洛星高等学校(2024年8月22日)

洛星高等学校×順天堂大学

-挑戦と情熱未来を創る医学の可能性-

7月にわたくしたちが訪問した洛星高等学校の1年生20名が、今度は本学を訪問してくれました。当日の午前中は激しい雨で移動が大変だったようですが、順天堂に到着したときはカラッと晴れてとても良い天気に恵まれました。当日は限られた時間でしたが、特別講演と順天堂の研究棟ツアーを行いました。この一日を司会でもある小川尊資がレポートします。

■コロナと戦った1593日 ―順天堂医院 COVID病棟の現場から―

まず、コロナ診療に感染症流行初期の段階から携わってこられた比企誠先生の講演から始まりました。今日は先生が診療を始めて1593日ということでまだ終わらないコロナ感染の実情、チーム医療で対応することの重要性や、感染リスクへの恐怖なども交えながら貴重な体験のお話をいただきました。先生の経験を写真やビデオを交えてお話しいただき生徒さんは聞き入っていました。

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循環器内科・救急科 比企誠先生
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■分子から臓器まで視るバイオ顕微鏡技術

次に、生化学・生体システム医科学 主任教授の洲﨑悦生先生による講演「分子から臓器まで視るバイオ顕微鏡技術」が行われました。洲﨑先生は「巨人の肩の上に立つ」という表現を用いながら、先人たちの研究成果を活かしつつ、分子レベルから臓器までを視ることができる最先端のバイオ顕微鏡技術について解説しました。

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生化学・生体システム医科学 洲﨑悦生先生
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生徒たちは、この革新的な技術がどのように医療や研究の現場で活用され、病気の解明や治療に貢献しているかを学びました。また、講演の最後には、洲﨑先生が「科学の進歩には過去の研究の積み重ねが不可欠であり、私たちは常に新たな視点と探求心を持つことが大切だ」というメッセージを伝え、未来の研究者たちに大きな刺激を与える機会となりました。

■研究室ってどんなところ?

その後、生化学・生体システム医科学分野の最前線に触れる研究室見学ツアーを行いました。参加した高校生たちは、各研究室を回りながら、指導教員の解説に食い入るように耳を傾けていました。

まずは洲﨑悦生先生の研究室を訪れて、バイオ顕微鏡技術の最前線に触れました。次に細胞機能研究室や質量分析室を見学し、細胞や分子レベルでの研究の重要性を学びました。さらに、形態解析イメージング研究室や生理系・化学生物系実習室では、実際の研究機器や実験のプロセスを目の当たりにし、科学の奥深さを実感しました。

洲﨑先生をはじめ、大友康平先生、鈴木香先生の解説のもと、見学は非常に充実したものとなったようでした。

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京都からの来校は大変だったかもしれませんが時間ぎりぎりまで滞在して「本物を見る」経験ができたのではないかと思います。今後も、順天堂大学は、首都圏に留まらず全国各地の高校と連携し、多くの生徒さんに医学の魅力をお伝えしていきます。高大連携イベント、これからもご注目ください。

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