学部紹介 教育・研究の目的と方針(3つのポリシー)

アドミッションポリシー(入学者受け入れ方針)

国際教養学部の教育目的は、持続可能な未来の創造に寄与できるグローバル市民性(Global Citizenship)を涵養することにあります。人類の未来が持続可能であるためには、多様性の確保が必須であり、多文化多言語共生社会の構築に貢献できるグローバル市民が求められます。

本学部では、その教育理念を理解し、「多文化が共存する社会に貢献するグローバル市民」となる資質を備えた、次のような意欲的な学生を求めます。

求める学生像

  1. 多文化理解力を深め、持続可能な未来に貢献しようとする人
    グローバル化した世界の実態や課題及びその背景を理解し、多様な文化や人間に対する知的関心と実践能力を兼ね備え、人類の持続可能な未来に貢献しようとする夢を持つ人(求める要素:知識・技能)
  2. 異文化コミュニケーションを志す人
    自己のアイデンティティと母語能力を基に、論理的思考と豊かな表現力を活かして、外国語を通じて異文化を理解し、相互理解と交流を深めることを志向する人(求める要素:思考力・判断力・表現力)
  3. 自律的学習を続けるグローバル市民を目指す人
    「グローバル市民」として、多文化共生社会に貢献することを目指し、生涯にわたり自律的な学びを継続する意志を持つ人(求める要素:主体的な態度)

大学入学時までに身に付けておくべき教科・科目等

国際教養学部では、大学入学までに高等学校等において、次の教科・科目等を身に付けておくことが望まれます。

  1. 英語及び国語:国際社会において活躍できるためのコミュニケーション能力、基礎的な読解力、表現力、思考力
  2. 社会:国際社会への関心・理解に必要な地理歴史・公民のうち、いずれかの科目についての基礎的な知識
  3. 理科及び数学:生命現象・健康・医療を理解する上で必要となる生物や化学、数学等の自然科学の基礎的知識
  4. 課外活動、ボランティア活動、海外経験等を通じた主体性、自律性、積極性

入学者選抜の基本方針

本学部では複数の入学者選抜方法を組み合わせ、多様な背景を持った学生を積極的に受け入れます。また、高等学校での学修状況や諸活動での取り組み、ボランティア活動なども評価対象に加えて、入学者の受け入れを総合的に判断します。

カリキュラムポリシー(教育課程の編成・実施の方針)

国際教養学部では、「仁」を学是、「不断前進」を理念、「三無主義」を学風とする精神の下、「グローバル市民」を育成する教育課程を、四年間にわたって次のとおり編成します。

【導入期】

  1. リベラルアーツの基礎
    初年次に「国際教養概論~グローバル市民を目指して」を履修し、異文化コミュニケーション、グローバル社会、グローバルヘルスの三つの領域に触れ、これらの領域間の関係性についての理解を深めます。
  2. コミュニケーション能力の基礎
    「リベラルアーツ演習」を通じて、プレゼンテーション及びファシリテーションの技術を実践し、グローバル市民としての基本的なコミュニケーション能力を養います。
  3. 多言語能力の育成
    初年次及び二年次における外国語教育では、「複言語主義」と「言語文化アプローチ」に基づき、
    英語に加えてフランス語、スペイン語、中国語から一言語を選択し、履修します。授業を通じ、異文
    化コミュニケーションの重要性を学び、TOEFL 等の国際標準の語学力測定試験による能力評価を行い
    ます。

    【形成期】

  4. リベラルアーツの深化
    二年次には、健康及び医療を含む幅広い分野にわたる教養基盤科目と外国語科目を学び、文系・理系の区別なく、多様な知識と豊かな人間性・倫理観を培います。
  5. 統合的学修への橋渡し
    二年次より、異文化コミュニケーション、グローバル社会、グローバルヘルスサービスの三領域に関する必修科目を均等に履修します。これにより、学生は各領域の基礎知識を深め、領域間の相互関連性を理解し、社会における複合的な問題解決能力を養います。

    【完成期】

  6. 教養展開科目としての三領域学修
    三年次以降、異文化コミュニケーション、グローバル社会、グローバルヘルスサービスの三領域に関する科目を教養展開科目として設定します。学生は、次に掲げる三つの領域にわたる科目を横断的に履修し、複眼的思考を促す教育編成を通じて、広範な視野と深い洞察力を養います。
    (1)異文化コミュニケーション領域:学生は、異なる文化間のコミュニケーションが内包し、表象する課題について深く理解し、多文化・多言語社会の構築に寄与する方法を学びます。
    (2)グローバル社会領域: 学生は、様々な主体から成るグローバル社会の在り様と、そこで展開されるグローバルな社会的課題、それらの背景や捉え方について学びます。
    (3)グローバルヘルスサービス領域:学生は、生命、身体、健康及び医療に関わる日本及び世界の諸問題について学びます。
  7. 専門的な外国語教育と国際経験の提供
    学生の将来の進路に対応して、「国際共修科目」を設定し、英語を基本とした授業を海外からの留学生と共に履修します。また、フランス語、スペイン語、中国語の上級コースを提供します。さらに、海外留学及び「海外研修プログラム」を通じて実践的な国際経験を積む機会を学生に提供します。
  8. 演習科目による専門性の深化
    三年次及び四年次に設定される「グローバル市民演習」を通じ、学生は指定されたゼミナールのテーマに沿って、個人研究を深めます。
  9. 卒業論文の指導と完成
    学生は、所属ゼミナールで扱う専門分野の知識を基に、必要に応じて他分野の学修を取り入れながら、卒業論文を作成します。この過程を通じて、総合的な問題解決能力及び専門知識の応用能力が育成されます。

    【キャリア形成における2つの柱】

  10. キャリア形成支援の取り組み
    入学直後の初年度より、学生の社会的及び経済的自立を促進するため、キャリア形成支援に焦点を当てた教育を実施します。「キャリア形成支援科目」を正規のカリキュラムとして組み込み、単位化を行います。
  11. 教職課程の提供
    中学校及び高等学校教諭(英語)の1 種免許状取得を目指す学生は、指定された科目を履修し、所定の単位を修得することで、教員免許を得ることができます。

    【学修方法】

  12. アクティブ・ラーニングの促進
    教育手法として、少人数制授業と協同学習を通じて学生の主体性を引き出すアクティブ・ラーニングを推進します。これにより、学生は自ら積極的に学習に参加し、深い理解を促進します。

    【学修成果の評価】

  13. 包括的な学修成果の評価
    学修成果は、授業科目の修得状況に基づく客観的な評価と、コンピテンスの各項目を用いた自己評価により包括的に行います。この評価結果を用いて、教育内容及び方法の継続的な改善を図ります。

ディプロマポリシー(卒業認定・学位授与に関する方針)

国際教養学部では、「仁」を学是、「不断前進」を理念、「三無主義」を学風とする精神の下、「グローバル市民の育成」という教育目標に沿って設定されたカリキュラムを履修し、所定の単位を修得するとともに、次の資質・能力を身に付けた者に対し、「学士(国際教養学)」の学位を授与します。

 

  1. グローバルな視点での知識統合・活用能力
    グローバル化が進む国際社会における人間とその社会的、文化的な営みを包括的に理解するため、自然と人間、生命と健康、人間と社会、世界と日本など国際教養に関わる広範な知識を習得し、それらを統合し、活用する能力
  2. 多文化共生能力
    自分とは異なるアイデンティティを持つ人間や文化を理解する心を涵養し、多様性を尊重するとともに、寛容さを持って相互交流を図る能力
  3. コミュニケーション能力
    母語及び母語以外の言語(外国語)でのコミュニケーション能力を駆使し、多様な人々と繋がり、自らの考えを論理的に説明し、相互の関係を築く能力
  4. 問題発見・解決能力
    グローバル市民として活躍するための基盤となる国際的な教養に加え、文化を超えて活躍できる専門性(異文化コミュニケーション、グローバル社会、グローバルヘルスサービスの三領域)を備え、人類が直面する問題を発見し、解決策を探る多面的かつ柔軟な思考力と行動力