鈴木 志保子
神奈川県立保健福祉大学 保健福祉学部栄養学科 教授
競技選手への競技力向上のための栄養サポートに関する研究などを行う。
主な著書に「基礎から学ぶ!スポーツ栄養学」 (「基礎から学ぶ!」スポーツシリーズ) などがある。
鈴木 志保子先生の連載記事一覧
- vol.024#鈴木 志保子##「超省エネな身体」とは?
省エネな身体であるにもかかわらず、さらに極端な減食を行ったり、活動量を増加させることによって体重や体脂肪を減少させた身体を「超省エネな身体」と呼んでいます。
- 超省エネな身体
- vol.013#鈴木志保子 教授##大量のエネルギーを消費するアスリートにとって望ましい省エネな身体について解説します。
- 省エネな身体
- vol.003#鈴木志保子 教授##アスリートにとって体調やコンディションを整える食事とはどんなものなのか鈴木志保子教授にお聞きしました。
- コンディションを良好に保つための食生活のポイント
省エネな身体とは?
練習量の多いアスリートは、練習でのエネルギー消費量が多過ぎて、1日のエネルギー消費量が「最大限食べて得られるエネルギー摂取量」を超えてしまうことがあります。

故障中のアスリートは太りやすい? その理由としくみとは
故障中になぜか短期間で体重が増えてしまう、そのような経験や、身の回りで感じたことはありませんか?
その「なぜ」について、「省エネな身体」との関係性とともに例を挙げてみていきましょう。
練習量が少なくなったとき、体重を増加させないためのチェックポイント
故障中やオフ期には、次の三つの影響により、体重が増えるので気をつけましょう。
通常の練習に比べて、どのくらい運動量(エネルギー消費量)が落ちるか
運動量の差が大きいほど体重は増加します。
普段の省エネ量がどれくらいあるか
例に挙げたA選手は、エネルギーの消費量と摂取量の差である500kcalが省エネ量です。エネルギー消費量とエネルギー摂取量の差が大きければ大きいほど、省エネ量は多く、故障したときの急激な体重増加の可能性も高くなります。
エネルギーの消費が落ちた量と省エネ量を足したエネルギー量がどのくらいになるか
このエネルギー量があまりに多い場合には食べることができなくなってしまうため、あらかじめ体重の増加を覚悟します。
多くのアスリートは経験上、故障したときは食べる量に注意しないと体重が増えてしまうことを知っています。そのため、故障をしたり、練習量が少なくなったりしたときは、食べる量をコントロールしています。ただし、やみくもに食事を減らせば良いというものではありません。エネルギー消費量、エネルギー摂取量、省エネ量の三つの関係を考えながらコントロールすることが重要です。
