研究科紹介 高橋哲也 研究室 Takahashi Lab
研究のコンセプト
高橋哲也研究室のコンセプトは、
- 運動の効果を、年齢や疾患を問わず広く証明すること
- 運動意欲を高く保ち、運動を継続する方策を開発すること
- 入院してもできるだけ運動機能を低下させない理学療法を開発すること
バーチャルリハビリテーションシステムの開発
近年、人の動きをセンシングするモーションセンサの開発が進み、現在では、ひとのわずかな身体の動きでも感知することができ、可視化することが可能となった。
我々は足踏みやペダリング運動など四肢の動きをモーションセンサで認識させて、独自に収録した実写映像と連動させるバーチャルエクササイズシステムの開発を行った。



この事業は、競輪の補助を受けて実施しました。
遠隔心臓リハビリテーションの効果検証
内科、外科ともに入院による身体機能の低下は退院後の介護度や健康寿命に大きく影響することから、入院による身体機能の低下を最小限に抑えることに加え、身体機能が十分に回復しないまま退院した場合であっても、回復期から維持期・生活期にかけて身体機能の低下を克服するリハビリテーションを継続して行うことが重要で、そのシステムの構築は喫緊の課題である。特に日本では患者の高齢化や退院後の精神的不安、物理的距離などの要因から、外来通院の困難さが依然として存在し、通院型の外来心臓リハビリに代わる新しいリハビリモデルの開発は急務となっている。
遠隔心臓リハビリテーションには以下の2つのモデルがあり、本研究室ではそれぞれの実用化の効果検証を行っている。
- 非同期型(オフライン)モデル:患者が自身のスケジュールで処方された運動セッションを完了する自己管理型形式。生体データを臨床医に送信するモニタリングデバイスを使用し、定期的なレビューが行われる。このモデルはリソース効率が高く拡張可能だが、患者のモチベーションが高く、十分なITリテラシーを有することが必要。
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- 2025年度事業名:「高齢心疾患患者に対するテレリハビリテーションの実用化研究 補助事業」
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- 同期型(オンライン)モデル:ビデオ会議プラットフォームを介してリアルタイムで運動セッションに参加する形式。直接的な監督、即時フィードバック、リアルタイムの調整が可能。
- 「フレイル・HAD克服モデル」特に高リスク患者や運動に不慣れな患者を対象とするモデル。複雑な措置は必要ない。
- 「自転車IoTモデル」は、自宅にIoT化した自転車エルゴメータを置き、インターネットを通じて病院と接続し、心電図、運動負荷強度、回転数、酸素飽和度などを監視しながら運動療法を行うモデル。
本研究はJSPS科研費の助成を受けて行われています。
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- 基盤研究(B):心臓外科術後の要介護度悪化の早期予防を目的とした遠隔心臓リハビリの構築と効果検証
- 基盤研究(B):高齢心不全患者の退院後要介護度悪化予測モデルの構築と個別化遠隔リハビリの効果検証
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教員の主な研究テーマ
- 内部障害患者のフレイル対策
- Hospitalization Associated Disability予防
- 再発・再入院・要介護度悪化予防
- 遠隔心臓リハビリテーション
- バーチャルリハビリテーション機器開発
- 難渋する症例に対する理学療法の効果検証
など
担当学生の研究テーマ例
- 入院関連能力低下と入院中の身体活動量の関係について
- 末梢磁気刺激が循環動態に及ぼす影響
- 高齢肺がん患者の骨格筋量と身体機能の関係
など
Labメンバー
- 岡野圭祐(前期博士課程2年)
- 尾池健児(前期博士課程2年)
- 太田悠介(前期博士課程1年)
- 風間寛子(前期博士課程1年)
- 坂本勇斗(前期博士課程1年)
- 鈴木雄也(前期博士課程1年)
- 髙木亜季(前期博士課程1年)
- 田中朝陽(前期博士課程1年)
- 仁木明日香(前期博士課程1年)
- 藤田貴大(前期博士課程1年)
- 藤原勇太(前期博士課程1年)
- 柳澤佑哉(前期博士課程1年)