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2018.1.4 プレスリリース プレスリリース 大学・大学院

カフェインとその代謝産物がパーキンソン病診断のバイオマーカーになる ~ 血液による診断とカフェイン補充治療への期待 ~

順天堂大学大学院医学研究科・神経学(脳神経内科)の藤巻基紀大学院生、斉木臣二准教授、服部信孝教授らの研究グループは、パーキンソン病*1患者血清中のカフェイン*2及びカフェイン代謝産物*39種がパーキンソン病診断のバイオマーカーになりうることを明らかにしました。本成果はパーキンソン病の簡便・低侵襲な診断精度向上に寄与するとともに、体内への吸収方法を改善・工夫したカフェイン投与による予防や治療の可能性に繋がるものと期待されます。本研究は、米国科学雑誌「Neurology」のオンライン版(日本時間2018年1月4日)で公開されました。
本研究成果のポイント
  • パーキンソン病患者(軽症~重症)の血中のカフェイン及びカフェイン代謝産物9種の低下を発見
  • カフェイン及びカフェイン代謝産物はパーキンソン病診断の新規バイオマーカーになりうる
  • カフェイン投与によるパーキンソン病の新規予防・治療法の開発へ
*1 パーキンソン病
進行性の中脳黒質神経細胞脱落を特徴とする神経変性疾患で、現在のわが国の患者数は14万人とされるが、高齢になるほど発症率が高まるため、2030年には全世界で3000万人が罹患すると予測されている。

*2 カフェイン
世界中で最も消費されている精神興奮作用を持つ化合物で、アデノシン受容体(A1およびA2Aサブタイプ)拮抗作用を持ち、本作用により神経細胞への興奮作用を示すとされる。カフェインはヒト体内で合成することはできず、シトクロムP450であるCYP1A2によりその95%が分解される。心血管系への作用、抗腫瘍作用、神経保護作用等が報告されているが、とくに男性パーキンソン病患者での発症予防・症状改善効果が強く示唆されている。

*3 カフェイン代謝産物と代謝酵素
外界から摂取したカフェインは、その約80%がparaxanthineに、残りの20%がtheophyllineまたはtheobromineに代謝され、それを担う主な酵素がCYP(シトクローム)1A2およびCYP2E1である。Paraxanthine、theopylline、theobromineはさらにCYP酵素によって下流代謝産物に分解される。

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