臨床工学科 STUDENT VOICE
- 医療機器を通じて“命を支える”臨床工学技士を目指して
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- 臨床工学科に進学を決めた理由を教えてください。
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高校時代に医療機器開発支援センターを訪れ、最先端の医療機器に触れたことがきっかけです。そのとき、医療機器を通じて一人でも多くの人の治療に携わりたいという思いが芽生えました。
順天堂大学は、医学と工学をバランスよく学べる一貫したカリキュラムが整っており、4年間で段階的に理解を深められる点に魅力を感じました。
- 臨床工学科で何を学び、どのように成長したいと考えていますか?
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大学では、医療機器の操作や保守点検にとどまらず、知識を応用して活用する力を高めたいと考えています。
また、チーム医療の一員として医療現場を支えるための技術や協働力も磨き、臨床工学技士として成長していきたいと思っています。
- 1年次の印象に残った授業について教えてください。
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「医用機器学概論」が特に印象に残っています。この授業では、医療機器の原理や構造、定義について学び、臨床工学技士に必要な基礎的な知識やスキルを身に付けることができました。また、実際にどのような患者に対して使用されているかを知ることで、知識と臨床の現場とを結びつけて理解することができました。
さらに、災害医療に関する動画を通して、現場での医療チームの動きや課題を学ぶことができ、チーム医療における連携の重要性を実感しました。将来の臨床工学技士としての役割をイメージしながら学習できる点が、この授業の大きな魅力だと感じています。
- 臨床工学科の学びの環境はいかがですか?
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順天堂大学では、医学と工学をバランスよく学べる環境が整っており、教育経験や臨床経験が豊富な先生方から学べる点が魅力です。授業では先生方の体験談や臨床での経験を聞くことができ、それらを将来に活かせると感じています。
また、基礎分野から学んで土台を築き、その上で専門分野へと段階的に知識を深められるカリキュラムが整っているため、理解を着実に積み重ねることができます。さらに、学生同士で切磋琢磨しながら学べる雰囲気もあり、キャンパスライフを充実させつつ、臨床工学技士を目指して成長できる環境が魅力だと思います。
- 今後取り組みたいことや、将来の目標を教えてください。
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私は将来、医療機器の効率や機能性を高めることで、より多くの疾患に対応し、医療機器を通じて多くの患者さんの治療に貢献したいと考えています。そのために、大学では基礎知識を確実に身に付け、専門知識を実践の場で生かしながら、患者さんが安心して安全に治療を受けられる臨床工学技士を目指します。
さらに、チーム医療の一員として仲間と協力し合い、現場で信頼される存在となることを目標としています。知識や技術の習得だけでなく、人とのつながりや協働を大切にしながら成長していきたいです。
2025年入学/関 颯汰 さん(福島県立相馬高等学校 出身)
- 「臨床工学技士」という職種との出会いが未来を変えた
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- 臨床工学科に進学を決めた理由を教えてください。
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中学生の頃から医療ドラマをきっかけに、漠然と医療の道に興味を持っていました。高校2年生の進路選択の際、医師や看護師以外で患者さんの治療に直接関われる仕事を調べる中で、「臨床工学技士」という職種を知りました。医療機器の操作を通じて命を支えるこの仕事に強く惹かれ、詳しく学びたいと思うようになりました。
順天堂大学では、病院実習をはじめとした実践的な学びを通じて、最先端の医療現場を体験できます。チーム医療の一員として信頼される臨床工学技士に成長できる環境だと感じ、進学を決めました。
- 2年次の印象に残った授業について教えてください。
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特に面白いと感じたのは「医用治療技術学Ⅰ」です。この授業では、電気メスや除細動器、心臓ペースメーカなどの治療機器の原理について学びました。正直に言うと、前期の中でも最も勉強が大変だった科目ですが、医療機器が「なぜ・どうやって」動くのかを知ることができ、とても興味深かったです。
たとえば、「電気メスがどのような原理で皮膚を切開できるのか」や、「除細動器やペースメーカの種類やモードがどのように病気に適応するか」といった内容は、好奇心を刺激されました。
この授業を通して、医療機器への興味がさらに深まり、自分の中で特に関心のある分野が見えてきた実感があります。臨床工学技士としての将来像がより具体的になった、そんな授業です。
- 今後、さらに学びたい分野について教えてください。
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現在は、心臓に関わる医療機器を扱う循環器分野に関心があります。心疾患は日本人の死因でも上位に入り、これからも多くの人が治療を必要とする分野です。授業でペースメーカについて学んだ際、機器の種類や設定が患者さんによって異なることを知り、「機器を通じて一人ひとりに合った治療に貢献できる」という臨床工学技士の役割に魅力を感じました。
チーム医療の一員として、こうした治療機器のスペシャリストを目指して学びを深めたいと思っています。
- 臨床工学科の魅力を教えてください。
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臨床工学科の魅力は、6つの附属病院を活かした実践的な学びができる点だと思います。大学と医療現場との距離が非常に近いため、最先端の医療機器やチーム医療の現場を間近で体験できる実習や学習環境は、大きな強みだと思います。
また、先生方や先輩方との距離が近く、質問や相談がしやすい雰囲気があるのも、安心して学びに集中できる点だと感じています。
- 大学の学びを通して自分が成長したと感じる点を教えてください。
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大学での授業や活動を通じて、専門的な知識の習得だけでなく、積極的に先生方に質問したり、友人と意見交換をすることで、コミュニケーション力や理解力が高まったと感じています。
また、オープンキャンパスの企画スタッフとして責任を持って役割を果たした経験から、協調性や責任感も身に付いたと感じています。
- 将来の目標を教えてください。
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将来は、患者さん一人ひとりと真摯に向き合い、責任感を持ってチーム医療の一員として信頼される臨床工学技士になりたいです。
2024年入学/武藤 結奈 さん(昭和学院高等学校 出身)
- 研究の面白さを知り大学院進学を決意
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- 臨床工学科で特に関心を持って取り組んだ学びについて教えてください。
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臨床工学科では、医療機器の仕組みや安全な運用について幅広く学びました。特に、尿毒素に関する研究を通じて、知識を臨床に活かす大切さを実感しました。
また、臨床実習では透析治療などを体験し、患者さんに寄り添う姿勢の重要性を学びました。研究と実習の両方を経験できたことで、臨床工学の奥深さを実感しています。
- 卒業研究のテーマについて教えてください。
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【題名】 慢性腎不全患者からの蛋白質結合性尿毒素の効率的除去
【指導教員】 六車仁志 教授、滑川 亘希 講師
【研究の内容】
慢性腎不全患者の血液中でタンパク質と結合して排泄されにくい尿毒素に着目し、薬剤による解離効果を検討しました。
実験では、試薬の調整や測定方法の確立、データ解析まで一連のプロセスに携わり、計画通りに進まないときも原因を考え改善策を試しながら結果を導き出す面白さを実感しました。
- 研究の面白さや研究を通して成長した点を教えてください。
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研究を通して、臨床的な課題に対して工学的な視点で取り組む力が身につき、論理的思考力や問題解決力も大きく成長しました。
ゼミ活動や臨床実習で学んだ知識も活かし、理論と実践の両面からアプローチできた経験は、自分の専門性を深めるうえで非常に貴重でした。
- 大学院での目標を教えてください。
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大学院では、学部で取り組んだ慢性腎不全患者の尿毒素に関する研究をさらに発展させ、薬剤による解離効果の仕組みや臨床への応用を探りたいと考えています。血液浄化や排泄促進に関する新しい工学的手法の開発にも挑戦したいです。
また、高度な研究技術やデータ解析能力だけでなく、専門分野を横断した視点や問題解決力も身につけ、ゼミや研究室での議論を通して主体的に課題に取り組む力をさらに高めて、将来的には臨床工学の現場で貢献できる専門性を確立することを目標としています。
- 将来の目標を教えてください。
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大学院で培った工学的知識や研究経験、論理的思考力を活かし、将来は医療機器メーカーや研究機関で患者さんの生活の質を向上させる医療機器の開発に携わりたいと考えています。
特に、慢性腎不全など長期治療を必要とする患者さんの負担を軽減し、安全性と効率性を両立した医療機器や治療法の実用化を目指しています。現在、臨床工学技士の資格取得を目指して学んでおり、現場での使用や保守管理の知識を活かして、安全で使いやすい製品づくりに貢献したいです。
また、国際的な学会や共同研究にも挑戦し、多様な医療制度や文化に対応した機器開発にも取り組みたいと考えています。最終的には、臨床工学技士としての専門知識と研究者としての技術力を融合させ、国内外の医療現場と研究をつなぐ橋渡し役として、人々の健康と生命を支える存在になることを目標としています。
2022年入学/榎本 美優 さん(近畿大学附属新宮高等学校 出身)
順天堂大学大学院医療科学研究科 進学