教育 海外研修・国際交流

海外研修・国際交流

グローバルな視点を備えた看護職者を⽬指して 

異⽂化を理解し、グローバルな視点での看護実践や研究の展開、異⽂化看護領域のリーダーに資する基礎的能⼒を養うことを⽬的に、イギリス、タイ、アメリカへの看護研修を⾏っています。
※COVID‐19感染拡⼤による渡航制限下においても、オンライン研修・交流を継続しています。

イギリス

研修先
デモンフォート⼤学
定員
20名程度
対象
2・3年次
期間
14⽇間(予定)
語学⼒を磨きながら看護研修に取り組む

2・3年次を対象に、デモンフォート⼤学⽣命科学部での語学・看護研修を実施します。医療英語やディスカッションなど、様々な課題に取り組み、地域奉仕活動で英語のコミュニティーや⽂化にも触れる有意義な機会になります。
※研修前から研修先の看護学⽣と交流し、情報交換やディスカッションを⾏います。

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参加学⽣の⾔葉
英語による授業のおかけでヒアリング能⼒も向上

英国のレスターにあるデモントフォート⼤学(DMU)で約 2 週間、研修に参加しました。多くの授業は英語で⾏われました。患者さんとのやりとり、疾患など看護に関することはもちろん、ロンドンをテーマにしたプレゼンテーションが課されました。最初は、英語での会話に追いつくことで必死でした。しかし、この授業のおかげでヒアリング能⼒も⾝に付き、DMUの学⽣と会話することも楽しめるようになりました。DMUの学⽣が実習に⾏く病院や 、看護技術の演習をする実習室も⾒学させてもらいました。研修を通して、看護に対する⾃分の世界が広がったと思います。英国の看護や医療について知る中で、私⾃⾝が⽇本の看護や医療についてまだまだ知らない部分があると痛感しました。世界に視野を広げるためには、まずしっかりと⽇本国内で⽇本の看護や医療について学ぶことが重要です。⼤学で学ぶ時間を⼤切にしたいと再認識することができた期間だったと思います。

将来は海外で活躍したいという思いがさらにふくらんだ

私はこの海外研修に参加することを強く望んでおり、想像を超えた多くの経験ができ⼤変有意義な時間が過ごせたと思います。英国の医療や看護の事情、⽇本の状況との⽐較などについて、DMUの教員の⽅々がとても熱⼼に教えてくれました。さらに、DMUで修⼠課程に所属している順天堂⼤学の卒業⽣からもお話しを聞くことができ、⾃分の将来の可能性の広さを知ることができました。看護師として国際的に活動したいと考えていた私にとって、とても重要な出会いになったと思います。この研修での学び、経験、出会いは今後の私の⼈⽣や看護師の将来に⼤きな影響を与えるでしょう。

看護職者に重要な3つのことを教えてもらった

英国での研修期間中は、平⽇は毎⽇午前中に2時間、午後2〜3時間の英語の授業が⾏われました。先⽣が話すのも私たちが答えるのも全て英語です。病院における患者さんとの会話術、病気に関する⽂献の講読などが取り上げられました。病院⾒学や実習では、英国と⽇本の医療や看護の違いを考える機会となりました。看護職者が持つべきものは「知識」「技術」「思いやり」の3つだと説明されたことが印象に残っています。この3つは基礎看護学などのこれまで学習してきた⽇本の看護でも同じように重要なことです。国は違っても看護職に⼤切なことは変わらないということを知りました。DMUの看護学⽣とは2〜3名でバディを組み、英国に出発する前からスカイプを通して交流しており、研修中にもスムーズに接することができたと思います。英国研修に参加したことは、⼤学⽣活のとても素敵な思い出の⼀つとなりました。

タイ

研修先
タマサート⼤学
定員
5名程度
対象
3・4年次
期間
10⽇間(予定)
グローバルな視点を備えた看護師を⽬指して

3・4年次を対象に、タマサート⼤学看護学部での授業参加、シャドーイング実習、医療施設の⾒学などを⾏います。学⽣や看護師と⾏動をともにしながらグローバルな視点を備えた看護師としての成⻑を⽬指します。
※研修前から研修先の看護学⽣と交流し、情報交換やディスカッションを⾏います。

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アメリカ

研修先
マイアミ⼤学、他
定員
5・10名程度
対象
4年次
期間
10⽇間(予定)
自ら英語を使って看護実践や研究に臨む

4年次を対象に、マイアミ大学看護健康科学部、ポートランド州立大学(写真)、医療や看護の講義、シュミレーション学習、シャドーイング実習やホスピスの視察等を実施します。

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参加学⽣の⾔葉
⾝振り⼿振りでも患者さんとコミュニケーションできた

この研修では、「Oatifield Estates and Fanno Creek Communities」(ハイテク利用高齢者施設)での文化交流が最も印象的でした。英語力の自信はありませんでしたが、患者さんと身振り手振りでコミュニケーションをとりながら、折り紙を完成させて喜ばれたときはとても嬉しく思いました。他にも入院型ホスピスや総合病院、小児病院、患者ファミリー支援施設などの医療施設を見学。どの施設にも患者さんと家族が安心して過ごせる環境が整っており、申し送りをベッドサイドで行う施設もありました。講義では、オレゴン州で行われている尊厳死や米国でのヘルスケア、終末期について学びを深めることができ、日本との医療や価値観の違いを理解することができました。今回の研修を機に、さらに他国での医療制度や医療の現状、文化を学びたいと考えています。

交流を通して米国の医療事情や日本との違いなどを理解

この海外研修を通して、米国の医療の特徴や現状を学んだだけでなく、交流を通して人柄や文化も感じることができたと思います。日本の医療施設と異なる部分も多く、見るもの全てが新鮮で驚きの連続でした。例えば、米国の医療施設は「施設」というより、「家」という生活の場に近い環境が整備されており、精神面でのケアを重要視していると感じました。また、病室は普通の部屋と変わらず、棚の中に医療器具が収納してあったり、窓からは庭にある鳥小屋や鳥たちが見えたりと、癒しを与える配慮がなされていました。意外だったのは、面会の制限がゆるやかで、家族や友人と患者さんが接する時聞が大切にされていたことです。特に小児病院では、両親だけでなく兄弟、さらには友人とも面会ができることには驚きました。一方、最新のシミュレーターによる演習では、実践さながらに様々な状況を設定した演習ができ、実習や臨床に臨む前に一層技術を深められると思いました。

海外研修で学んだことを統合実習に生かしたい

米国の子ども病院は、フロアが年齢ごとに分かれ発達段階に応じた工夫が施されており、入院児同士の交流がしやすいと感じました。私は小児看護に興味があり、統合実習でも米国の看護の工夫を取り入れてみたいと思います。また、米国の看護師は、新卒での就職が難しいと知り、日本よりハードルが高いと感じました。卒後に子育てや別の仕事をしながら就職先を探している人も多いそうです。米国の看護や医療を学ぶことができたのと同時に、生活スタイルやコミュニケーションの仕方も学ぶことができたと思います。海外への関心が高まった一方、英語能力の重要さにも気づきました。日本にいても英語を話すことができれば、より多くの患者さんとコミュニケーションをとり多国籍の人に寄り添った看護が実践できるのではと考えています。また、海外研修中に仲間と生活することで、より結束力が生まれたと思います。お互いに協力しながら様々な経験ができたため、とても有意義な研修だったと思います。

米国のホスピスを見学することで緩和ケアのあり方を知った

入院型ホスピス見学の際に、たくさんの緑に囲まれた施設に入った瞬間、私自身とても穏やかになり心が落ち着いたことを思い出します。ホスピスについて説明を聞く中で、子宮頚がんがお腹中に転移してしまった20歳代女性の事例が衝撃的でした。自分と同年代の方が、想像を絶する苦しみの中でも痛みを抑えて結婚式を挙げるという目標を持ち、それを達成して最期を迎えたというのです。ホスピスで挙式を行う為に、疼痛コントロールや腹部バッグを目立たなくするなどのケアが行われていたと聞きました。また、ホスピスには、毎日セラピードッグが来ており、患者さんや家族、スタッフに癒しを与えています。米国では入院期間がとても短いということも日本とは大きく異なる点です。手術を受ける患者さんの場合、手術日当日に来院し術後5時間程で離床、術後2日で退院するということでした。この研修で、世界の医療についても学びたいという意欲が強くなりました。海外での経験を生かし、目標に向かって看護師として働いていきたいと考えています。

患者さんに笑顔で丁寧に接することは世界共通

海外と日本の医療や看護に関する知識が、実際に現地に行って見学し講義を受けることによって深く理解できたと思います。特に、OHSUのシミュレーション施設見学で体験したことが印象に残っています。この施設では、学生はもちろん麻酔科医や外科医などが演習できる手術室や、分娩時の演習ができる部屋が用意されています。モニターによる操作でシミュレーター人形の瞳孔反射を確認したり、脈を触知できたりするのです。より臨床に近い状態を設定して演習できる環境でした。学生交流では、米国の学生は自分の考えや意見をしっかり伝えていると感じました。日本から研修に来た私たち学生に対し、現地の看護学生は臆することなく自分のこと、日本と米国のことなど、様々なことを話してくれました。より実践的な演習を通じて、自分の意見や考えを述べる機会が多いからではないかと考えています。ある病院では、スタッフの笑顔や丁寧な対応によって患者さんや家族が安心できるという話を聞きました。笑顔で丁寧に対応することは日本でも米国でも同じだと思います。私もそのような接し方ができる看護師を目指そうと考えています。

米国の看護学生は日本と比べて知識や経験も異なる

OHSU看護学部学生との交流は刺激的でした。他国の看護学生と交流する機会は初めてでしたが、国によって看護師の在り方が異なると感じました。まず、看護学部で学ぶ学生の年齢層や経験が異なります。OHSUの看護学生は平均年齢が約27~29歳で、私が話をした学生は既婚者でした。また、約50%の学生が看護学校に通う以前に他の文系などの学部の大学を卒業しており、日本の看護学生とは知識や経験の幅が異なる印象でした。看護師として就職する際も新卒者よりも経験者を優先して採用することが多いようで、新卒者の就職はとても困難であるようです。医療施設見学でも多くの気づきがありました。例えば、日本の病院では個室よりも室料の安い多床室が多く存在します。一方、米国では個室が多く部屋の間取りも広いのです。価値観や生活習慣等の違いが病院の構造にも大きく影響しているのでしょう。また、寄付の習慣が根付いていたことにとても驚きました。見学に行った病院や施設の多くは寄付金で購入した生活物品や寄付された様々な品がありました。日本の医療を学ぶことも大切ですが、他国の環境を実際に見て比較することから日本の良さや改善点などを見いだすこともできると思います。

English Cafe

ネイティブ講師による1対1~3人の英会話レッスン、昼休みを利用して発音矯正、旅行英会話、英語資格試験、英文添削などのレッスンをオンデマンドで提供しています。

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国際交流プログラム

デモンフォード大学をはじめ、様々な大学から学生の研修を受け入れ、学生が共に学び、グローバルな経験ができる機会を設けています。研修生の授業への参加や附属病院でシャドーイング実習をサポートします。

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国際交流講演会・ワークショップ

学部・大学院研究科、附属病院が共催し、海外で活躍している講師を招いて講演会や国際ワークショップなどを開催。様々な国における多彩なテーマが設けられ、講演会後には意見交換が活発に行われます。

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