05 活動報告

2016.09.10

3年生鈴木隆太郎君、後迫春輝君が、ヘルシンキ大学医学部病理学教室へ短期研究留学しました

基礎研究医養成プログラムでは、所属研究室での活動実績や英語能力により選抜した学生に対して、海外での短期研究留学の旅費支援を行っています。今回、解剖学・生体構造科学講座 栗原秀剛先任准教授のご紹介により、2016年8月に3年生の鈴木隆太郎君と後迫春輝君が、ヘルシンキ大学医学部病理学教室Dr. Sanna Lehtonen Research Groupへの短期研究留学を行いました。

  • 活動報告写真(1)

2017.04.26

鈴木 隆太郎君、後迫 春輝君 ヘルシンキ大学医学部病理学教室短期研究留学体験記を追加

短期留学体験記

鈴木 隆太郎君

ヘルシンキ大学Haatman InstituteのSanna Lethonen教授の研究室では、糖尿病性腎症に対する病態生理学的解明とこの病気の薬の開発を主に行っています。

今回の留学では、Sanna教授の研究室で行っている研究プロジェクトの全体を見学させていただきました。Zebrahishを用いた病気の原因となるタンパクの候補探しから、糖尿病のモデルマウスなどを用いて薬剤の効果を調査しました。

また、ヘルシンキ大学の病理部から糖尿病性腎症の方の腎臓を頂き、標本の作製も行いました。さらに、フィンランド以外の国からの大学院留学生の方の研究を見学し、実験の手技なども勉強させていただきました。

研究室のミーティングでは、日本で自分が行っている研究についてラボのスタッフの前でプレゼンテーションをする機会を頂き、英語で発表を行い、今後のするべき追加実験や参考資料など多くのフィードバックを頂きました。

また研究以外では、週末にラボのメンバーでサウナに入りに行ったり、森などに行きバーベキューなどをすることで、ラボのメンバーとコミュニケーションをはかることができました。

最後に、今回の留学で初めて海外のラボに行かせていただき、英語を共用語として様々な国のラボメンバーが研究の方向性について話し合っている姿を見ました。英語力とプレゼンテーション力の重要性、そして実験手技や研究の進め方など多くのことを学べた実りのある留学になりました。

後迫 春輝君

私は、解剖学・生態構造科学講座の栗原秀剛先生のご紹介により、フィンランドのヘルシンキ大学医学部病理学教室 Sanna Lehtonen Research Group への国外留学をさせていただきました。私が行っている腎糸球体の研究でトップレベルにある研究室であり、この研究室に留学することで先端研究に直接触れる事は、自身の研究のさらなる発展と今後国際的な視野を持って研究を行うために大変有益であると考えました。

研究室では、ラボのメンバー各々が異なった研究をしていたため、多くの教員に指導していただきました。培養細胞を用いた細胞レベルでの解析から、マウスやゼブラフィッシュの遺伝子をノックダウンして腎臓の機能を研究するという流れを一通り学びました。特にラボがターゲットとしている遺伝子であるSHIP2についての研究は、糖尿病のメカニズムを解明する興味深い研究でありました。

また、私の研究テーマである足細胞に発現する新規中間径フィラメント蛋白について、ラボのメンバーの前でプレゼンテーションする機会を頂けました。留学する前に、英語のスライドを作成し、栗原先生と発表練習を積み重ねてきたため、満足のいく発表ができました。自分の研究を英語で発表することは初めてであり、とても貴重な経験になりました。発表後のラボのメンバーとの質疑応答で多くのアドバイスを頂けたことは今後の研究の指針になりました。

腎臓の足細胞を中心とした様々な研究に触れることはとても良い経験になり、研究に対する視野が広がりました。また、日本と海外の研究室を自分の目で比較することができました。今回の留学を糧にして、自分の研究をさらに進め、最終的には論文としてまとめていきたいと考えています。