順天堂グローバル教養論集第一巻20160325
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49科学的な表現力の育成を図る中学校理科授業の実践研究10項目を参考にし、それを調査校の生徒の実態や生徒に身に付けさせたい力を踏まえて7項目に変更し使用した。河田(2010)は小学生の書いたノートの記述をもとに10項目の採点規準表で評価したのに対し、本研究は中学生が書いたワークシートの記述をもとに7項目の採点規準表で評価した。中学校における評価規準表を用いた理科授業の実践はこれまでになかった。これらの点が本研究と河田(2010)との違いである。 学習内容を記したワークシートの裏側に、採点規準表を設けることで、生徒にとってワークシートへの記述内容に対する評価が受けやすくなるという効果が期待できる。さらに、採点規準表への採点と教師のコメントを書いたワークシートを必ず次の授業に返却することにした。これは、生徒が自分の書いた内容を覚えているうちに返却されるため、ワークシートへの記述内容の課題が常に意識され、次の授業時間には、さらによい記述にしようという意欲につながるものと考える。採点規準表における方略は、次の手順1~手順4で行った。4.2.1. 【手順1】:採点規準を設ける 本研究では採点規準として7項目を設けた。具体的な採点規準表を表1に示す。 採点規準である7項目は、①本時の課題を書いているか。②文字を丁寧に書いているか。③課題に対する予想を書いているか。④本時の重要語句を捉えているか。⑤観察・実験結果を書いているか。⑥本時で疑問に思ったことを書いているか。⑦振り返りで自分の考えを書いているかである。①、②、④、⑤、⑥の項目は各1点とする。③は予想をただ書くだけでなく、文章構成や予想に対する根拠も書けているかを評価するため2点、⑦は科学用語を正しく用いることができているか、正しい文章が書けているか、本時の学習することを捉えているか、課題に対する自分の考えを書いているかを評価するため3点とする。4.2.2. 【手順2】:採点規準表を記したワークシートに記述 裏面に採点規準表を記したワークシートを生徒に配布する。ワークシートに書かれた内容について、裏面の採点規準の各項目に基づいて、10点満点で採点を行うことを生徒に説明する。 採点規準である7項目について、生徒がワークシートに書きやすくするための工夫も取り入れた。 例えば、ワークシートのはじめには本時の課題を書く欄を設けている。本時の課題をあらかじめ教師側が示すのではなく、生徒自身に課題を書かせることで生徒の問題意識を高め、その授業に主体的に参加させることを重視した。 次に、本時の課題に対する予想を書かせる際は、生徒に論理的な文章を書かせるため定型文を示し、正しい書き方を意識させることとした。表1. ワークシートの裏面に記した採点規準表10点満点(①、②、④、⑤、⑥を各1点、③を2点、⑦を3点)で採点を行います。採点規準としての項目点数① 本時の課題を書いているか。(1点)② 文字を丁寧に書いているか。(1点)③ 課題に対する予想を書いているか。(2点)④ 本時の重要語句を捉えているか。(1点)⑤ 観察・実験結果を書いているか。(1点)⑥ 本時で疑問に思ったことを書いているか。(1点)⑦ 振り返りで自分の考えを書いているか。(3点)合計点数先生からのコメント

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