教員紹介 教員詳細

伊藤 龍子 教授(いとう りゅうこ)

【学部】小児看護学 【大学院】小児看護学

学位

博士(看護学) 2002年

担当授業科目

【学部】

ゼミナール、医療看護研究Ⅰ、医療看護研究Ⅱ、看護研究、小児看護学概論、小児看護学実習、生涯発達論

【大学院 博士前期課程】

小児看護学特論I(対象論)、小児看護学特論II(サポートシステム論)、小児看護学特論III(援助方法論)、小児看護学特論IV(高度看護実践論)、小児看護学実習、演習、特別研究

【大学院 博士後期課程】

小児看護支援開発特論、看護学演習、看護学特別研究

研究テーマ

  • 小児在宅医療協働モデルの構築
  • 小児救急医療におけるトリアージシステム
  • 小児における看取りの医療
  • 末梢静脈注射の多施設共同データベースの構築と輸液看護
  • 小児における急性期看護および療養支援看護の継続教育
  • 育児支援ネットワークの構築
  • 幼児のSelf-Regulation
  • 子どもの虐待やいじめの対策
  • 日本に在住する外国人の子どもの医療における課題

研究内容

  1. 慢性特定疾患および障害により、医療依存度の高い子どもと家族の長期療養を支援するための小児在宅医療における他職種協働モデルの構築を目指し、そのモデルにおいて看護職が果たすべき役割と機能に関する調査を通して、看護職は協働モデルチームにおいて中心的かつ調整的役割を果たすことが可能であることが示唆されました。そのような看護職の育成のための教育プログラムを構築し、その展開を目指しています。
  2. 小児救急医療におけるトリアージシステムを構築し、トリアージ実践の信頼性、妥当性、システムの有効性を検証してきました。今後も、子どもの生理学的特性からトリアージをより効率的、かつ安全に行っていくためのシステムのサーベイランスを目指しています。また、重症児の集中治療を含む小児急性期看護のあり方について検討しています。
  3. 急性期医療場面における小児の看取りの医療について、生命倫理学の動向を踏まえつつ医療のあり方を探究するための調査を継続してきました。その結果、社会的なコンセンサスが得られにくいため臨床現場の医療者の苦悩が浮き彫りとなり、その苦悩を緩和するためのチーム医療のあり方と看護職の果たす役割について探究しています。
  4. 末梢静脈留置カテーテルを用いた末梢静脈注射について、多施設の実態を調査し、多くの施設ではほとんど看護師が実践、管理していることが判明しました。さまざまな輸液に関連するトラブルを改善し、標準的な輸液管理ができるような看護実践方法について検討しています。
  5. 核家族形態が多い都市部の地域において、初めて育児に携わる母親と父親に対する育児支援のためのネットワークの構築を目指し、また子ども虐待を防止するために女性が妊娠する前からの育児指導のあり方について小児看護学の視点から探求しています。
  6. 最近は日本に在住する外国人が増えており、子どもを抱える家族が子どもの疾患や障害、また予防接種のために医療にアクセスする件数も増えている。外国人の家族は、医療機関の受診等において困難感を感じている。各医療機関における様々な対策について探求しています。

最近の活動と研究(過去5年間)

学会活動
  • 日本VADコンソーシアム世話人
  • 日本小児保健学会代議員 編集委員会委員 専任査読委員
  • 日本小児科学会倫理委員会委員
  • 日本看護科学学会和文誌専任査読委員
  • 日本小児看護学会学会誌専任査読委員
社会活動
  1. 帝京大学倫理委員会委員, 認定臨床研究審査委員会委員
  2. NPO法人 アレルギー児を支える全国ネット アラジーポット サポーター
著書
  1. 日本VADコンソーシアム, 宮坂勝之, 東口髙志, 黒田達夫, 鈴木利保, 森澤雄司, 伊藤龍子, 二村昭彦編:輸液カテーテル管理の実践基準, 南山堂, 2016.
  2. 伊藤龍子.病態を見極めて行動できる 子ども急性期看護 評価・判断・対応.伊藤龍子編著.Ⅰ.子ども急性期看護.1.子ども急性期看護の定義と目的.2.子ども急性期看護における生命倫理.Ⅳ.病態別のアセスメントと看護.1.心肺停止.2.頭部外傷.3.熱傷.4.溺水.5.誤飲・誤食.6.呼吸苦.7.低血糖.8.熱性けいれん.9.嘔吐・下痢.10.紫斑.11.感染症.12.虐待.Ⅵ.日常生活における子どもの危険を回避するための看護.医歯薬出版株式会社.p1-8.p55-114.p123-132.2015.
  3. 伊藤龍子.小児ベストプラクティス フィジカルアセスメントと救急対応.及川郁子監修.西海真理, 伊藤龍子責任編集.Chapter1 子どもの成長・発達の知識. 序論 子どもは大人のミニチュアではない.Section1 子どもの成長.Section2 子どもの発達.Section3 成長・発達の評価.Section4 子どもの健康問題の特徴.Chapter3 危急的状態の子どもの評価.序論 緊急・急変時の看護実践のポイント.Section1 子どもの病態の見きわめ.Extra Lesson 重症度と緊急度の考え方.中山書店.p6-41,p90-106. 2014.
  4. 伊藤龍子.カラー写真で学ぶ子どもの看護技術.伊藤龍子編集.Appendix.小児看護における細やかな配慮.医歯薬出版株式会社.p144-146.2012.
  5. 伊藤龍子.すぐに役立つ小児慢性疾患支援マニュアル改訂版.加藤忠明, 西牧謙吾,原田正平, 武井修治編集.学校生活における慢性疾患の子どもの看護と生活支援.東京書籍株式会社.p16-20.2012.
  6. 伊藤龍子.ケアの根拠第2版 看護の疑問に答える180のエビデンス.道又元裕監修.伊藤龍子責任編集.152 小児救急医療におけるトリアージとは? 154 小児患者のためのプレパレーションは効果的か? 155 小児の効果的な痛みのアセスメントとは? 159 小児医療における看取りとは? 日本看護協会出版会株式会社.p164, p166-167, p171.2012.
  7. 伊藤龍子.母子保健マニュアル改訂7版.高野陽, 柳川洋, 中林正雄, 加藤忠明編集.15-14 トリアージ, 自動体外除細動器(AED)を含む医療安全.株式会社南山堂.p186.2010.
  8. 伊藤龍子.小児救急トリアージテキスト.伊藤龍子, 矢作尚久編集.Ⅰ-2 小児救急医療体制とトリアージ, Ⅰ-3 トリアージの定義と倫理原則, Ⅰ-4 トリアージの目的, Ⅲ-1 トリアージガイドライン, Ⅲ-6 トリアージの設営, Ⅲ-7 トリアージシステムの評価指標と質の改善, Ⅶ 蘇生行為を望まない患者・家族のトリアージ, Ⅷ トリアージシステムにおける医療者の擁護, column 医療従事者と法的責任, Ⅹ 症例によるトリアージ実践例, 医歯薬出版株式会社.p4-6, p23-32, p51-54, p113-120, p127-139. 2010.
  9. 伊藤龍子.ケアの根拠 看護の疑問に答える151のエビデンス.道又元裕監修.伊藤龍子責任編集.128 小児救急医療におけるトリアージとは? 130 小児患者のためのプレパレーションは効果的か? 131 小児の効果的なアセスメントとは? 日本看護協会出版会.p140, p142-143.2008.
  10. 伊藤龍子.新しい小児慢性特定疾患治療研究事業に基づく小児慢性疾患療養育成指導マニュアル.及川郁子監修.伊藤龍子, 及川郁子編集.総論-A 小児慢性特定疾患治療研究事業の概要, 各論-C 慢性呼吸器疾患の概説, 各論-G 糖尿病の概説.株式会社診断と治療社.p3-8, p87-95, p124-133.2006.
学術論文
  1. 橋本美穂, 伊藤龍子. 経口免疫療法の治療過程における食物アレルギーの子どもの母親への支援, 医療看護研究, 14(2), p50-59, 2018.
  2. 古屋千晶, 伊藤龍子. 子どもに関連した“強み”に関する文献レビュー, 医療看護研究, 14(2), p76-82, 2018.
  3. 原口昌宏, 伊藤龍子.心臓外科手術を受けた短期入院患児と家族のための退院指導項目表の作成.心房・心室中隔欠損患児を対象として 第1報.小児保健研究.72(3).p446-451.2013.
  4. 伊藤龍子.小児看護と学校保健の連携と協同.保健の科学.53(5).p324-329.2011.
  5. 伊藤龍子.小児救急看護.救急医学.34(9).p1043-1045.2010.
  6. 伊藤龍子.小児における看取りの医療.小児保健研究.69(5).p614-617.2010.
  7. 伊藤龍子.小児救急外来のトリアージ.ナーシング・トゥディ.26(1).p31-36.2010.
  8. 松下ゆかり, 伊比舞子, 伊藤龍子.手術や検査を受ける思春期早期にある患者の意思表明のための看護.国立看護大学校研究紀要.9(1).p18-27.2010.
  9. 佐藤ゆき, 加藤忠明, 伊藤龍子, 顧艶紅, 掛江直子.出産満足度と育児中の母親の不安抑うつとの関連.小児保健研究.67(2).p341-348.2008.
学会発表
  1. 橋本美穂, 伊藤龍子. 食物アレルギーに罹患している子どもと家族の治療に対する意思決定への支援, 第36回日本看護科学学会, 東京, 2016.
  2. 東口髙志, 宮坂勝之, 鈴木利保, 黒田達夫, 森澤雄司, 伊藤龍子, 二村昭彦. Vascular Access Devices (VAD) に関するガイドライン作成に向けて, 日本臨床麻酔学会 第35回大会, 2015, 神奈川.
  3. 鈴木利保, 東口髙志, 宮坂勝之, 黒田達夫, 伊藤龍子, 森澤雄司, 二村昭彦. 新ガイドラインについての概要と解説, 日本VADコンソーシアム 第1回研究集会, 2016, 東京.
  4. 姉崎久敬, 伊藤龍子, 宮坂勝之. 抹消静脈注射に関する多施設疫学調査, 日本VADコンソーシアム 第1回研究集会, 2016, 東京.
  5. K. Miyasaka, T. Higashiguchi, T. Suzuki, T. Kuroda, Y. Morisawa, R. Ito, A. Futamura. Establishing guidelines for vascular access devices (VAD) in Japan, 16th Parental and Enteral Nutrition Society of Asia Congress, 2015 in Nagoya.
  6. 奥田裕美, 川口洋子, 田島明日香, 藤野明浩, 伊藤龍子. 重症心身障害児の胃瘻周囲皮膚障害と発生要因の探求, 第26回日本小児ストーマ・排泄管理研究会, 2013, 4.
  7. 西田幹子, 玉城久美子, 宮本佳奈美, 村松恵, 西海真理, 伊藤秀一, 伊藤龍子.外来における在宅腹膜透析患児の看護介入方法の検討.第33回日本小児腎不全学会(静岡).2012.10.
  8. 小野原一紗, 渡部貴子, 知田裕子, 宍戸恵里, 伊藤龍子.周産期病棟における過去6か月のバースプランの実態調査.第51回日本母性衛生学会(金沢).2011.11.
  9. 松山香織, 柳澤優, 伊藤龍子.NICUから乳幼児病棟に転棟した患児の在宅療養移行に関する実態調査 第1報.第20回日本小児看護学会(兵庫).2011.7.
  10. 柳澤優, 松山香織, 伊藤龍子.NICUから乳幼児病棟に転棟した患児の在宅療養移行に関する実態調査 第2報.第20回日本小児看護学会(兵庫).2011.7.
  11. 西畠信, 阪井裕一, 船戸正久, 伊藤龍子, 会田薫子.小児救急・集中治療で生じた予後不良例に対する延命治療に関するアンケート第一次調査報告.第24回日本小児救急医学会(東京).2011.5.
  12. 徳山奈美, 萩原絵里, 丸本幸枝, 伊藤龍子.超低出生体重児における経鼻的陽圧管理時の固定方法の検討.第19回日本新生児看護学会(横浜).2010.11.
  13. 西海真理, 伊藤知亜妃, 伊藤龍子.新生児の適切なスキンケア普及のための教材開発.第56回日本小児保健学会(京都).2010.10.
  14. 福田清香, 植松悟子, 阪井裕一, 伊藤龍子.小児救急医療における救急搬送の実態.第56回日本小児保健学会(京都).2010.10.
  15. 緒方志穂, 林和美, 宮本佳奈美, 村山由里子, 玉城久美子, 西海真理, 伊藤秀一, 伊藤龍子.血液透析を受ける子どもと家族への支援.乳幼児期の成長発達に合わせた環境への配慮.第31回日本小児腎不全学会(新潟).2010.10.
  16. 宮本佳奈美, 西海真理, 伊藤龍子.在宅自己導尿患児の就学時の管理に向けた就学前支援のあり方.第19回日本小児看護学会(札幌).2010.7.
  17. 河合映子, 伊藤龍子他.ICU入室時のきょうだいへの家族の対応.第18回日本新生児看護学会(札幌).2009.11.
  18. 須藤真里子, 辻聡, 上村克則, 伊藤龍子他.家庭内での小児熱傷予防について.第36回日本救急医学会(札幌).2009.10.
  19. 西田幹子, 伊藤龍子.外来透析室と病棟との継続した看護を目指して.透析室看護師の役割を考える.第30回日本小児腎不全学会(栃木).2009.10.

研究助成
  1. 平成24年度成育医療研究開発費研究事業「小児在宅医療協働モデル構築に関する総合的研究」(分担研究者)(平成24年度~平成27年度)
  2. 平成24年度聖路加看護大学個人指定寄付研究事業「末梢静脈留置カテーテルを用いた末梢静脈注射に関する多施設疫学調査」(分担研究者)(平成24年度~平成27年度)
  3. 平成22年度成育医療研究委託研究事業「成育看護に従事する看護職員の人材育成キャリアパスの構築と具体的研修プログラムの開発」(分担研究者)(平成22年度~平成23年度)
  4. 平成21年度成育医療研究委託研究事業「超重症児の在宅医療における地域資源開発」(分担研究者)(平成21年度~平成23年度)
  5. 平成20年度国立成育医療研究センター成育政策科学部個別研究「出産経験が4-5歳児の育児状況に及ぼす影響に関する研究」(分担研究者)(平成20年度~平成24年度)
  6. 平成20年度成育医療研究委託研究事業「小児における看取りの医療に関する研究」(分担研究者)(平成20年度~平成22年度)
  7. 平成19年度国立病院機構臨床研究政策医療ネットワーク研究「成育医療における育児支援ネットワークの構築に関する研究」(研究代表者:伊藤龍子)(平成19年度~平成20年度)
  8. 平成19年度日本小児看護学会健やか親子21推進事業委員会委託研究「小児救急医療における看護師のトリアージ教育評価に関する研究」(研究代表者:伊藤龍子)
  9. 平成18年度日本小児看護学会委託研究「小児救急医療におけるトリアージ教育評価に関する研究」(研究代表者:伊藤龍子)
  10. 平成17年度日本看護協会看護政策研究事業「小児救急医療における看護師のトリアージの有効性に関する研究」(研究代表者:伊藤龍子)(平成17年度~平成18年度)
  11. 平成17年度国立病院機構多施設共同研究「小児患者に要する看護時間と適正人員配置に関する研究」(分担研究者)(平成17年度~平成18年度)
  12. 平成17年度厚生労働科学研究費補助金子ども家庭総合研究事業「小児医療における安全管理指針の策定に関する研究」(分担研究者)(平成17年度~平成19年度)

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