先輩が順天堂大学に入学を決めた理由

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美しい標本が命を救う。
確かな診断を支える臨床検査技師を養成

医療科学部 臨床検査学科
廣井 禎之 先生

廣井先生

順天堂大学では、2022年4月に臨床検査技師および臨床工学技士の養成を行う
「医療科学部」を新たに開設しました。

今回は、検査結果からより早く病因を発見し、確かな診断に導く臨床検査技師という職業について、病理分野・細胞診のスペシャリストである廣井禎之先生に、学びの面白さや仕事のやりがいをお聞きしました。

臨床検査技師はどのような役割を持つのでしょうか。

臨床検査技師は、患者さんの身体の機能や血液、細胞・組織などに異常がないかを検査します。これにより医師は病変を発見し、確かな診断を下すことが可能になります。現在は臨床データと薬剤感受性の研究が進んでおり、臨床検査が治療薬選択の指針にもなっています。日本で臨床検査技師の国家資格制度が始まったのは1958年。医療の発展とともにそのニーズは高まり、「検査のスペシャリスト」としてチーム医療に大きく貢献してきました。
臨床検査技師の仕事には大きく2種類あります。一つは摂取した身体の組織を検査する「検体検査」。血液検査や細胞診によるがん細胞の検査などがこれにあたります。もう一つは医療機器を使って患者さんの身体を検査する「生体検査」。心電図検査や血液検査などがイメージしやすいでしょう。検査によって病気を早期に見つけることで、患者さんの命を救うことに繋がる、非常にやりがいがある仕事です。

臨床検査

どのような場面で活躍できるのでしょうか。

臨床検査技師の活躍の場は幅広く、病院などの医療現場はもちろん、研究所、保健所、検査センター、残留農薬試験所など多岐にわたります。また、製薬会社や化粧品会社、機械メーカ―など企業で活躍する臨床検査技師もいます。皆さんも髪表面のキューティクルやお肌のキメの拡大図を見たことがあると思いますが、そういった標本を作っているのも臨床検査技師のことが多いです。

臨床検査技師のやりがいを教えてください。

検査については、自らの臨床検査データで難しい病気の診断が出来た時や、そのデータにより治療指針が決まり患者が回復に向かうなど、検査による医療への貢献が、医師に感謝された時にやりがいを感じます。やはり役に立ったと褒められるのはうれしいです。

廣井先生

以前、夜間救急外来に強い咳の患者が来て胸部レントゲン等により結核を疑われたことがありました。時間外ではありましたが気管支吸引物より結核菌の検査を依頼され、蛍光染色により検査をしたところ強陽性で結核症と確定診断がなされました。結核とわかれば適切な処置が可能です。このとき、検査の大切さとやりがいを感じましたし、人に頼られる仕事を選んで良かったと思いました。
ほかにも、私の専門の病理検査では胸水が貯まり細胞診でがんか否かの判断に悩んだ症例もあります。医師の側ではがんでは無いと思うものの、完全には否定できないと相談されました。そこで私が自らの分子病理学的技術でmRNAの検査を行ったところ陰性であることがわかりました。
分子病理学検査でもがんでは無いという結果となり、臨床所見と合わせて判断した結果、主治医は抗がん剤を使用しない治療を選択。その後の経過観察で症状は改善し、あのとき抗がん剤を投与しなくて良かったと感謝されました。

病理学の面白さはなんですか?

病理学領域での臨床検査技師の仕事はおもに病理組織標本作製と細胞診です。病理組織標本作製は基本的にハンドメイドで行われています。いろいろ工夫をして綺麗な標本を作ることに面白さを感じます。細胞診は顕微鏡で細胞を見てがん細胞を見つけ出すのが主な目的です。顕微鏡で細胞を見ると、細胞一つひとつに表情があることに気付かされます。同じ人間でも一人ひとり顔が違うように、同じ種類の細胞でも見え方が違います。

廣井先生

そんな細胞を正しく見極め、がん細胞を見つけるのは難しいですが、何度も見直してがん細胞を見つけ出したときにやりがいと面白さを感じます。がん細胞は突然がんに変わるのではなく細胞分裂を繰り返すことにより遺伝子の変異がいくつも重なってがんになります。オセロゲームのように突然がんになるわけではありません。がん細胞だと判断するのが難しい細胞もあります。判断がつかないときは異なるアプローチで検査を行いながら一つひとつ丁寧に向き合って解き明かしていくのも病理学の奥深さだと思っています。

標本

上段:左から①筋型動脈、EVG染色、病理組織標本②肺、H&E染色、病理組織標本③悪性胸膜中皮腫、胸水細胞診
下段:④軽度異形成、細胞診、子宮頸がん集団検診⑤肺気管支腺、H&E染色、病理組織標本⑥肺胞、H&E染色、 病理組織標本

順天堂大学だからこそできる臨床検査の学びとは?

臨床検査

やはり順天堂の魅力は、学部の壁を取り払った教育です。順天堂大学が擁する医学部をはじめとした他学部との連携により、各分野の専門家から質の高い授業を受けることができます。学内実習では、実際の現場で使用している本物の機器を使った実習も取り入れておりダイナミックな学びができることもポイントです。
臨地実習は、順天堂大学医学部附属病院をはじめとして関東圏の病院で行います。
他学部とは、医学部、医療看護学部、保健医療学部などと部活動などによる交流も可能です。現在、基礎科目の共通化も検討されています。

どんな人材になってほしいと考えていますか?

検査の先には病める人がいるということを理解し、自分たちの検査データで診断・治療方針が決まるという意識をしっかりと持って従事できる臨床検査技師を育成したいです。優しく人を思いやり、患者さんのことを考えて行動できる人、また新たな知見を求めて常に前進したいという意思を持った人になってほしいですね。そのために、臨床検査技師として必要な知識と技術はしっかりと伝えていきたいと思っています。私が師匠から受け継いだ先代からの技術を未来ある皆さんに伝承し、後世へと繋いでいきたいです。そして、さらにその先に進んでくれることを願っています。

廣井先生

受験生へメッセージをお願いします。

どの分野でも奥が深く、やりがいのあるのが臨床検査です。私も初めは病理学の成績は良くありませんでした。しかし、学ぶうちに興味がわき、面白さとやりがいを感じました。技術についても誰でも最初は初心者です。しかし、標本をつくる技術は不器用でも努力をすれば必ず身に付けられます。私も不器用でなかなかうまくなりませんでした。
臨床検査技師は医師や看護師との連携や患者さんとのコミュニケーションも重要です。ですから、順天堂が掲げる「仁」の精神を持ち、現状に満足せず常に高い目標を目指して努力を続ける「不断前進」の姿勢をもち続けてほしいです。医療の進歩に貢献したいというフロンティア精神を持った方にはぜひチャレンジしていただきたいですね。
医療科学部 学生部長・臨床検査学科 教授 廣井 禎之先生 経歴
東邦大学大学院理学研究科生物学専攻修了。理学修士、医学博士。
防衛医科大学校医学教育部医学科病理学第一講座(現:臨床検査医学講座)防衛庁技官、防衛教官(指定講師)、新渡戸文化短期大学臨床検査学科学科長を経て、2021年度より順天堂大学医療科学部特任教授、2022年4月より順天堂大学医療科学生部長、同臨床検査学科教授。
日本病理学会学術評議員、日本臨床細胞学会評議員、同国際交流委員会委員、日本組織細胞化学会評議員、日本臨床検査技師会等に所属。臨床検査技師、国際細胞検査技師、一級臨床検査士(病理学)の資格を持ち、一級・二級臨床検査士(病理学)試験委員も務める。
 
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