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行動力と語学力を備えた
即戦力を発揮できる診療放射線技師を育成します。

保健医療学部 診療放射線学科
坂野 康昌先生

坂野康昌先生

順天堂大学では、2019年度より理学療法士及び診療放射線技師の養成を行う
「保健医療学部」を新たに開設します。

次々に高度な医療機器が登場し、技術革新が目覚ましい診療放射線分野。2019年度に新設される順天堂大学保健医療学部診療放射線学科では即戦力の診療放射線技師を養成するため、優秀な教員・最先端の施設・大学と病院が一体となった育成体制を用意しています。順天堂の診療放射線技師の学びについて、病院や大学での指導経験が長い坂野康昌先生にお話をお聞きました。

先生が診療放射線学を学ぼうと思われたきっかけは?

高校時代から「医療系の仕事をしたい」と考えていましたが、家庭の事情で大学への進学を断念せざるを得ませんでした。高校卒業後、生活のために働きはじめましたが、どうしても医療系の仕事への夢をあきらめ切れませんでした。そのとき知ったのが、国立大学医学部附属の診療放射線技師学校の存在でした。この学校は2002年に文部科学省の方針でなくなりましたが、私の受験当時は学費無料で診療放射線技師になるための勉強ができたのです。その代わり、1学年20名の狭き門だったと記憶しています。
3年間診療放射線技師になるための勉強をし、国家資格も取得しました。その後、当時メディアを賑わせていた医療訴訟や安楽死問題にも興味が湧き、働きながら夜間の大学の法学部で学費免除の給費生として学びました。このとき医療の関連法規を勉強したことが、後々のキャリア形成に大変役立ちました。

当時の診療放射線学はどんな学びでしたか?

坂野康昌先生

私が学んだ1970年代は、診療放射線技術もまだアナログの時代。皆さんがよくご存じのエックス線写真も、暗室で現像していました。暗室では撮影したフィルムを現像・定着・水洗・乾燥といった一連の作業を行いました。昔は先生の教え方もアナログ方式で、まだ徒弟制度の名残りがあるような上命下服の時代でした。しかし、教え方もゆったりとして、「情の通った良き時代」でもありました。
現在はデジタル化・高速化が進み、診療放射線技師が撮影した画像は瞬時に医師のもとへ送られ、患者さん自身も医師からの診療説明のため見ることができます。さらに撮影画像は医師の治療情報とともに短時間で電子カルテ化され、受付なども含めた病院全体で情報を共有しています。

現在の診療放射線学の学びはどのようなものですか?

診療放射線学科では診療放射線技師を養成するための学びを提供するわけですが、医療機器の驚異的な進歩とともに、学習の質も量も増大しています。呼応して、診療放射線技師の仕事も多岐に拡がっています。
医療機関での診療放射線技師の仕事は大きく「三大部門」に分かれます。
1つ目はエックス線検査、CT検査、MRI検査、消化管造影検査などの画像診断です。2つ目はポジトロンを活用するPET検査やSPECT検査などの核医学検査。3つ目はがん患者さんに対しておこなわれる放射線治療です。診療放射線技師とはこの3つの部門で活躍できる人を指し、そのための国家資格取得に必要な知識と技術を4年間かけて学んでいただきます。最先端の医療機器に関しても、順天堂の6附属病院のほか、多数の提携病院で臨床実習し、学ぶ機会を確保しています。

学科の4年間を経て、学生にはどのような人に育ってもらいたいですか?

まず行動力がある人です。診療放射線技師はまずは診療に従事できる実務家であることが重要です。次のステップとして診療・教育・研究を実践できる人財が望ましいと考えています。頭の中だけで考えるのではなく、外へ出て、どんどん勉強していただきたいですね。実際のところ、座学ではなかなか身につかない内容も多いのです。
そして、チーム医療の中にあって協調性を発揮できる人です。病院などに就職し、年齢とともに昇格していくと、やがて管理職に就くことになります。そうなると協調性に加えて、人をマネジメントする力も必要です。

診療放射線科

さらに今後の医療では、コミュニケーション能力もますます必要とされるでしょう。日本に定住されたり訪問されたりする外国人の方は、右肩上がりで増えています。日本の優れた医療を提供するため、医療業界でもより良い接遇のために外国語能力が求められています。個の力・集団の力・連携の力を熟知して、未来の医療を切り拓き、社会に貢献していける「人財」に育てていきたいと考えています。

学びの場としての、順天堂大学の優れた点を教えてください。

今後ますます進む医療の国際化に向けて、順天堂大学では英語力の向上に力を入れています。全学部にTOEFL試験を導入し、優秀な成績を修めた学生を表彰するなど、全学を挙げて語学の学びをサポート。本当の意味でのグローバル人財の育成を目指しています。
長年に渡って順天堂大学は海外の交流協定校を充実させ、グローバルな双方向ネットワークをすでに構築済みです。短期留学など、もちろん留学制度も整備しています。学生の皆さんは大学の制度を利用して海外へ学びに行くこともできますし、海外から来られた方と日本で交流することもできます。
さらに、順天堂大学には優れた教員が集まっていること。附属病院が6つあり、施設・設備にも最新のものが揃っていること。そして大学と病院が緊密に連携し、学生に豊富な現場体験を積ませる体制が整っていること。つまり、「人・もの・体制」の3つがしっかり揃っていることは間違いありません。

坂野康昌先生

「指導者」としての先生の目標を教えていただけますか?

坂野康昌先生

私自身は研究者というよりは実務家として、これまでのキャリアを築いてきました。そのため常日頃から、診療放射線技師として即戦力になる学生を育成したいと考えています。即戦力になるためには専門知識や技術だけでなく、先にお話した行動力も必要です。場合によっては語学力が求められることもあるでしょう。
大学の講義では、「放射線生物学」「放射線関係法規」などを担当します。教室で皆さんにお会いできる日を楽しみにしています。

最後に受験生へのメッセージをお願いします。

どんなに医療機器が進歩しても、診療放射線技師の基本的な技術は変わりません。また、大学では専門知識ももちろん学ぶわけですが、実社会で活躍していくためには知識に終わらせず、知恵に変えていかなくてはなりません。
このような技術や知恵を身につけるためには、「心・技・体」の3つが備わった教育が必要です。体を鍛える「体育」、知識を学ぶ「知育」に加えて、「徳育」の部分が重要だと私は考えています。受験生の皆さんは、入学後「心・技・体」が一体となった順天堂の学びにより、実社会で実現力を発揮する人財へと成長することができます。
そしてやはり医療従事者に必要なことは、「どれほど人を好きでいられるか」です。順天堂の学是は「仁」ですから「他を思いやり、慈しむ心」を育む4年間としていただきたいです。
順天堂大学保健医療学部開設準備室 特任教授 坂野 康昌先生 経歴
千葉大学医学部附属診療放射線技師学校卒業
明治大学法学部法律学科卒業
首都大学東京大学院にて修士号、博士号を取得
放射線技師として、都立荏原病院、都立広尾病院、都立駒込病院で放射線技師長などを歴任
教員としては首都大学東京客員教授、つくば国際大学医療保健学部診療放射線学科長などを務め、2018年より順天堂大学保健医療学部診療放射線学科開設準備室 特任教授
2013年 瑞宝双光章受章