診検査03
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組織診検査06
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組織診検査09
組織診検査10
組織診検査11
組織診検査12

(2)細胞診検査

細胞診とは、患者さんから採取した細胞をスライドガラス上に塗り(塗抹)、色をつけ(染色)、大きさや形状を顕微鏡にて観察し、「良性」、「悪性」を判断する検査法です。検査材料は婦人科領域(子宮膣部、頸部、内膜)、喀痰、尿、体腔液(胸水、腹水など)、脳脊髄液、乳腺、甲状腺、肺、軟部組織など身体の中のあらゆる場所から採取されます。

採取方法としては、吸引、擦過が主で、これらはガン検診などの検査や術後の経過観察、補助的診断に用いられます。侵襲性が低く、患者さんへの負担も少ないため、病理組織診断検査よりも安易かつ迅速な標本作成を実施でき、ガン細胞の検出や予後診断に極めて有用です。
細胞診検査01
細胞診検査02
細胞診検査03
細胞診検査04

(3)術中迅速診断

手術中に行われる病理検査のことで、この検査には早さが求められます。一般的に病理検査は診断がでるまでに丸一日以上必要としますが、この検査は時間にして10分から15分で病理診断結果が手術室まで報告されます。

この結果次第で手術範囲が決まったり、リンパ節の郭清範囲が決まったり、あるいは手術方法が全く変わってしまう非常に大事な病理検査の一つとなります。
術中迅速診断01
術中迅速診断02
術中迅速診断03