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2015.12.27 お知らせ 大学・大学院

【特別座談会】木南学長と鈴木スポーツ庁長官らが語り合う

特別座談会

スポーツで築く豊かな社会
健康づくりと医療費の抑制、生涯学習、国際コミュニケーションなど、さまざまな視点でスポーツの力を有効活用し、人々の幸福で豊かな暮らしを実現するために大切なことは何か。
鈴木大地・初代スポーツ庁長官と、「健康総合大学」を掲げる順天堂大学の木南英紀学長らが語り合った。
【順天堂大学 特別座談会】
鈴木 大地スポーツ庁長官
木南 英紀学長・国際教養学部長
ジョセフ・ショールズ国際教養学部教授
田村 好史国際教養学部先任准教授、大学院医学研究科代謝内分泌内科学准教授・スポートロジーセンター委員長
フランソワ・ニヨンサバ国際教養学部先任准教授、大学院医学研究科アトピー疾患研究センター准教授

社会全体の健康増進と人材育成に貢献する

鈴木 1961年に制定された「スポーツ振興法」が50年ぶりに全面改訂され、2011年に「スポーツ基本法」が施行されました。スポーツ庁は発足したばかりですが、スポーツを通じてみなさんの健康で文化的な生活に貢献するため、環境整備と情報発信に努めることが我々の仕事です。

木南 順天堂大学は医学部スポーツ健康科学部医療看護学部保健看護学部国際教養学部の5学部3研究科6附属病院からなる「健康総合大学・大学院大学」です。さまざまな学問領域で健康について研究し、そうした研究に資する人材を育てるため、行政や企業、あるいは他大学とも連携を進めています。

鈴木 スポーツが健康に役立つことは、多くの人が経験的に知っています。今後はよりエビデンス(証拠、根拠)に基づく発信ができれば、人々の行動変容を促し国民医療費の増大を抑え、ひいては社会の活力を維持することにもつながると期待しています。

田村 たとえば生活習慣病の予防や医療経済にスポーツがどう役立つかというエビデンスはまだ不足しています。健康づくりに関する「エビデンスに基づく政策」を目指す上で、「スポーツと医学の融合」による予防医学研究を推進する本学のスポートロジーセンターなどの研究機関が協力できる部分は、より重要視され広がるのではないでしょうか。

木南学長

木南英紀 学長・国際教養学部長
1943年生まれ。68年岡山大学医学部卒業。徳島大学助教授などを経て88年本学医学部教授(生化学第一講座)。2001年本学医学部長、大学院医学研究科長に就任。08年から現職。医学博士、本学医学部名誉教授でもある。

鈴木スポーツ庁長官

鈴木大地 スポーツ庁長官
1967年生まれ。93年本学大学院体育学研究科コーチ学修了。水泳の背泳選手として86年アジア大会、87年ユニバーシアードなどで優勝、88年ソウル五輪で金メダルに輝いた。2015年10月、スポーツ庁の初代長官に就任。体育学修士、医学博士。
木南 もうひとつ、スポーツの役割として挙げられるのがグローバル人材の育成です。本学ではスポーツ健康科学部と国際教養学部が一体となって、世界できちんとものが言える、高いコミュニケーション力を備えた人材の育成に努めています。

鈴木 それは大切な視点ですね。スポーツは言語を超え、世界とつながるための有用なツールです。国としても現在、途上国を中心とした100カ国・1千万人以上を対象に、スポーツを通じた国際貢献事業に取り組んでいます。

ショールズ グローバル人材を育てるというのは、目に見える組織や枠組みをつくることだけではないと思います。今年、陸上の国際大会の事前キャンプに本学の学生がボランティア通訳として参加し、人生観が変わるほどの刺激を受けたそうです。そのように個人に働きかけて意識を高める、目に見えないグローバル化も重要ではないでしょうか。

鈴木 同感です。日本では今後もスポーツの大きな国際大会が続くので、学生のみなさんにもぜひさまざまな体験をしてほしいと思います。

ニヨンサバ  私が高校を卒業して中国に留学したとき、現地の学生はほとんど英語ができず、私の中国語も未熟で、初めはうまくコミュニケートできませんでした。ただ幸いなことに私はスポーツをやっていたので、一緒にプレーすることですぐに仲間ができました。先ほどスポーツは言語を超えるという鈴木長官の言葉がありましたが、 私も心からそう思います。

フランソワ・ニヨンサバ先任准教授

フランソワ・ニヨンサバ先任准教授
国際教養学部先任准教授、
大学院医学研究科アトピー疾患研究センター准教授

国際競技力の向上をスポーツ振興につなげる

田村好史先任准教授

田村好史先任准教授
国際教養学部先任准教授、大学院医学研究科代謝内分泌内科学准教授・スポートロジーセンター委員長
鈴木 人材育成や国際貢献、あるいは国民の健康増進にスポーツを役立てることが私たちの使命であり、そのためには国際競技力の向上やトップアスリートの育成も重要なテーマです。日本人選手の華麗な技を見て一般の人が体を動かしてみようと思う、あるいは若い選手が世界に夢を広げる。そうした好影響は計り知れないからです。

木南 そうですね。同時に性別や障がいの有無にかかわらずあらゆる人が自分の能力や環境に合わせてスポーツを楽しめるようサポートしていくことも大切です。本学には、女性アスリート特有の健康問題や競技力の向上について考える女性スポーツ研究センターがあり、附属病院には女性アスリート外来があります。また、障がい者には、本学の認定スポーツドクターや専門医が競技を問題なく行えるよう体調管理を支援していきます。

田村 突き詰めていえば、年代や性別、障がいの有無など、個人の状況と能力に合わせたテーラーメイド的サポートこそが必要ですので、今後も私たちは医学・スポーツの分野で臨床・教育・研究を進めたいと思います。
ショールズ 国際コミュニケーションを専門とする立場でいえば、スポーツと外国語学習には似たところがあり、早い年代で良い出会いをすることで、誰のなかにもある力を伸ばしていくことができます。スポーツ庁がその先導役として、若い人にたくさんの機会を用意してくださることを期待します。

ニヨンサバ スポーツをすることのメリットは、競技の技術が上がることだけではありません。最近も私は時間があればジムで汗を流していますが、普段とは違う分野の人たちと接することで新しい発想が生まれることもあります。大学の仕事でたまったストレスも解消できます(笑)。

鈴木 もちろん練習に励んだからといってすべての競技者が世界のトップになれるわけではないですが、生涯の楽しみとしてスポーツを続けるきっかけが得られるだけでも素晴らしいことです。その過程で世界の文化に目が向き、海外の友人ができるかもしれない。スポーツには人の幸せに貢献できる多くの可能性があります。今後も各分野の専門家とのチームワークを強め、将来「スポーツ庁ができて良かった」と思っていただけるよう努力したいと思います。

ジョセフ・ショールズ教授

ジョセフ・ショールズ教授
国際教養学部教授
木南 私たちは健康総合大学として、これからも健康増進と予防医学、そして健康に問題が生じた場合に速やかな回復を図る医療技術の研究を進め、その知見を広く世の中に発信していきたいと思います。健康に関する諸問題は、今や「グローバルヘルス」という視点で考えるべき国際的な課題です。スポーツは、その課題に対処する重要な鍵であると、私たちは確信しています。

特別座談会

※朝日新聞(2015年12月27日朝刊)広告特集より

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