順天堂グローバル教養論集第一巻20160325
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48順天堂グローバル教養論集 第一巻(2016)はまる」47.5%と、肯定的な回答は76.8%であった。一方、「あまり当てはまらない」16.1%、「当てはまらない」7.1%と、否定的な回答は23.2%であり、肯定的な回答者の方が53.6%上回っている。 調査校の生徒は、話合いをするときに、自分の意見を言うことができると8割程度が考えている実態が明らかになったと言える。 しかし、調査校の生徒の検証授業前の「話合い活動」をみると、グループの中で学力上位の生徒が一方的に話を進めてしまう場面があり、話合いに参加できていない生徒がみられた。また、話合いもただ話しているだけでグループでの意見をまとめるまではできないグループが多くみられた。 以上のことから、調査校の生徒たちは、予想や考察を自分の言葉で書いたり、話合いの中で自分の意見を言ったりするなど科学的な表現をすることが概ねできていると考えている。しかし、実際の学習の状況をみると生徒が考えているのとは異なる実態もあることが分かった。調査校の生徒に対して、科学的な表現力を育むことが重要である。4. 理科授業方法の構想-採点規準表と話合い活動の方略の工夫―4.1. 科学的な表現力を育む理科授業の構想 本研究では科学的な表現力を高めるために、採点規準を設けたワークシートと、ミニホワイトボードを用いた「話合い活動」の二つの手立てを行うこととした。また、科学的な表現力を育む理科授業の構想を図2に示す。4.1.1. ①導入: 返却されたワークシートの点数とコメントから自己課題を把握する段階。4.1.2. ②授業中: ・採点規準表を設けたワークシートに文章構成や自己課題を意識して記述する段階。 ・グループで「話合い活動」を行い、考えをミニホワイトボードにまとめる段階。4.1.3. ③授業の振り返り: 授業で学んだこと、考えたこと、疑問に思ったことをワークシートに定型文を意識して記述する段階。 これら①から③をスパイラル状に継続的に繰り返していくことにより、科学的な表現力を育んでいけるものと考える。4.2. 理科授業方法の工夫(その1)-採点規準表における方略- 河田(2010)は、「理科の授業では、楽しい授業だけでなく、その活動を言語化し文字化することが必要である。実験が楽しいだけになってしまい、言語化と文字化を怠ると子どもたちはただ楽しかった記憶しか残らず、何のために実験を行ったのかわからなくなってしまう。テストは文字情報である。言語化と文字化をきちんと行っておけば、文字情報であるテストに対応できる。」と、授業中における記述することの必要性を述べている。 また、河田(2010)は児童の記述力を高めるために、ノートのまとめ評定を行っている。これは、児童の書いたノートを10項目の「採点規準」で、各規準を1点で評価し、合計10点満点で評価するものである。なお、河田(2010)は、小学校の理科授業実践を通して、採点規準を用いたことで、ノートの書き方が向上し、学習意欲も向上したことを述べている。 本研究における採点規準は、河田(2010)の図2. 科学的な表現力を育む理科授業の構想

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