順天堂グローバル教養論集第一巻20160325
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47科学的な表現力の育成を図る中学校理科授業の実践研究3.1. 質問項目1 「科学や自然について疑問を持ち、その疑問について人に質問したり、調べたりすることはありますか。」と質問をした。なお、この質問項目は、平成24年度全国学力・学習状況調査【中学校】と同じものを引用した。 その結果、「当てはまる」11.0%、「少し当てはまる」29.9%と、肯定的な回答は40.9%であった。一方、「あまり当てはまらない」51.2%、「当てはまらない」7.9%と、否定的な回答は59.1%であり、否定的な回答者の方が18.2%上回っている。一方、平成24年度全国学力・学習状況調査の結果では、肯定的な回答は46.7%、否定的な回答は53.3%であった。 このことから、調査校の生徒は、全国の値よりも肯定的な回答をする生徒が5.8%低いことが分かった。つまり、全国と比べて、理科授業において、科学や自然について疑問を持ち、その疑問について人に質問したり、調べたりすることがやや低い実態が明らかになった。3.2. 質問項目2 「課題に対する予想を自分の言葉で書くことができますか。」と質問をした。 その結果、「当てはまる」33.7%、「少し当てはまる」39.1%と、肯定的な回答は72.8%であった。一方、「あまり当てはまらない」23.1%、「当てはまらない」4.1%と、否定的な回答は27.2%であり、肯定的な回答者の方が45.6%上回っている。 調査校の生徒は、課題に対する予想を自分の言葉で書くことができると多くが考えている実態が明らかになったと言える。 しかし、調査校の生徒の記述した理科ワークシートや理科ノートをみると、予想を単語だけで答えていたり、その根拠を「何となく」など明確な根拠もなく書かれていたりすることが多くの生徒にみられた。つまり、生徒自身は書けると感じている一方で、実際には重要な部分まで記述することができない実態もみることができる。3.3. 質問項目3 「ワークシートに観察・実験から考察を自分の言葉で書くことができますか。」と質問をした。 その結果、「当てはまる」30.5%、「少し当てはまる」40.4%と、肯定的な回答は70.9%であった。一方、「あまり当てはまらない」27.9%、「当てはまらない」1.2%と、否定的な回答は29.1%であり、肯定的な回答者の方が41.8%上回っている。 調査校の生徒は、観察・実験の考察を自分の言葉で書くことができると7割以上が考えている実態が明らかになったと言える。 しかし、調査校の生徒の検証授業前の授業振り返りシートの記述内容をみると、「今日の授業は分かった」や「難しかった」など、記述内容に具体性が欠け、授業で学習した科学用語を活用していない生徒がみられた。つまり、書くことはできても具体的に何を書いたらよいのかが理解しておらず、自分の考えを記述していなかったり、文章構成ができていなかったりする実態もみることができる。3.4. 質問項目4 「話合いをするときに、自分の意見を言うことができますか。」と質問をした。 その結果、「当てはまる」29.3%、「少し当て図1. 調査前に行ったアンケート結果

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