本郷高等学校・湘南白百合学園高等学校(2026年7月23日)

本郷学園・湘南白百合学園の生徒が順天堂大学を訪問

― 医師の講演、医療体験、医学部生との対話を通して医療の現場に触れる ―

「患者さんに複数の治療法がある場合、医師はどのように治療方針を決めるのですか」

2026年723日、順天堂大学で開かれた高大連携プログラム。耳鼻咽喉科学講座主任教授の松本文彦教授による講演では、高校生から医師の意思決定に踏み込む質問が寄せられました。

この日参加したのは、本郷学園と湘南白百合学園の中学生・高校生あわせて22名です。生徒たちは、医師による講演、シミュレーションセンターでの医療体験、日本医学教育歴史館の見学、現役医学部生との交流を通して、医学・医療と大学での学びに触れました。

■患者に選択肢を示し、専門家として判断する
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プログラムの冒頭では、松本教授が「私が医師を志した理由~一流の外科医を目指して~」と題して講演しました。

松本教授は、医師を志したきっかけや学生時代、海外留学、頭頸部がん診療に携わってきた経験を紹介しました。

頭頸部がんの治療では、がんを取り除くことだけが目的ではありません。食べる、話す、聞くといった機能をできる限り守り、治療後の生活を支える視点が必要になります。

講演を聞いた生徒たちからは、複数の治療法がある場合の判断について質問が挙がりました。

松本教授は、患者の考えや生活背景を踏まえて選択肢を示したうえで、医師には専門家として判断を伝える責任があると説明しました。

また、医師の言葉は患者を勇気づける一方、落胆させることもあると指摘。知識や技術だけでなく、自分の考えを自分の言葉で伝える力の大切さを語りました。

講演の最後には、座右の銘である「鬼手仏心」を紹介しました。病気に立ち向かう確かな技術と、患者に寄り添う心。その双方を持つことの重要性を伝え、「さまざまなことに挑戦してほしい」と生徒たちに呼びかけました。

■声を掛け合いながら患者を運ぶ
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講演後、生徒たちは両校の混成4グループに分かれ、シミュレーションセンターへ移動しました。

体験したのは、担架搬送、心エコー、採血、手術支援ロボットの4項目です。各グループが15分ずつブースを巡りました。

担架搬送では、患者役を安全に運ぶための姿勢や役割分担を学びました。

「持ち上げます」「右へ曲がります」

生徒たちは互いに声を掛け、動きを合わせながら担架を運びました。搬送は力だけで行うものではありません。周囲の安全を確認し、チーム内で情報を共有することが欠かせないと学びました。

指導には、福島理文先生と学生スタッフがあたりました。

■モニターに映る心臓の動きを見る

心エコーのブースでは、超音波を使って心臓の動きを観察しました。

プローブを動かすと、モニターに拍動する心臓が映し出されます。生徒たちは画像を見ながら、心臓の構造や動きを確認しました。

金子智洋先生によるミニレクチャーでは、超音波検査の仕組みや画像の見方について説明を受けました。検査機器を操作するだけでなく、得られた画像から体内の状態を読み取ることが診療につながると学びました。

■一つひとつの手順を確かめる

採血のブースでは、医療用シミュレーターを用いて基本的な手技を体験しました。

生徒たちは、高橋看護師や医学部生から器具の扱い方や手順の説明を受け、針を進める位置や角度を確認しました。

採血は日常的に行われる医療行為ですが、患者の安全を守るためには、決められた手順を正確に行う必要があります。生徒たちは、一つひとつの操作を確かめながら取り組みました。

■指先の動きがロボットアームに伝わる
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手術支援ロボットのブースでは、「da Vinci」と国産の「hinotori」を操作しました。

生徒たちは操作台に座り、モニターを見ながらロボットアームを動かしました。器具を使って小さな対象物をつかむと、手元の動きが精密なロボットアームの動作へと変換されます。

センターの竹本さんと三木田さんの指導のもと、生徒たちは繰り返し操作に挑戦しました。最先端の機器に触れるだけでなく、手術を支える技術の精密さを実感する機会となりました。

各ブースでは、教員や看護師に加え、順天堂大学の学生も指導を担当しました。

高校生に年齢の近い学生が、操作方法や学習内容を説明します。生徒たちは分からない点をその場で尋ね、両校の仲間と協力しながら体験を進めました。

学校の異なる生徒同士が、互いに声を掛け合う姿も見られました。

■クイズ形式から医学教育の歴史をたどる
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シミュレーション体験を終えた生徒たちは、日本医学教育歴史館を訪れました。ここでは、館内の展示を使った「クイズラリー」に挑戦しました。生徒たちはグループで展示を巡り、資料や解説文の中から答えを探しました。相談しながら展示品を見比べ、順天堂の歴史や日本の医学教育の歩みをたどりました。関心は順天堂の沿革だけにとどまりませんでした。日本で医学や医療がどのように発展してきたのか、展示資料を読み込む姿が見られました。

■医学部生に聞く、受験と大学生活
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プログラムの締めくくりには、順天堂大学医学部の学生との交流会を行いました。高校生からは、医学部受験に向けた勉強方法、学校生活との両立、苦手科目への向き合い方、大学の授業や実習について質問が寄せられました。医学部生は、自身の高校時代や受験経験を振り返りながら答えました。日々の勉強時間をどのように確保したか。入学後の生活は高校時代の想像とどう違ったか。実際の経験をもとに話しました。高校生たちは、年齢の近い先輩の言葉に耳を傾け、医学部で学ぶ生活を具体的に思い描いていました。

■医療を知り、医師の責任を考える
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講演で示されたのは、医師として判断することの責任でした。シミュレーションセンターでは、医療を支える技術と、声を掛け合うことの大切さを体験しました。歴史館では現在の医学につながる歩みを学び、医学部生との交流では、その先にある大学生活について聞きました。医療の現場に触れ、そこで働く人の言葉を聞く。生徒たちにとって、医学・医療と自らの進路を考える一日となりました。順天堂大学では、今後も高大連携活動を通じて、高校生が大学での学びや将来の進路について考える機会を設けていきます。