vol.028
海外レポート

ハッシュタグを広報に用いたキャンペーンを紹介!

ハッシュタグってなに?

「ハッシュタグ(#←この記号のこと)」をご存知ですか?「Facebook」や「Twitter」、「Instagram」などのSNS(ソーシャル ネットワーキングサイト)を使っている方は、もうお馴染みかもしれません。ハッシュタグは、例えば「#◯◯◯◯」のように、「#」と「キーワードや短い文 章」を連続させ、ひとつの単語のように使います。
日本語、アルファベット、数字であれば、全角半角問わず、誰もが自由に作成することができますが、記号、 句読点、スペースは使うことができません。実際の使い方についてですが、これは「Facebook」の投稿ベージです。文章の後に改行して、#の付いたメッセージが6つ並んでいるのがわかると思います。これら6つがそれぞれ、タグ付きメッセージと呼ばれるハッシュタグの付いた投稿になります。
ハッシュタグ説明画像

では、なぜ、わざわざ文章中ではなく、後ろにタグ付きメッセージを羅列するのでしょうか?ここに、ハッシュタグ最大の利点が隠されています。タグ付けされたメッセージにはそれぞれリンクがつけられ、検索ワードのような役割を果たすのです。つまり、SNS上で一度タグを付けておくと、同じタグを付けた過去の自分の投稿だけでなく、他の人の投稿までも、タグ付きメッセージをクリックするだけで見ることができます。もちろん、「#◯◯◯◯」を検索ワードとしてサーチすることもできるので、ピンポイントの情報を瞬時に閲覧することができます。
この機能によって、例えばイベントやキャンペーンにおいて、主催者側があらかじめ独自のタグ付きメッセージを用意し、それを共有して拡散することが非常に流行っています。また、興味深いことに、あえて本文は書かずに、ハッシュダグだけを投稿し、感じていることや本音をSNS上で表現するという人が増えています。

ハッシュタグを用いたキャンペーンが流行中!

ハッシュタグを広報に用いた海外における女性スポーツに関するキャンペーンを紹介する前に、こんなデータをお伝えしておきましょう。
2016年2月に発表された「メディア定点調査2016」(株式会社博報堂DYメディアパートナーズ メディア環境研究所)によると、国内のスマートフォン所有率は71%、タブレット所有率は39%でした。とりわけ、東京都における15〜19歳のスマートフォンの所有状況は男性96.4%、女性90.7%と、その普及率の高さは一目瞭然です。
これら近年のスマートフォン、タブレットの急速な普及により、スポーツ分野においても、イベントやキャンペーンの広報に新しい動きがでています。最大の特徴は、主催側が、積極的にSNSを使うことを勧め、個人のSNSを媒介して大勢の人たちへの拡散を狙っているという点です。なかでも、宣伝文句を「タグ付きメッセージ」としてあらかじめ用意してその拡散を手助けする形をとっているキャンペーン、組織もあり、その手法は従来の広告媒体(テレビ、ラジオ、CM、チラシ、ポスター、ホームページなど)に比べて手軽で費用対効果が高く、スピード感があります。
それでは、具体例を挙げましょう。2015年1月から、イギリスでは、国をあげた女性のためのスポーツ推進キャンペーンである「This Girl Can」(スポーツイングランド主催)が始動しました。この「This Girl Can」の公式ウェブサイトおよび公式SNSサイト(「Facebook」Twitter」「YouTube」「Instagram」) では、タグ付きメッセージとして「#thisgirlcan(ディス・ガール・キャン)」を使用しています。
興味深いことに、SNS(ここでは 「Instagram」)に投稿する際に、#ThisGirlCanをタグ付けすると、下の写真のように、自分が投稿した内容が公式HP内のFeel Inspiredのコーナーにて共有される仕組みになっています。たくさんのタグ付きメッセージが写真とともに投稿されていますが、赤線で囲っている部分がこのキャンペーンを指しています。
thisgirlcan画像

この他、オーストラリアのクイーンズランド州が主催する「Join the Movement」があります。このキャンペーンは、女性が運動する理由となる「なぜ?」を応援することを目的としています。SNS(ここでは「Facebook」と「Instagram」)を介して共有された投稿は、公式HPのFeel Inspiredのコーナーで確認することができます。
jointhemovement

女性が運動する理由となる「なぜ?」をテーマにしているとあり、あらかじめ用意されたタグ付きメッセージは、「#ICAN(アイ・キャン:私はできる)」「#MYFRIENDSAREMYFUEL(マイ・フレンズ・アー・マイ・フューエル:友 達が私の動力源)」「#JOINTHEMOVEMENT(ジョイン・ザ・ムーブメント:ムーブメントへの参加)」 「#YOUNGEYESAREWATCHING(ヤング・アイズ・アー・ウォッチング:子どもが見ているよ)」「#ITSNEVERTOOLATE(イッ ツ・ネバー・トゥー・レイト:絶対に遅すぎるなんてことはない)」などの8つが作成されています。もし自分がどれかに当てはまるなら、それを選ぶことがで きますし、タグ付きメッセージの個数制限は設けられていませんので、加えてオリジナルの新しいハッシュタグを作成することもできます。
このように、ハッシュタグを使用した広報が一種のトレンドとして、非常に流行っています。この「ハッシュタグ」を入れることによって、公式HPやSNSを訪れた、より多くの方の目にこれらのキャンペーンが触れることになり、「クチコミ」のような原理で情報が広がっていくのです。SNSを利用している方も、利用されていない方も、是非一度、タグ付けメッセージに着目し、活用してみてはいかがでしょうか?
【参考文献】
博報堂DYメディアパートナーズ メディア環境研究所「メディア定点調査2016」: 
http://www.hakuhodody-media.co.jp/newsrelease/report/20160620_13699.html
Queensland Government. (n.d.). Join the Movement. Retrieved from
https://www.jointhemovement.qld.gov.au
Sport England. (n.d.a). This Girl Can. Retrieved from
http://www.thisgirlcan.co.uk
井上 好

ライター紹介
井上 好

国立大学法人鹿屋体育大学修士課程修了。
2014年9月より、ミネソタ大学大学院身体運動学科(アメリカ・ミネソタ)にて、女性スポーツ及びヘルスプロモーションを専攻。
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