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2018.5.16 イベント TOPICS

「女性アスリートヘルスサポートセミナー2018」を開催しました!

「女性アスリートヘルスサポートセミナー2018」開催報告

成長期の女子アスリートは、「生きるため・生活するためのエネルギー」、「発育・発達のためのエネルギー」に加え、「運動で使うエネルギー」が必要です。しかし、過度な運動により「発育・発達のためのエネルギー」が少なくなり、低身長、無月経、貧血、疲労骨折など、女性アスリート特有の障害へとつながります。自分では気づかないうちにエネルギー不足に陥らないよう、「除脂肪体重」を用いた新たな指標をご紹介するために、2018年2月10日(土)に「女性アスリートヘルスサポートセミナー2018」を開催しました。

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開会の挨拶をする女性スポーツ研究センター長、
順天堂大学大学院スポーツ健康科学研究科 小笠原悦子教授

基調講演

まず、独立行政法人国立病院機構・西別府病院スポーツ医学センター長で婦人科医長の松田貴雄医師が「成長期女子アスリートのエネルギー不足を解消して除脂肪体重(筋肉量・骨量)を増やせ!」と題し、基調講演を行いました。
 
女性アスリートの症例を示しながら、体格によっては、エネルギー不足から思うようにトレーニングが出来ない状態に陥る可能性があることを説明しました。成長ピーク、除脂肪体重、骨密度の変化を重視し、従来の“体脂肪率”や“体重”とは異なる視点で成長期女子アスリートの体格の変化を捉えていくことの重要性を強調しました。研究によって裏付けされた最新の情報が示され、参加者は熱心に聞き入りました。

※基調講演の講義資料は、西別府病院のウェブサイトからダウンロードできます。

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惜しみなく情報を発信した松田医師

スラリちゃん・伸びマッスル表紹介

​順天堂大学と独立行政法人国立病院機構西別府病院が、平成28・29年度スポーツ庁「女性アスリートの育成・支援事業(再委託)」の一環で実施した調査を基に共同開発した、成長期のアスリートをサポートするエネルギー不足解決指標「スラリちゃん・伸びマッスル表」を成果物として発表しました。
女性スポーツ研究センタースタッフの関口晃子より、使い方を詳しく紹介しました。

※「スラリちゃん・伸びマッスル表」は女性スポーツ研究センターのウェブサイトからダウンロードできます(現在、準備中)。

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お披露目された「スラリちゃん・伸びマッスル表」

パネルディスカッション

パネルディスカッションでは、「成長スパートのカギは除脂肪体重にあり!」と題し、成長期女子アスリートのエネルギー不足を解消する留意点や成長を引き出す秘訣について、それぞれの立場から解説しました。コーディネーターは、女性スポーツ研究センター副センター長で順天堂大学スポーツ健康科学部の鯉川なつえ先任准教授が務めました。


パネルディスカッションは、それぞれの専門家から講義を行う形で展開されました。

本院・浦安病院の「女性アスリート外来」において、開設当初から女性アスリートのスポーツ栄養指導を担当する佐藤郁子先生は、ジュニアアスリートのエネルギー摂取の考え方に触れ、「長時間の練習で疲れきってしまい、食事をしっかり取れないようでは、成長が促されない」と強調しました。特に、健全な発育・発達のための栄養を確保しながら、運動で使う栄養・エネルギーをいかに確保していくかが大切だと解説しました。

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「女性アスリート外来」で栄養指導を担当している佐藤郁子先生
事例をあげわかりやすく説明しました。

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睡眠の専門医の葛西隆敏准教授
様々な研究データを元に最新情報を提供しました。
睡眠の専門家で、順天堂大学大学院医学研究科心血管睡眠呼吸医学講座の葛西隆敏准教授は、睡眠の質と成長ホルモンの分泌には関係があることを解説しました。そして、成長期の子ども達には約10時間の睡眠時間を確保すること、成長ホルモンの分泌のために質の高い睡眠(深睡眠)が得られるようにすること、また、そのポイントについてわかりやすく説明しました。

さらに、日本バスケットボール協会女子ジュニア専任コーチを務め、現役時代はバスケットボールのトップアスリートとして国内外で活躍された萩原美樹子さんは、ご自身の成長にまつわるエピソードを惜しみなく披露しました。成長期には、バスケットボール以外の競技にも取り組まれ、とにかくよくご飯を食べ、10時間の睡眠を確保していた、という自身の体験を語りました。また、成長段階における競技成績についても説明しました。

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日本バスケットボール協会女子ジュニア専任コーチの萩原美樹子さん
自身の成長過程と競技成績について説明しました。

コーディネーターの鯉川なつえ先任准教授が、あらかじめお聞きしていた萩原さんの成長記録を基に体重の推移をグラフ化し、萩原さんの成長時のエピソードと共に紹介しました。その後、これを「スラリちゃん・伸びマッスル表」に当てはめると、ピタリと「スラリちゃん・伸びマッスル表」中の“適正マッスルゾーン”に収まり、会場がどよめきました。「スラリちゃん・伸びマッスル表」を開発した松田医師による詳細な解説がなされると、参加者は一様に大きくうなずきました。萩原さんの場合、成長期の運動や生活習慣により、成長ホルモンの分泌が促され、今の体格(高身長)になった良い例であることが証明され、参加者からは感嘆の声があがりました。
 
最後の質疑応答では、参加されていたコーチ、サポートスタッフや保護者から、普段の生活・トレーニングで課題となっている切実な質問があがり、まさに参加型のセミナーになりました。
 

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託児ルーム

今回のセミナーでも、施設内に「託児ルーム」を設け、専門のスタッフを配置しました。小さいお子さんのいる参加者やスタッフも安心して、セミナーに参加していただきました。

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