教員紹介 教員詳細

加藤 洋一 研究科長 / 教授(かとう よういち)

担当授業科目:グローバルヘルスサービス

世界保健機関(WHO)は、不健康な食事や運動不足、喫煙などの原因が共通しており、生活習慣の改善により予防可能な疾患をまとめて「非感染性疾患(NCD)」と位置付けています。心血管疾患、がん、糖尿病、慢性呼吸器疾患などが含まれます。
NCDによる死亡で割合が高いのは、「心血管疾患」(48%)で、次いで「がん」(21%)、「慢性呼吸病」(12%)と続き、心血管疾患による年間死亡数は1,700万人(2008年)から2,500万人(2030年)に増加すると予測されています。
“Global NCD Lab”では、心血管疾患の原因である動脈硬化の疫学とメカニズムに焦点を当て、医学部とも協力の上、その予防法の確立と啓蒙についての研究を行います。

卒業生へ向けたメッセージ

順天堂大学国際教養学部第5期生卒業アルバムに寄せて

 

卒業生の皆さん、ご卒業おめでとう。

 

令和5年3月、順天堂大学国際教養学部からは、第5期生として221名の卒業生がそれぞれ新しい世界に旅立ちます。今、卒業を迎え、皆さんの一人ひとりの胸のなかには、学生生活の様々な思い出が去来していることと思います。楽しかったことばかりでなく、辛かったこともたくさんあったことでしょう。特に諸君が1年生の終わりころから感染が拡大した新型コロナウイルスの影響で、思ったような大学生活が送れず、就職活動もままならなかったかもしれません。しかし本学での出会いや、経験した全てのことが、今後の皆さんの大きな力になって行くはずです。どんな些細なことも無駄になることは一つもありません。

アップルコンピューターの創業者であるスティーブ・ジョブズ氏が、スタンフォード大学の2005年の卒業式で行ったスピーチの中に ”Connecting The Dots”という話が出てきます。

  You can't connect the dots looking forward; you can only connect them looking backwards. So you have to trust that the dots will somehow connect in your future. You have to trust in something 
 your gut, destiny, life, karma, whatever. This approach has never let me down, and it has made all the difference in my life.

 

皆さんが社会に出たら、自分の可能性に自ら限界をひかないこと、優先順位をつけてまず行動に移してみる、集中力を養いそして諦めないことがとても大切です。諦めないことの大切さ― 今年のワールドカップスペイン戦、三笘選手のゴールラインギリギリ折り返しからの決勝アシストを見ても明らかですよね ― は言葉では分かっていても、多くの人は「自分にはムリだ」とやる前から諦めたり、「そのうちいつかやろう」と先延ばししたりしがちです。また、やってはみたものの思うように進まないと「この仕事は自分に向いていない」「仕事を辞めたい」とすぐに考えてしまいます。しかし、自らの可能性を信じないまま、いつかできる時が来たらやろうと思っているだけでは「いつか」はずっとやっては来ません。何かをやったときに失敗したり壁にぶつかることは当たり前のことだと思ってください。ジョブズ氏が云うように、先を見通して点をつなぐことはできません。振り返ってつなぐことしかできない。だから将来何らかの形で点がつながると信じて、今やるべきことに全力で取り組むことです。自分の何かを信じ続けることです。直感、運命、人生、カルマ、その他何でも構わないとジョブズ氏は云っています。それが皆さんの人生に大きな違いをもたらすであろうと。 

とはいえ、失敗したり、壁にぶつかると人は誰でも弱気になり(私もいまだにそうです)、何をやってもうまくいかないような錯覚(これは正に錯覚です)に陥ります。そんな時には、是非この卒業アルバムを手に取ってみて下さい。

 

私の好きな松任谷由実の「卒業写真」の歌詞にこんな一節があります。

 

  悲しいことがあると 開く革の表紙

 

この卒業アルバムの表紙が革製かどうか分かりません(多分違います)。

大切なのは次の歌詞でした。

 

人ごみに流されて 変わってゆく私を

あなたはときどき 遠くでしかって

 

皆さんが、順天堂大学を巣立ち、新しい世界に飛び込み、誇りある順天堂大学OB,OGとしてそれぞれの分野で、社会の、そして世界のために活躍されることを、学部長として大いに期待しています。何かに挫けそうになったら、この卒業アルバムの気に入ったページを開いてしばらく眺めてみて下さい。遠くで叱咤してくれるようでもあり、きっと力が湧いてくるはずです。皆さんが自らの力で立ち向かい、幸せで充実した人生を送られることを心より願い、私の贈る言葉といたします。

 

もう一度、ご卒業おめでとう。

 

 

令和5年3月吉日  茶崖にて 
順天堂大学国際教養学部長
加藤  洋一  

加藤学部長の教員インタビューはこちら

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